企業スキャンダルと監査法人
企業スキャンダルと監査法人 早房長治 彩流社 ¥1,890
タイトルと著者の経歴(朝日新聞社経済部次長、論説委員、編集委員を歴任)に魅かれて購入したものの、目新しいものは特になし。ちょっとがっかり。主張は激しいものの、軽い読み物にしかならなかった。
朝日出身にもかかわらず、数少ない挿入写真の複数に「毎日新聞社提供」と打ってあり「出身母体とうまくいっていないのか。」と感じさせたり、「中央青山・監査法人」と意味のない「・」が常に記されていたり、企業の社会的責任について繰り返し「CRS」と書いてあったり(もちろんCSR:Corporate Social Responsibilityのマチガイでしょう。)して、???と感じさせられます。知り合い数人にゲラをチェックしてもらうだけで十分にカバーできる程度のものだと思います。副題に「なぜ不祥事は続発するのか」とありますが、そっくりそのままこの本に当てはまっているだけに、こんな本を手に取りしかも購入してしまった自分が情けなかった。おなじ朝日の記者が書いた「ヒルズ黙示録」には、少なからぬ感銘を受けたのに。
「へぇ、そうなんや。」と感じるページも少なくないのですが、それとて単に記憶が薄れかけているのでそう感じているだけのような気もします。全ての論点に私自身が詳しいわけではありませんが、多少は知っている領域に関していえば、突っ込み不足というよりも失笑を買うような記述が目立つように感じます。おまけに巻末で特定監査法人に提灯をつけるなど、ジャーナリストにあるまじき姿勢にはあきれてしまいます。こうなると、実態を拾っていると言う意味で、2chの方がはるかに意義深い書き込みが多いように思えてきます。
読みたい、読むべき本が多い中、多少関心を寄せても勇気を持って「買わない、読まない。」という判断を下すことも必要だな、と感じさせてくれた本でもありました。今回はちょっと辛らつになってしまいました。
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コメント
基本的な用語が間違っていたりすると、それだけで「内容は大丈夫だろうか?」と懐疑的になりますね。
読み始めて「これはちょっと・・・」と思ったら中断する勇気(?)も必要なのかも。
人生短く、だが本は星の数ほどあります。
投稿: Mizo | 2006.08.29 06:51
いつもあんまり考えずに買ってしまうので後悔ばかりです。それでもたまには、出だしがグダグダする割に後半ピカリってのもあるんで、結局読んじゃうんですね、これが。
投稿: 凡太郎 | 2006.08.29 23:39