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2005.01.25

金融夜光虫

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金融夜光虫 杉田望 講談社文庫 \730
 この作品の中では「ゆうかHD」って書いてあるけど、「りそな」であることは経済にどんなに疎い人でもすぐにわかります。オビのキャッチに「売国奴の正体を暴く!」とあり、竹中大臣(竹村伍市)と木村剛氏(大村祐一)の両氏を糾弾しています(ようにしか見えない。というよりも、そう読んで欲しいと狙っているとしか思えない。)。そこには、母国をアメリカに売り渡そうとする(と著者が考えている)連中に対する著者の怒りが込められているのだろう。しかし、死者まで出た一連の顛末を殆どそのままなぞっていく姿勢には、強い疑問と反発を感じる。
 さらには、揚げ足をとるつもりはないけれども、生半可な知識で書いているようなので、技術的な誤解や「繰延税資産(もちろん正しくは繰延税金資産です。)」とか誤字連発。専門知識以外にも「神戸西宮」とか出てくるし。これは、明らかに西宮市と神戸の中心街の三宮を混同している。ひどいのは、登場人物の一人である「津村」が「津田」になっている箇所(一箇所だけですが。)まであった。本筋とは違う些細な点だとは判りながらも、引っかかってしまって興ざめするんですね。
 
 著者は小説の形を借りた摘発本に仕上げたつもりなんでしょうが、いわゆる「謀略もの」にしか見えなかった。全てはアメリカの陰謀だ、ってここでいうアメリカってなんなんや?小説には書いていないけれど、行き着く先は「ユダヤが悪い」、「フリーメーソンの陰謀だ」とかいったものではないのでしょうか。昔、私の父が知り合いのユダヤ人(フリーメーソンのメンバーだったらしい。)から教えてもらったところでは、入会時にちょっと秘密めいた儀式はあるもののフリーメーソンもよくある親睦団体の一つに過ぎないってことらしい。何でも謎めいたものはもっともらしく語られることが多いもんですが、そういったことを踏まえて「ひとつ、だまされてみようか」と思いながら読んでみるのは面白いかもしれません。

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