県庁の星
県庁の星 桂望実 小学館 ¥1,365
(アマゾンより)
前代未聞! 抱腹絶倒の娯楽公務員小説。
野村聡。31歳。Y県職員一種試験に合格。入庁9年目。Y県県庁産業局産業振興課主任。Y県初の民間人事交流研修対象者6名の一人に選ばれた期待のホープだ。一年間の研修を無事にこなして戻れば、念願の係長への階段を同期に先んじて確実に登ることができる。ところが、鼻高々で望んだ辞令交付式で命じられた赴任先は…スーパー? しかも…H町の? えらくマイナーな感じがした。だがそのイヤな予感は現実のものとなる。 もらった予算は使いきるもの! 人を “使役”してこその“役人”だ!大勘違い野郎の「県庁さん」がド田舎のスーパーで浮きまくり。生まれて初めてバカと呼ばれた県庁さん、はたしてこのまま「民間」でやっていけるのか?
・・・最初のうちは、「県庁さん」とスーパー関係者の噛み合わない様子が楽しめるだけなんですが、中盤過ぎ当たりからは別の楽しみ方をしている自分に気づきました。作者の意図もそんなところにもあるんでしょうが。民間交流で当惑する県庁職員をネタに使ってはいるものの、エリート公務員だけでなくマニュアル万能の受験秀才に共通のひ弱さが、今の社会をダメにしている、いかに現場をわかっていない人間が今の日本をデザインしているかを痛烈に批判しているようにも思える。筋立てで少し矛盾を感じるのは、県庁にいるときは内向きの人間関係、力関係には芸術的なまでのココロの砕き方をする「県庁さん」が、スーパーに置かれるや否や、まるで「ひと」を見ない人物として描かれている点。もっとも、県庁時代においても、「ひと」ではなく権力、地位、家柄などひとの付随物、一局面にしか関心が向いていないことを示していたのかもしれないけれど。
世間知らずの「県庁さん」の成長物語でもあり、様々な登場人物がサイドストーリーも展開してくれます。もっと分厚くしてくれてもよかったんじゃないか、と感じるほど一気に読んでしまった。
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