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2006.08.04

亀田戦に想う

View_0021  亀田興毅が負けた。完敗だった。TV中継を見ていた95%以上の日本人が、そのように受け止めた以上、それが「真実」なんだろう。そして、それを誰よりも一番よく理解しているのは、興毅自身であり、品のないあの親父であり、2人の弟なんだろう。あとは、TBSの連中か。「判定勝ち」などと言っても、主催者側からカネを貰っているジャッジという専門家と言われる3人のうちの2人がつけた点数に基づくものでしかない。2人の専門家の点数にかかわらず、映像というのは「真実」を告げる。

 昨夜、帰宅した時にはすでに試合はおろか番組も終了しており、全ラウンドを見たわけでもないし、ボクシングのTV中継の試合を好んで見るとはいえ、知識、見識ともに「ジャッジ」には遠く及ばないシロウトである。しかしながら、そのシロウトでさえ簡単に見破れるような試合内容だった。

 率直に言って、私は亀田興毅が気に食わない。常識外れに品の無いあの親父も、弁慶の生まれ変わりと勘違いしている弟も嫌いだ。ただ、興毅について言えば、礼儀知らずな態度が気に食わないだけで、そんな悪いヤツだとは思っていない。いつの時代にもよくいる生意気なクソガキが見せる横顔だ。自分自身の少年時代を振り返れば、そこに己を見つける人も多かろうと思う。

 彼ら4人の親子が礼儀知らずなのは、バカなわけではなく、寝ても醒めてもボクシングに「勝つ」ことだけを考えている「純粋」な連中だからなんだろう。あれだけもてはやされても贅沢をしているようには見えない。具志堅用高氏のコメントを始め、作られたヒーローとの声もあるが、これとてあの4人の親子のせいではなく、TBSを始めとするエセ・マスコミ、ボクシングにぶら下がって食っている連中の思惑のなせるわざに他ならない。私も含めたいい歳こいたオトナには、許しがたい思い上がりや傲慢さだけがメディアを通じて伝わり、「負けてまえ、クソガキ。」なんて思いも渦巻く。こういった思いに関しては、板垣恵介氏が何巻目かの「バキ」のカバーに、興毅とのツーショットに収まりながらも、「負ける様を見てみたくもある。」といった趣旨のコメントを載せていたのが印象的だった。自身、ボクシングではいいところまでいった板垣氏ゆえのコメントは奥が深かった。

 今回の試合には「負けた」けれど、興毅は決して弱いボクサーではないのだろう。ただ、世界戦に臨むココロの準備を整える時間だけが足りなかったのだと思う。それが、半年なのか1年なのかはわからない。世界戦を前に、彼は「勝つ」ことだけでなく、「オヤジのために」とか「・・・のために」とか、いろいろなことを考えてしまったのだと思う。思考の対象が広がれば、「純粋さ」は失われる。負けると失うモノが多いことを感じてしまったがゆえに、緊張し、すなわち自分を見失い、1Rで無様なダウンを食ったのではないのか。

 一方、10代の少女達は、失うものが多く目の曇ったオヤジたちと異なり、おかしな親子4人組の「純粋さ」が見えるのだと思う。したり顔の世間のオヤジどもより、彼女達の方が本能的に、「純粋な」存在を見出す能力が高いのだと思う。4人組を応援する彼女達の瞳は真剣そのものだ。

 逆説的で皮肉なものだけど、私は、「負けて」しまったことによって、興毅が好きになりつつあることを感じる。そして、ここから彼の本当の戦いが始まったのだとも感じている。意義深いダウンだったと思う。

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コメント

凡太郎さんには珍しく、激しい口調ですね。
テレビを観ていなかったという点も、彼らにいい感情を抱いていなかった点も凡太郎さんと共通です。
で「テレビによってつくられた・・・」と考えている点も。
他のマスメディアが一斉に「あの判定はおかしい」と騒いでいる様も、マスメディアの自作自演の茶番劇のようにしか思えてこないです。
テレビは亀田親子によってボクシングの人気を高めようとしたはずが、逆にいろいろな不信を視聴者に植え付けてしまいましたね。

投稿: Mizo | 2006.08.04 06:03

なんだか仕事口調になってしまいました。昼間はこんな調子です。

王者を返上する噂とか、ベネズエラの日本大使館に元王者を称えたり、お詫びのメールが多数届くとか、いろいろ動きが見えるようですが、彼には真っ当な形で王者になってほしいと強く思います。作られた横綱として、昇進後は優勝することなく廃業した双羽黒のようにはなって欲しくないものです。

投稿: 凡太郎 | 2006.08.04 23:33

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