« 同じ星の下 | トップページ | ローマ人の物語 12 »

2006.03.28

財務省支配の復活

4334933785 財務省支配の復活 五十嵐文彦 光文社ペーパーバックス ¥1,000

昨年の郵政選挙で落選した民主党の論客になる書。自民党が下野した際の内閣のブレーンであったそうで、そこから現在までの大蔵省、財務省と政治家の暗闘(?)を中心に語られる。

財務省の官僚がどうしようもない悪党のように書かれているが、本書中でも少しふれられているように、庶民たる一般国民同様、財務官僚、特にまだ上がりまで行っておらずキャリア上の転身が可能な人たち、も将来に希望、アカルイミライ、を描けないでいるのだと思う。誰しも将来に夢を抱けなければ、目先の利益の確保や保身を考え縮こまった考えに凝り固まる。

本書にはいろいろなネタが散りばめられていますが、たとえば2002年に衆議院予算委員会でIMFの日本管理プログラムをすっぱ抜いた「ネバダ・レポート」に記載されていた8項目の管理プログラムは下記のとおり。悪い冗談のようだが、韓国などはIMF管理下では財閥解体やホワイトカラーの大量解雇など凄まじい状況に陥ったことを考え合わせれば十分に現実味を持った話でしょう。

  1. 公務員の総数、給料の30%以上カット、ボーナスの全額カット
  2. 公務員退職金の全額カット
  3. 年金は一律30%カット
  4. 国債の利払いは5~10年間停止
  5. 消費税を20%に引き上げ
  6. 所得税の課税最低限を年収100万円まで引き下げ
  7. 資産税を導入して不動産公示価格の5%を課税、債券は5~15%の課税
  8. 預金は一律ペイオフを実施し、第2段階として預金の30~40%カット

 このほか、コイズミ陣営の昨年の衆院選対策としてで話題になったいわゆる「B層」の話など、NHKが取り上げかけたものの握りつぶされたエピソードなど、財務省とは直接は関係ないがゾッとする。経済のことは何にもわかっていないコイズミが国民に圧倒的支持を受けていることが「ヒトラー」の登場時に酷似していることも、さらにゾッとさせる。

 やたら「私が・・・」といった自己顕示欲丸出しの箇所が鼻につくものの、全体としてはとても興味深く読めました。

|

« 同じ星の下 | トップページ | ローマ人の物語 12 »

「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事

「書籍・雑誌」カテゴリの記事

「経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

久しぶりの光文社ペーパーバックスですね。
給与カットなどの最近の公務員いじめ、ちょっと危険な気がします。
優秀な人が公務員にならなくなるのではないかと・・・
資金難につき、本書買うかどうが未定です。

投稿: Mizo | 2006.03.28 20:45

資金難、春はお祝いごとが多くて物入りですよね。頂くこともあるわけですが。

投稿: 凡太郎 | 2006.03.29 01:02

結局本書も買ってしまいました。(^^ゞ

投稿: Mizo | 2006.03.30 20:29

この本を読んだ後は、新聞の読み方(というか見え方)も少し変わってくるんじゃないでしょうか。

投稿: 凡太郎 | 2006.04.01 23:07

政治が白黒で決められるようなものでない裏側がいっぱいあるということを改めて教えられました。
思いつきの投票のツケはまもなくまわってくることになるのでしょうね。

投稿: Mizo | 2006.04.03 15:17

一票の重みですね。

投稿: 凡太郎 | 2006.04.04 00:29

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/60334/9292515

この記事へのトラックバック一覧です: 財務省支配の復活:

« 同じ星の下 | トップページ | ローマ人の物語 12 »