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2006.03.19

罪と罰 下

410201022x 罪と罰 下 ドストエフスキー 新潮文庫 ¥700

 上巻と下巻の間に2年以上の歳月が流れ・・・。40歳過ぎていまさらと言う気がしないでもありませんでしたが、これほどの名作と言われている作品を読まずに生涯を終えるというのも、読書好きを自認する身としては癪のタネでもあり手に取った次第です。

 「ナニワ金融道」の故青木雄二氏が、駄作を闇雲に読むのではなく、「罪と罰」だけ読んでりゃいい、なんてことを書かれていたことも気になっていた。青木氏は、「罪と罰」には、あらゆる小説の要素が盛り込まれており、その後の小説はその上をなぞっているだけ、と主張していた。

 が、そもそも中学生か高校生ぐらいの頃に読み済ませておくような作品を、感性が擦り切れた中年オヤジが読んだところで、正直言って退屈だった。殺人に対するラスコーリニコフの懊悩が深く描かれているのかと思っていたが、どうでもいいようなくだらん会話やエピソードがサイドストーリーというほどの膨らみもないまま、やたらめったら詰め込まれているのには食傷気味。確かに、小説としてのさまざまな要素が盛り込まれてはいるし、日常生活では言葉にまで上らせないような心の襞のようなものも言語化している繊細さは感じたが、心の襞に関しては、日本人としての民族的な共通理解を割り引いても、例えば福井晴敏の方がはるかに繊細で重層的な含蓄を含んでいると感じた。殺人事件と加害者としての悔恨も、終章での唐突な幕引にびっくり。おこがましくも、個人的な評価としては、当時のペテルブルグを描いた社会風俗小説と位置づけた。

 私の持った読後感なんて、ひねくれ者の異端なんでしょうが、世間的に評判の高いものも、改めて自分自身で確かめて見る必要性を強く感じた次第です。

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コメント

凡太郎さんは守備範囲が広いですね。
ロシア文学はあまり読もうと思ったことがありません。

投稿: Mizo | 2006.03.20 21:58

守備範囲は広いのですが、しょっちゅう落球したり球を見失ったりしています。ロシア文学は、中学生か高校生の頃、わけがわからんままにトルストイの「戦争と平和」を読んだくらいです。登場人物がやたら多くて、読むのが苦痛でした。じゃ、読まなきゃいいのに。

投稿: 凡太郎 | 2006.03.21 16:12

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