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2005.10.03

不滅の役人天国

4334933653 不滅の役人天国 斐昭(ペソ) 光文社 ¥1,000

いま、「県庁の星」という小説(ほんとはこちらもノンフィクション?)が売れているようですが、こちらは完全なノンフィクションです。

週刊文春で県庁職員が昼寝している連載写真を目にされた記憶のある方は多いと思います。あの取材をしていたのが著者。いわゆる在日コリアンだそうで、参政権はないが納税義務はしっかりあるという少し気の毒な立場の方。結局、週刊文春では47都道府県を全て回り終えることなく連載が終了してしまったため、独自で追加取材(おまけに大阪市と霞ヶ関も入っていますが。)をした上での刊行となったわけです。

1県6ページ構成。1、2ページがテキスト、3~6ページがおなじみのお昼ね写真。1ページ目は主に当該県の抱える深刻な課題、2ページ目は県庁、県庁所在地の市役所の取材に充てられています。たしかにいまどき、年収1千万円を超える9時~5時完全週休2日、有給完全消化の職場なんて、後ろめたさ抜きでは語れませんからね。年収を重視するなら、8時以前~11時以降週休1日(あるいは月休1日)有給完全未消化、休み重視なら年収は200~300万円台が妥当なところでしょうか。

「不滅の役人天国」ってタイトルもヒトを食ってますが、地方財政の逼迫が行政の第一線現場に影を落とし始める2~3年後には、団塊世代退職でヒトがいないだけに労働環境が天国から地獄へ向かうのは必定で しょう。ホントに恐ろしいのは、そういった状況に、皆が皆、気づいていながら、殆ど手が打たれていないって点にこそありそうな気がします。

(用語集)

  • 努める:結果的には責任を取らないこと。
  • 配慮する:机の上に積んでおく。
  • 検討する:検討するだけで実際には何もしないこと。
  • 見守る:人にやらせて自分は何もしないこと。
  • お聞きする:聞くだけで何もしないこと。
  • 慎重に:ほぼどうしようもないが、断りきれない時に使う。だが実際には何も行わないということ。

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