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2006.04.13

ウェブ進化論

448006285809_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1 ウェブ進化論 本当の大変化はこれから始まる 梅田望夫 ちくま新書 ¥777

1ヶ月前に15分ほどで立ち読みして分ったような気になっていた。でも実際には、そのときはロングテールとブログの表面的な理解しかできていなかった。週末のWBSに梅田氏がゲスト出演されていたことがきっかけで、結局、購入してしまった。

シリコンバレー在住のその道の第一人者たる著者が、5週間を全身全霊で打ち込んだ「作品」だけに(ただし、モトネタとなった記事はForesightをはじめ多くあったようだが。)、無駄の無い構成で、しかもいちいち深みのある内容。googleとyahooの根本的な違いすら分っていなかった自分自身に腹が立つくらい、情けなくなってしまう。2年ほど前にAERAがめずらしくgoogleを随分とページを割いて特集していたことに、ピンときてりゃよかったのに。創業7年で時価総額10兆円やもんな。いやはや、とにかく目からウロコがバルカン砲のごとく飛び出します。ベストセラーになるのもよくわかります。

<Amazon の紹介>
誰もがパソコンを自由に使えるようになり、ブログなど情報発信を容易にする手段が普及、Googleの検索エンジンなど情報を取捨選択する方法が広まったことで、Webの世界が変わりつつある。いわゆる「Web2.0」だ。
著者は、ネットの「あちら側」と「こちら側」というユニークな視点で、Webの進化がもたらす影響を解説する。あちら側とはGoogle、Amazonなどがネット上でサービスを展開する世界。こちら側とは、企業内で閉じた情報システムなどのローカル環境を指す。

「あちら側」では、Googleなどの圧倒的な資金力と知の集積により、高品質なサービスが無料で提供されるようになった。一方の「こちら側」は、依然として高いコストを投じて、閉じたシステムを開発し続けている。著者は今後10年間で、システムや情報をこちら側に持つ時代から、あちら側のサービス、情報を利用する時代へシフトすると予想する。

実際、Googleのサービスを利用して、従来なら開発に数億円かかったシステムを、数十万円で作った企業も出てきた。この流れは企業のIT環境に大きなインパクトを与えるものだ。ITにかかわる人なら必読の一冊と言える。

<出版社の紹介>

インターネットが登場して10年。いま、IT関連コストの劇的な低下=「チープ革命」と検索技術の革新により、ネット社会が地殻変動を起こし、リアル世界との関係にも大きな変化が生じている。ネット参加者の急増とグーグルが牽引する検索技術の進化は、旧来の権威をつきくずし、「知」の秩序を再編成しつつある。そして、ネット上にたまった富の再分配による全く新しい経済圏も生まれてきている。このウェブ時代をどう生きるか。ブログ、ロングテール、Web2.0などの新現象を読み解きながら、大変化の本質をとらえ、変化に創造的・積極的に対処する知恵を説く、待望の書。

<目次>

序章 ウェブ社会―本当の大変化はこれから始まる
第1章 「革命」であることの真の意味
第2章 グーグル―知の世界を再編成する
第3章 ロングテールとWeb2.0
第4章 ブログと総表現社会
第5章 オープンソース現象とマス・コラボレーション
第6章 ウェブ進化は世代交代によって
終章 脱エスタブリッシュメントへの旅

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コメント

本書は書店の目立つ位置にずら~~と並べられておりました。売れ筋なのでしょうね。
最近IT技術とかあまり興味が持てなくなって、この方面の書籍は疎遠になっておりました。
googleの躍進は想像を上回るものですごいですね。検索エンジンで一番はじめに名を売ったのはyahoo!だと思うのですが、最近の人に「検索エンジンは?」と聞くと、「google」と答える人の方が多いのではないでしょうか?

投稿: Mizo | 2006.04.15 18:34

YAHOOもGOOGLEも「検索エンジン」としての顔を持っていますが、その背景にある企業としてのミッション、戦略、方向性、そして指向するものは相当に異なっているようです。両社ともスタンフォード大学の大学院出身者によって設立されたものですが。
この本を読んで何がショックだったかといえば、GOOGLEの本質が何も見えてなかったってことと、世間には多少なりともそれが見えている人がゴマンといるってことでした。後者の証拠に、設立されて7年しか経っておらず、売上高も3,000億円しかないような会社の時価総額が10兆円もあることが挙げられます。マイクロソフトでさえ時価総額は30兆円なのに。3年以内にはGOOGLEを巡ってエライことになりそうな気配を感じます。GOOGLE EARTHに対するインド政府他の反応は予告編にしか過ぎないのではないでしょうか。

投稿: 凡太郎 | 2006.04.16 22:17

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