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2006.07.23

神戸市都市経営はまちがっていたのか

434300128801_ss500_sclzzzzzzz_v57068311_ 神戸市都市経営はまちがっていたのか 大森光則 神戸新聞総合出版センター ¥1,470

 著者は神戸市職員労働組合執行委員長(2001年出版時)。震災直後からの、市民と市職員の接触の現場を知らない会議室にいる”評論家”が、スクリーンのあるいは活字の向こう側から容赦無い(的外れな)攻撃を繰り返す中、市長以下市職員は沈黙を守った。

 この本を読む限り、マスコミに露出したものは、「批判のための批判」や「近視眼的な短期的な視点にたった論評」が多かったように感じる。「ローマ人の物語」ではないけれど、震災復興も含め、人間の寿命を超えた超長期の視座で、都市開発、都市経営を眺めることの重要性を感じた。

(AMAZONより)

内容(「MARC」データベースより)
地方自治の先駆的取り組みとして評価された神戸市の「都市経営」は、大震災を契機に「冷たい市政」「市民無視」など批判されるようになった。果たして神戸市は本当にまちがっていたのか。震災から丸6年、市職員が沈黙を破る。

著者 大森光則
神戸市都市経営の今日的意義について 2001年10月に神戸市長選挙が行われた。この選挙においても、神戸市が自治体運営の手法として確立してきた都市経営が大きな争点となった。神戸市政を批判する立場からは、神戸市都市経営は、高度経済成長を前提としたものであり、さらに、その都市経営の本質は、開発主義そのものであるというものであった。また、神戸市財政についても、全国のどの自治体より厳しい状況があり、もはや倒産寸前であり「財政破綻」という言葉が適切であるという批判もなされた。そして、都市経営を批判する研究者からは、そらにその論理を発展させ、神戸市都市経営は、神戸市における自治体官僚が、地域自治会や婦人会などの住民団体、そして、本来、行政と対立すべき組織である職員労働組合までも包括した、官僚中心の意思決定システムを構築し、そのシステムによって集約(動員)された住民の「意思」を「担保」として、次々と都市開発を行い、ついには神戸市を財政破綻に導いたというものである。

 本書は、都市経営という手法を評価し、その上での問題点や今日的発展を探求しようと試みたものである。神戸市は旧6大都市であるが、もともと財政基盤が弱く、そのため、自治体がデベロッパーとなり、都市開発を進め、その利益をもとに、市民福祉の充実をはかるという手法をとったものである。財政基盤の弱い都市、それも政令都市という大都市において、多様化する市民ニーズに対応するために、どのような手法を展開すればよかったのか。さらに、神戸市の場合、阪神淡路大震災という未曾有の災害を経験し、それも150万都市というわが国ではじめての出来事であった。この地域経済での被害10兆円、自治体の被害2兆5千億円という負担を、神戸市民や神戸市という一自治体にすべての責任を負わせることは不可能であり、精神的にも社会正義に反することであると理解している。
 本書は先に述べた内容とともに、厳しい状況のなかで、どのようにして自治体を運営するのか、さらに、阪神大震災からどのように神戸市はたちなおるのかという課題を検討する上で、ひとつの手がかりになると理解している。

本書の概要
第1部 沈黙を破って
 序章  誤解を恐れずに
 第1章 批判にさらされた神戸市政
 第2章 市政批判への疑問
 第3章 都市経営は時代遅れか
     「最小の経費・最大の効果」の誤解
 第4章 大震災と神戸市職労
 終章  開発型から「政策型都市経営」の展開

第2部 神戸市都市経営の研究
 序章  研究の動機と本論の厚生
 第1章 都市経営の理論とその批判
 第2章 都市経営と自治体財政
 第3章 都市経営の分析
 終章  都市経営手法の変化と今後の課題
                    以上

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コメント

安全な場所から言いたい放題の評論家には本当にあきれさせるものがあります。しかし結構世論の誘導力があったりすると、捨て置くわけにもいかぬ・・・
そもそも神戸市を批判できる自治体が他にどのくらいあるのでしょう? 評論家の方々に同程度の地震をお見舞いして、お手並み拝借したい気分です。

投稿: Mizo | 2006.07.24 12:53

白洲次郎の本とともにamazonに申し込みました。期限切れ寸前のamazonギフト券があったからです。
もう一枚ギフト券が残っています。

投稿: Mizo | 2006.07.24 21:18

amazonのギフト券を贈ってくれる方って、イキっていうか、進んでる方ですね。そして、注文された2冊、どちらも神戸にちなんだもののようですね。

投稿: 凡太郎 | 2006.07.24 23:52

いえいえ、このギフト券は人からもらったものではなくて、amazonから来たのです。ある程度の金額を購入したことに対する割引です。
もちろん人に送ることもできます。

投稿: Mizo | 2006.07.25 07:01

そのGETの仕方も、それはそれで豪快さの証ってところですね。

投稿: 凡太郎 | 2006.07.25 18:09

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