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2005.02.06

Twelve Y.O.

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Twelve Y.O. 福井晴敏 講談社文庫 \680
第44回江戸川乱歩賞受賞作、らしい。
「辺野古ディストラクション」、「ダイス」、「アポトーシスⅡ」・・・などが出て来て、書かれた順序どおり「亡国のイージス」は今作の文脈上にあります。登場人物の役どころなど重なるケースが多いし。ただ、この重ね方に関しては、作者は確信犯やね。さらに言えば、まだ未読ですが「川の深さは」は、今作の伏線とされる作品だそうです。すなわち、「川の流れは」→「Twelve Y.O. 」→「亡国のイージス」という一連の物語世界が構築されているようです。
 2作半(ローレライは半分と換算)読んでみて、福井さんは筋金入りの「愛国者」だと感じました。日本語で「愛国者」と言う場合、パトリオットかナショナリストのいずれかといった問いかけがなされることが多いようですが、福井さんの場合、もちろん前者が基本にあることは間違いないでしょうが、(絶えざる自問自答の上で)敢えて後者であることを否定しないのではないか、と感じてしまいました。この本の表題になっている「Twelve Y.O.」の由来となる話を子供の頃に本で読んだ際、私もとても腹立たしく感じたことを思い出しました。「勝てば官軍かよ。歴史の重みも何も判ってない民度の低い連中にそんなことを言われたくない。」なんて感じたものです。そんなこんなで、「日米開戦」とか何作か読んでから、二度とトム・クランシーは読むまいと決めたワタシにとっては、福井さんの作品は心地よいカタルシスとなってくれました。
 そして、そんな愛国者の関心が自問自答の原点である「終戦前後」へ向かうのは当然のなりゆきだと感じた次第です。また、逆説的ではありますが、日本の平和教育の成果はこのような形で結実しつつあるのか、とも感じたのであります。

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コメント

貴重なご意見どうもありがとうございました。
日本版企業改革法についての具体的な内容は分かりませんが、米国のはかなり厳しいと新聞で読んだことがあります。日本の監査ももっと厳格になっていくということも。来年の今頃は即戦力で働いているはずですよ。多分。
正直、結果的に試験は受かっていればそれでいいと思っています。答練一番でも受からなきゃ意味ないですし。
夢はでっかく持ったもん勝ち、がボクの持論です。もちろん、ライセンス取得はスタートラインにすぎません。ただ、でっかい夢(目標)に対する人間の目的遂行能力を試したかったんですよね。ボクの人生においての最初のハードルの会計士試験に全科目一番を取るという目標を掲げました。その過程を示しているのが、ブログです。そのおかげで、ぼんじんさんにコメントを出させていただくことになっているわけですから、ボクはツイているんでしょうね。やっぱり。

投稿: k | 2005.02.07 22:09

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