高学歴ノーリターン
高学歴ノーリターン 中野雅至 光文社ペーパーバック ¥1,000
ベストセラーとなった「はめられた公務員」の著者、兵庫県立大学大学院応用情報科学研究科助教授になる、「実は高学歴者は報われていない。」との意の書。
ここでいう高学歴者とは、端的に言えば「東大法学部出身者」であり、やや範囲を広げて「7帝大2商大+早慶」、さらに範囲を広げて「一流大(国公立、有名私立)」ってことらしい。「7帝大2商大+早慶」は、「東一早慶・京阪神」といった表現の箇所の方が多く、著者の頭の中での高学歴とは、この辺りのことを指しているように感じた。なお、厳密には高学歴というより高学校歴というべきだが、便宜上、高学歴と称しているとのこと。
・・・つまり、世の中の大半の人にとっては、あんまり関係ない世界の話なんですが、そういった人たちが報われない社会は、東大を頂点とする学歴社会の崩壊をきたし、「カネが全て」のモノ・カルチャー世界を生む、と警告されているわけです。
学歴社会は弊害も多いけれど、カネ以外の尺度(学歴、職業威信)をもたらしているし、「努力すれば(ある程度は)報われる。」という勤勉社会の形成に非常に大きな意義を持っていると主張されています。
ユニークな造語「EEM(イーム)」も登場します。もちろん、NEETの向こうを張っているんでしょうが、下記の全てに当てはまる人たちのことだそうです。
- 一生懸命努力Effortして一流大学に入った人
- 両親が一生懸命働いて教育投資Educational Investmentをしてくれた人
- 所得的には中間層Middle以下
学歴社会が崩壊すると、努力を抜きにした「ギャンブル社会」が訪れ社会不安が増大し・・・、続きは本書で。
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コメント
あ~~~、先を越されてしまいました。(エコログ投稿準備中)
昨夜読了したところです。
投稿: Mizo | 2005.11.27 18:45
す、すみまそん。
投稿: 凡太郎 | 2005.11.27 22:42
結局「何を持って幸せとするか」によって結論が大きく変わってきそうですね。
投稿: Mizo | 2005.11.28 12:41
そうですよね。学歴主義って馬車馬人生を前提にしてますもんね。
投稿: 凡太郎 | 2005.11.28 23:42
良い本ですね。この先生、固い本からやわらかい本まで
全てかけるマルチ先生。将来が有望。
投稿: はるき | 2006.01.05 22:18
はるきさん、こんにちは。
私はこの本と「はめられた公務員」しか読んでいないのですが、独特のくだけ方とテンションのメリハリを心地よく感じました。この手の本を出されたら、また買ってしまいそう。
投稿: 凡太郎 | 2006.01.06 00:47