« 2005年2月 | トップページ | 2005年4月 »

2005年3月

2005.03.30

WTM第7弾(決算報告) 

wtm7_05wtm7_04

パンターが6台ほど溜まったところでシークレットが出ました。
オットー・カリウスの217号車でした。自著の「ティーガー戦車隊」が有名ですが、マリナーファ村の一本道17台撃破は痛快。しかもT34/85やJS2といった強敵ばかり。以前、柴田和久さんがティーガー薬局を訪れ、217号車の模型(タミヤ)を贈呈された記事をタミヤニュースで拝見したような気がします。
たしかヴィットマンの007も以前のシークレットだったと思いますが。
今回のシークレット、一見、地味に見えますが「ツィメリット・コーティング」が施されてます。1/144やで・・・

ナスホルンもすごいぞ。

このほか、T34/76もあるのですが写真撮りそこね。ひとまず金型ベースで一揃いコンプ。ここらで休憩。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.28

ローレライ、浮上

air_seiran_014062127504.09.MZZZZZZZ[1]ローレライ、浮上 福井晴敏、樋口真嗣 講談社 \1,365

小説「終戦のローレライ」の著者と映画「ローレライ」の監督の対談集。最初に話がでてから4年半かかって辿りついたのが、このエイガ。監督は途中で、キューティー・ハニーとか、ミニモニの映画に寄り道しながら。樋口監督と言えば、ガメラシリーズでの完全主義者のイメージが強い。ご多分に漏れず、特撮現場でのコダワリはスタッフに犠牲を強い、その結果、家庭生活を崩壊させることになったりと、精神的にきつかったよう。どんな職場でも、抱える問題ですね。その点、ハリウッド・スタイルでは、映画撮影も絶対に「定時」厳守らしい。ただし、これだって世界を市場に出来るという高収益性の賜物なんでしょうね。エイガの世界でも、「持続可能な成長」がテーマなんでしょうか。

話は本に戻って・・・2人の熱い、そして最初はシロウト丸出しだった足跡をライブ感いっぱいに楽しめます。

ローレライ、も一遍、見に行こうかな。DVDは買うんやろうな。

P.S. 伊401が海底で発見されたそうな。こいつは、伊507より一回りでかいぞ。水中ではエライ遅いけど。て、ことで写真は晴嵐のおまけつき。サービス、サービスゥ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

WTM第7弾(中間報告) + ローレライ 

wtm7_01
タカラの食玩、WTMの第7弾が出ました。テーマはクルスクです。いうまでもなく、史上最大の大戦車戦。
いつものように7種+シークレットのようですが、現時点では、
タイガーⅠ(初期型)
パンターD型(Dだけど最初に出た型。スモークディスチャージャーついてる。)
Ⅲ号J型
75mmPak40
ラッチェ・ボム
6ポンド砲(なぜか英軍)
SU-122

このほか、ナースホルン、T34/76('42)がラインナップされています。ナスは初のオープントップ。
シークレットは、クルスクといえばエレファント?意表を衝いてシュツルムモビク?ま、せっせと買い続けます。

写真は第4弾~第7弾の箱をバックに。そのうち第1弾から第3弾の箱も登場させます。色違いで抜けているものはあるものの、カタチだけで言えばシークレットも含めて第1弾からコンプリートしてます。ただし、大戦略バージョンなど番外編は入手できていないのもあるんですが。

また、細々と補完しているタカラのローレライ浴玩も一緒に撮影。B公が2つ写っていますが、小さいほうがタカラのもの。手前のマイクロ水中モーター(いわゆるボタン電池駆動)と同梱。意外なことにセブンのボトル・キャンペーンのB公とは別物です。タカラのが1/700ですが、7のは少し大きい縮尺で縮尺差以上のボリューム感の差があります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.24

月に繭 地には果実 (下)

4344401549.09.MZZZZZZZ[1]月に繭 地には果実 (下) 福井晴敏 幻冬舎文庫 \720 

月に行ったり、戻ったり。8,000kmの振り子ヒシャクやハイパー波動砲みたいなので出てくるし。
なんやかやで主な登場人物、皆死んでしまって破滅寸前にかろうじて回復。


宮台真司の小難しくてへんてこな解説、消化不良。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.18

フジテレビ系列局の声明?

<フジテレビをキー局とするFNS系列27社(フジを除く)は18日、「フジテレビに影響力を及ぼそうという意図のもと、ニッポン放送を支配しようというライブドアの行為は容認できない」として、フジと同放送を全面的に支持するとの声明を採択した。
 声明は、系列局持ち回りで関西テレビ(大阪)が取りまとめた。「法の不備をついた強引な手法で突然、大量の株式取得をしたことに強い憤りを覚える」とライブドアを批判し、「企業風土に高い倫理観と価値観が保有されているか疑問」として、公共性を担うニッポン放送が、ライブドアの支配下に置かれることは「重大な問題」としている。さらに「ニッポン放送がフジサンケイグループを離脱すれば同放送の企業価値は著しく低下し、同放送を支持してきた聴取者は大きな損害を受ける」と指摘した。> 「毎日新聞記事」より

 この声明ってなんの意味があるんだろうか。放送関係者の声明好きは良くわかったけど。ネット経営者はスピードと行動好きみたいやけどね。系列局の従業員の一部が寄せるコメントなら判らないでもないけれど、どうやら経営者たちの声明のようだ。経営者として「容認できない。」と表明する以上、実効ある打つ手が無ければ、経営責任を果たしているとは言えまい。しかしながら、肝腎の戦術はこれから考えるってことらしい。週明けにはホリエモンによるフジへのTOBが始まるというのに、この声明はいかにも間延びした間の抜けたものに感じる。ヒエモンに忠誠を誓う儀式なんだろうか。あれだけ恋々としたカメちゃんを、形勢不利と見るやヒエモンは態度急変、すでに切りにかかってるというのに。
 結局、語調は勇ましいが、何の行動も取れなかった(労働組合は作るらしいが。)ニッポン放送の従業員の連中と同じ「護送船団的」発想であることの自覚さえないんだろう。
 系列局ってのはキー局からコンテンツを回してもらえなかったら、倒産してしまうってことを系列局の経営者たちは考えないんだろうか。フジテレビがテレビライブドアに社名変更することとなる1年後に、これら27系列局のうち何社か(というか場合によっては殆どが)は確実にホリエモンに切られることになるんだろう。TV番組をネット配信するに当たっては、地方系列局など不要な中間業者でしかないわけでしょうから。

 こういった環境の変化でも、淡々とそしてアツク仕事を進めることができるよう、組織と互恵的な存在でありながらも「組織に依存しない自己」を涵養する必要があるんでしょうね。30歳以下の人たちは、そこら辺の自覚をキチンと持っているように感じます。一方、切実に「組織に依存しない自己」であるべき中高年が、逆に過度に組織に依存している(寄生している)からこそ、リストラが社会問題化してしまったんですね。ほんと、キツイよ。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2005.03.17

月に繭 地には果実 (中)

4344401530.09.MZZZZZZZ[1]
月に繭 地には果実 (中) 福井晴敏 幻冬舎文庫 \680

いよいよモビルスーツ同士の激戦開始です。すでに10種類近く登場しているのですが、アニメを見ていないだけに映像化しづらく半分くらいの機種はイメージが湧かないまま読み進んでいます。
昔の機械をすぐにでも稼動させる小説上の仕掛けとしてのナノマシンという発想は秀逸。月の赤道沿いの運河に構築された街をトレンチ・シティって呼ぶのも気が利いているように感じる。トレンチコートって、WWⅠの際、塹壕にこもってた兵士が着ていたコートに由来するらしい。だから、腰に手榴弾を下げておくためのワッカがついてるんだと。これは、小説とは関係ありませんが、文明が何周かした後でのWWⅠ程度の発展度合いの時代で小説は展開してます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.13

あんたもやれば?

ライブドアVSフジテレビ。もっとも、このところは、ライブドアVSニッポン放送(フジテレビ)って感じですが。
マスコミでさんざん取り上げられ、世間話でもよく話題に上るテーマではありますが、個人的にはちょっと冷めてしまいました。
年金問題や北朝鮮とは違って、所詮ヒトゴトなのです。冷淡な表現という意味ではなくて、聴取者、視聴者、ユーザーとしてのポジションはあるものの、企業ガバナンスといった視点からは、一般庶民は零細株主である方を除いて、関係ないといえば関係ない話なのです。庶民が騒いで「世論」だって言ったって、何も関係ないんです。
「ホリエモン」と「ヒエモン」と「かめちゃん」の話なのです。当然、ご当人たちは必死です。

ホリエモンの書いた本を読んだ事があるわけじゃないので、偉そうなことは言えませんが、彼の姿勢、態度はこう語りかけているように感じます。

  「あんたもやれば?」って。

あなたの周りでも、経営者、とくに起業家は人の商売のことをとやかく言うより自分の事業のことでアタマいっぱいって感じなんじゃないでしょうか。結局は、行動力もなく従ってカネもなく、協力してくれる人脈も無く、無為無策に毎日を漂流して、庶民という名の隠れ蓑にくるまってブスブスと不完全燃焼している輩(ワタシもその第一級の存在です。)が、ホリエモンを(意味無く)応援したり、ヒエモンをけなしたりしているに過ぎない。

カネがない、ってぼやく前に、「アタマ」使うか、「カラダ」使わなきゃ、このバトルにコメントする資格は無いわな。あなたは、今年に入ってから一つでも新しいことを始めて、たとえ十万円、百万円であっても稼ぎましたか?きっと、ホリエモンは何百発も連射して稼ぎまくっていると思いますよ。
別にカネがメインテーマである必要があるわけじゃないってことは自明ですが、ヒトゴト(誤解が無いようにカタカナで打ってますので趣旨をご理解ください。)にかまけているほど暇な人は今の日本にゃそうそういないでしょう。

そんな思いをフツフツとさせていたとき、役者の伊原剛志さんのブログを見つけた。63年生まれ(ウサギ年)ってことは、ワタシと同い年。29歳のときにお好み焼き「ぼちぼち」を創業し、計13店年商7億円に達するとのこと。知ってる人は知ってたんでしょうが、意外なカオにドエライびっくりした。役者の仕事で不本意なものを避けるためにも、食い扶持を確保しておこうってことから始められたらしいが、そうそう思惑通りいくもんじゃない。やっぱり苦労されたこととかいっぱいあったんだと思う。昔、ディープパープルの本を読んだとき、全盛期にアパート経営を始めたイアン・ギランが「歳とって金が無くなって落ちぶれたロックンローラーなんて魅力無いだろ。」って趣旨のことを言っていた。みんな、考えて行動してんだ。盲腸で入院しているとき、今井美樹主演の「意外とシングルガール」ってドラマでバーテンダー役をしていたのが、伊原さんをTVで見た最初だった気がする。フミヤに絡まれたりしてた。同じ頃、缶コーヒーのCFにも出ていたように思う。同い年だから23歳か?17年前。盲腸の入院で年齢を覚えているのですが。

実は、「おまえも、やれば?」って永ちゃんが27年前に「成りあがり」の1ページ目で言ったフレーズなんだ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.06

ちょっとショック、ブルーマーズってまだだったのか。

レッドグリーンブルーの順だったんですね。当然、3部作完結していると思い込んでいたのですが、ブルーマーズって邦訳がまだだったんですね。ちょっとショック。ブルーの原書は97年に書かれたようですが、レッドの邦訳が98年、グリーンが01年であることを思えば、ブルーの邦訳はずいぶん間が開いているみたいに感じる。
もっとも、レッドマーズが邦訳の文庫で出たときに読みかけて、途中でやめてしまったので偉そうなことは言えないけれど。
レッド:移住、グリーン:緑化、ブルー:海?ってこと?色からの安易な連想ですが。

いつかは読みたいと思いつつ、読まずに過ごしてしまっている喉の小骨状態の本の一冊(この場合、一冊じゃないか。)なんですが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

映画 ローレライ

3月6日朝、一般公開2日目にしてワーナーマイカル明石に見に行ってきました。一番大きなスクリーンの部屋でしたが、ガラガラって言ってよいような入りでした。大々的に広告のキャンペーンをしたスチームボーイも同じような入りだったことを思い出した。カップルもそれなりにいたけれど、パウラを持ち出しても潜水艦は女性には敷居が高いのか。一方、軍隊経験はなかろうが、戦中派と思しき方々がちらほら見られた。

ネタバレになることは書きませんが、原作には出てきたものの映画ではカットされた配役と思っていたフリッツと土谷が一応は出てきた。あくまで一応ですが。そのほかにも、配役の位置づけが変えられているケースが多く、シーン丸ごとカットされた箇所も相当あります。出てくる艦船、航空機も限定されているし。ただし、終章に当たる部分もきちんと用意されていました。上川隆也演じる「男」という役の正体も「時計」が暗示してくれます。
メイキングのTV番組で福井さんが語っていたとおり、小説が全体とすれば、映画は局部となる関係であると理解するしかないんでしょう。この関係は、「月に繭・・・」とアニメの関係にもそのまま当てはまるようですが。

ちょっとケチをつけたような形になりましたが、涙腺が緩んだことははっきり告白しておきましょう。

| | コメント (1) | トラックバック (4)

月に繭 地には果実 (上)

4344401522.09.MZZZZZZZ[1]
月に繭 地には果実 (上) 福井晴敏 幻冬舎文庫 \680

原案:富野由悠季・矢立肇とあるとおり、アニメのターンエーガンダムとの双子の関係にあるらしい。「らしい」というのは、アニメ知らないもんで。これまでのDAISや自衛隊、ローレライとは違って、全く別の人の書いた小説を読んでいるような感覚。海外の小説と言われても判らないぐらいテイストが違うように感じた。

二千年前に汚染された地球から月に移住した人類の一団が、二十世紀初頭程度の文明の地球に降り立つ。ユダヤ人(イスラエル)とパレスチナのごとく、双方の指導者層は和平を望みながらも、「帰還」と「侵略」というお互いの言い分と突発的な戦闘により、ドラマは動き始める。

SFで移住といえば、「火星」が定番であり、「火星移住もの」っていうのがジャンルとして確立されている(と読んだ事がある気がする。)。古くは、「火星年代記」であり、「レッドマーズ」、「ブルーマーズ」、「グリーンマーズ」の3部作(グリーンまで完結しているんやろか。)といった超大作まで数多あるんだろう。火星ではなくて、地球と月の関係がテーマだとなんとなくより生々しく感じる。上巻は、ゆったりした動きだったので、今後の展開に期待。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.04

ニッポン放送社員(?)声明文

ニッポン放送の経営権に関するニッポン放送社員声明文

ニッポン放送のホームページに載ってました。本来、個人かせいぜい労働組合のHPに載せるべきものを、会社のホームページに載せたらいかんわな。
そもそも、株式会社で社員っていったら「株主」のことを指すわけですから、この声明文、意味不明。「ニッポン放送従業員声明文」とすべきですよね。こんなおかしな声明文を平気で会社のHPにアップするとは、この会社にジャーナリストはいないのか。もっとも、これを起草した人の気持ちはわからんでもないけど、従業員としての分を踏み越えてやりすぎじゃないかとヒトゴトながら心配してしまった。イヤミな見方をすれば、「集団退職届け」とも取られかねない危うささえ感じる。
ライブドアによる新株予約権の発行差止請求は多分認められるだろうから、フジテレビはともかくニッポン放送は遅かれ早かれライブドアが支配することになるでしょう。そうなった場合のことを、ニッポン放送の従業員たちは十分に考えて行動したのか。ライブドアの支配下に入った後、数人を除いて役員は全員解任されるであろうし、管理職も踏み絵を踏まされることになるんだろう。ものすごく辛いもんだと思う。
グローバリズムという名の下の「資本の論理」が合理性を前面に押し出した場合、どれほど残酷なものなのか、彼らは覚悟しているんだろうか。手を挙げてはならない相手に、コブシを振り上げてしまったように感じる。一方で、従業員の中にはライブドアと組むことで、想像力に欠ける上司がコンセプトを理解できないなどの理由で握りつぶされてきた企画などこれまで出来なかったことが出来るようになりそうだと感じて、ワクワクしている人も少なからずいることと思う。音声もデジタル放送化に伴い、ネットとの親和性が高まることはまちがいないし。
今回の騒動、不条理と感じるニッポン放送の従業員が多いのは想像に難くないけれど、外資系企業や金融機関なんかではM&Aは当然のように起こっている。放送局という時代の最先端に触れることが多い先進的な職場である一方、参入障壁の高い許認可事業としての保守的な風土があるのかもしれない。良い悪いではなく、会社のオーナーが代わろうとしている以上、その変化を前向きに受け止め、新しい時代を創造していく心意気をもった従業員がニッポン放送にもいることを期待したい。往年のオールナイトニッポンで近田春夫やツボイのりおのめちゃくちゃなノリを毎週楽しみにしていた一リスナーとしての勝手な想いでした。
それにしても、キビシイ時代ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (4)

2005.03.02

セブンのローレライ

lorelei_711セブンイレブンで2月28日から始まったドリンク・キャンペーン。500mlのPETについてたオマケ。今のところ、こんなもんです。っていうか、もたもたしてたらキャンペーン終わってしまいそう。
タカラのより一回りミニサイズですが、B公はタカラと同じかもしれません。もっとも、タカラでは水中モーターがついてますが。
全長5cmほどであっても、B29はやっぱり悪魔の使者ですね。B25でもなくB17でもない、B29なんですから。ワタシのお袋もコイツに焼け出されたクチです。戦後何十年か経った神戸の大空襲の日にスイトン喰わされたこともありましたが。

映画の中のB29は、'84の「零戦燃ゆ」で使われたものにアルミ貼ってリベット打ちまくったコリコリらしい。ハリウッドでも銀塗装で済ませたものを、樋口監督、歳をとってもアツサは変わらないみたい。スターファイターとかセンチュリーシリーズならともかく、B公でアルミ貼りって発想がスゴイ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ラッキーをつかみ取る技術

4334032885.09.MZZZZZZZ[1]
ラッキーをつかみ取る技術 小杉俊哉 光文社新書 \756

この人の本は3冊目。短期間に連続して出版されているところを見ると、出版社の評判もきっといいんだろう。ただし、この本は上梓まで紆余曲折があったようで、2年かかったとのこと。知人に200人アンケートを実施したりしたものの、「そもそもこんなテーマで本を書くことは無理があるのではないか」とか何度も挫折しかけたらしい。

経歴を見る限り、華麗にジョブホップしてステップアップした印象を受けるが、マッキンゼーでも、人事総務部長を務めたユニデンでも、人事総務本部長のアップルでも、どえらい目にあったらしい。自分の意識の中では逃げ出すように転職したこともあったらしい。

本の中でも、「ありのままの自分を出す。」とあるように、この人の強みは、裸の自分をさらけ出してしまうことにある気がする。それゆえ、親近感を感じるし、自他の実体験に基づいた記述が説得力を持ってくるのだと感じる。平易な文章で読みやすいし。

決してオカルト本ではありません。MITでMBAを取った経歴をお持ちの新進気鋭の人事・組織関係のコンサルタントとはとても思えない、ほんわかした感じの本です。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2005.03.01

終戦のローレライ Ⅳ

bunko_041
終戦のローレライ Ⅳ 福井晴敏 講談社文庫 \730
ようやく読み終わりました。4巻目は徹底したアクション。まともに考えれば、ありえないような快刀乱麻の大活劇ですが、実に心地よいカタルシスとなりました。でも、海自の潜水艦が韓国海軍のに撃沈されるシーンをユリョンで見たときは、とてもムナクソ悪かったことを思えば、アメリカ人がこの4巻目を読んだら、というより最後までよう読まんかもしれん、とも感じた。

  名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ・・・  この唄が重大なメタファーであったことがわかって、思わず頷いたり。

一転して、終章。人によっては、この章は不要だとか蛇足と感じるかもしれないけれども、若い世代のためには、絶対必要な存在だと感じる。あの戦争があって、敗戦があって、今日がある、今の日本、私たちがある、ということをはっきりと示してくれている。これくらい、はっきり書かないと10代、20代には伝わらないと思う。歴史はこうして伝えていくものなのだとも思った。作者の福井さんが、戦争「抑止論」に踏み込んだ、と表している一端がこの50ページにも及ぶ終章に垣間見えた。映画では、どのように表現するのだろう。この辺りのために役どころとしての「作家」(上川隆也?)が登場するのだろうか。

とにもかくにも、とても意義「深い」小説でした。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

« 2005年2月 | トップページ | 2005年4月 »