終戦のローレライ Ⅳ
終戦のローレライ Ⅳ 福井晴敏 講談社文庫 \730
ようやく読み終わりました。4巻目は徹底したアクション。まともに考えれば、ありえないような快刀乱麻の大活劇ですが、実に心地よいカタルシスとなりました。でも、海自の潜水艦が韓国海軍のに撃沈されるシーンをユリョンで見たときは、とてもムナクソ悪かったことを思えば、アメリカ人がこの4巻目を読んだら、というより最後までよう読まんかもしれん、とも感じた。
名も知らぬ 遠き島より 流れ寄る 椰子の実ひとつ・・・ この唄が重大なメタファーであったことがわかって、思わず頷いたり。
一転して、終章。人によっては、この章は不要だとか蛇足と感じるかもしれないけれども、若い世代のためには、絶対必要な存在だと感じる。あの戦争があって、敗戦があって、今日がある、今の日本、私たちがある、ということをはっきりと示してくれている。これくらい、はっきり書かないと10代、20代には伝わらないと思う。歴史はこうして伝えていくものなのだとも思った。作者の福井さんが、戦争「抑止論」に踏み込んだ、と表している一端がこの50ページにも及ぶ終章に垣間見えた。映画では、どのように表現するのだろう。この辺りのために役どころとしての「作家」(上川隆也?)が登場するのだろうか。
とにもかくにも、とても意義「深い」小説でした。
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