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2006.05.05

民営化という虚妄

439661236201_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1 民営化という虚妄 東谷暁 祥伝社 ¥1,680

副題に、「国営=悪」の感情論が国を滅ぼす、とある。

 勢いと感情論で「民営化」が語られ、抵抗勢力に「実」の部分を切り取られ、虚妄としての「民営化」という単語だけが漂流する。この書でも結局は語られずじまいに終わるが、そもそも「民営化」とはなにか、がキッチリ議論されない、あるいは議論されても共通理解が得られないまま今日まで来てしまっている。このあたりを皮肉ってか、この書では民営化は必ず「 」つきの「民営化」と記されている。

(アマゾンの書評より)
 現在、郵政民営化法案の国会提出に向け、最終調整が続いている。本書は、小泉政権が進める郵政民営化は、道路公団民営化と同様、「名を取って実を捨てる」方法で進んでおり、将来に禍根を残すと厳しく批判する。そもそも、郵政民営化は本当に必要なのかという根本問題を提起する。郵便貯金で集めたお金が財務省を通して特殊法人に流れる「財政投融資」の仕組みは既に廃止されている。特定郵便局長会の政治的影響力も今ではさほど大きくない。一方、日本には、今も郵便小包だけが配達可能な島がある。小泉民営化論は単なる思い違いや誇大な主張が基になっていると指摘する。海外でも、民営化の成功例はごく一部だという。ニュージーランドでは、郵便局の閉鎖、料金値上げなど極端なサービス低下に国民が不満を募らせた。1996年には民営化路線を進める国民党が過半数を割り、改革路線の見直しを掲げた連立政権が誕生している。ドイツやオランダでは、民営化後の会社が利益に重きを置きすぎ、サービスが低下したとの声もあるという。公益事業の効率化や改革の手法は「民営化」に限ったものではない。郵政民営化計画は凍結し、公社の形態のまま運営した方が今の難局を乗り切りやすいと主張している。(日経ビジネス 2005/04/18 Copyright©2001 日経BP企画..All rights reserved.)

「出版社 / 著者からの内容紹介」
電力、国鉄、電電公社、道路公団、そして郵政公社…
諸外国のケースも踏まえて「民営化の成否」を冷静に検証
「国にしかできないことがある!」
<道路公団、郵政の民営化でますます混迷する議論>
小泉首相、抵抗勢力、大マスコミ、猪瀬直樹氏、櫻井よしこ氏…

「民営化の是非」がこの本でスッキリとわかる!
<政府が声高に叫ぶ民営化の「必然」や、マスコミが語る改革の「正義」など虚妄に過ぎない!>

内容(「MARC」データベースより)
道路公団、郵政の民営化でますます混迷する議論。雰囲気だけの改革が、国を滅ぼす。諸外国のケースも踏まえて、「民営化の成否」を冷静に検証。「国にしかできないこと」がある! 「民営化の是非」がスッキリとわかる一冊。

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コメント

「官」の枠内では改革やらせても、保身に走って骨抜きにされる、という疑念を私はもってしまうんですよね。民営化で一度組織をシャフルする必要があるのではないかと。
逆に「民営化」派はこの感情を巧みに利用している訳なんでしょうけど・・・・

投稿: Mizo | 2006.05.06 08:31

図書館にあったので借りてきました。

投稿: Mizo | 2006.05.06 10:55

さっき聞いた話ですが、ウチの2人の子供もお世話になった近所の市営保育所が民営化で揺れています。急に身近なテーマになってきました。

投稿: 凡太郎 | 2006.05.06 21:36

 初めまして「民営化という虚妄」で検索してきた茶太郎です。
 民営化という議論分かりにくかったんですがこの本は明確で良かったです。

>この書でも結局は語られずじまいに終わるが
 これはそもそも本書が民営化そのものの議論の本ではなく、諸外国の実例やフレームワークを通して民営化の是非を議論する本だからではないでしょうか? 僕的には括目させていただいた一書でした。

投稿: 茶太郎 | 2007.04.01 23:06

茶太郎さん、こんばんは。

 東谷さんの姿勢は、「大合唱が聞こえるが、ホンマにそうなんか。疑ってかかる必要はないんか。」というところからスタートしておられるように感じています。そういった意味でも、おっしゃるように「括目」しますね。

 「民営化」に限らず、人により、ある言葉を全く異なる意味合いで使うことが多く見られ、あるいは同一人物でも立場やシーンによって悪意を持って使い分けることさえある中、話が噛み合わなかったり、噛み合っているように錯覚させながら議論を誘導したり・・・。そのような意味合いで、「民営化」とは、実に象徴的な「言葉」だと感じています。

投稿: 凡太郎 | 2007.04.01 23:58

>凡太郎さん

 1文字違いですね、親近感を感じます^^;
 それはまあおいといて(笑)、決して凡太郎さんの記事を批判したのではなく、違う感じ方をしました、という程度ですのでご容赦いただければ幸いです。

 amazonの書評の
>郵政民営化計画は凍結し、公社の形態のまま運営した方が今の難局を乗り切りやすいと主張している。
 と言う結論がすでに示されてますもんね。

 今後ともよろしくお願いします。

投稿: 茶太郎 | 2007.04.09 21:43

茶太郎さん
 批判だなんてとんでもない、楽しく拝見させていただきました。

 郵政問題のみならず、批判一方や付和雷同(礼賛?)一方にならず、自分自身のアタマで考えることが国民として一番大事なことですね。

投稿: 凡太郎 | 2007.04.15 14:44

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