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2006.08.16

第135回芥川賞 八月の路上に捨てる

 例によって今月号の文藝春秋に伊藤たかみ氏の「八月の路上に捨てる」の全文が掲載されていた。選評、面白がって読めるのは石原慎太郎と村上龍。一方で、いつまで慎太郎がするのか、とも思う。えらそうに「受賞作なし」を連発しているが、往年の「若い感性」にまるでついていけずに、ピントはずれな方向を睨んで吼えているだけ。終わってます。その点、村上龍氏のコメントは、静かな失望感が確実に伝わってくる名文だった。

 今作、「フリーター文学」とか言われているけれど、「蹴りたい背中」ほど幼稚ではなく、「蛇にピアス」ほどアングラでもないが、「沖で待つ」ほどナイーブでもない。率直に言って、読後感は、「ふ~ん」であった。軽いけれど、一線(放送禁止用語?)を超えた単語を使用したりの冒険もあるものの、妙にディテールにこだわる記述が目立ち、リアル過ぎて私小説でないのに私小説ぽい。でもやっぱり軽い。それにしても芥川賞っていつから「軽め」になったんだろう。随分前からのような気がする。言い古されてはいるけれど、「純文学」って何なんだろうと思う。いや、文学的にとかという意味合いではなくて。

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