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2007年1月

2007.01.30

成功術 時間の戦略

416660443001an1vrqenfrjn5_aa240_sclzzzzz 成功術 時間の戦略 鎌田浩毅 文春新書 ¥714

著者は火山学者にして京大の総合人間学部教授。京大にこのような名称の学部ができたことを、恥ずかしながらつい最近知っただけに興味深く読めました。

 少し生々しい表題ではありますが、バランスの取れた人生を送るための指南書といった趣です。学部生に語りかける口調で書き始められているので、30代以上の方には少し見下されているように感じられるかもしれませんが、それも最初のうちの我慢だけで、すぐに穏やかな表現に落ち着いていきます。

 9章にわたり、人生における戦略が示されています。少しばかりストレートな表現に気恥ずかしくもなってしまいますが。

  1. 時間管理の戦略
  2. 人に負けない”武器”を持つ方法
  3. 人間関係の戦略
  4. フレームワーク利用術
  5. 戦略的な読書家になる
  6. 効率的に教養を身につける方法
  7. 無意識活用法
  8. クリエイティブになる方法
  9. 「オフ」の戦略

 「人生って、そんなに割り切れるもんじゃない。」とか「思い通りにばかり進むかい。」といった声も上がるかもしれませんし、著者の失敗談や挫折感が盛り込まれていないことから一面的な印象を受けるやもしれません。それでも、この書に値打ちを感じるのは、全てが著者の体験と実績に裏付けられているからだと思います。古今東西の碩学の名言が散りばめられており、引用が明示されているのも原典に当たれるように配慮されているものと思われます。

 自分自身に当てはめてみるに、1,3,4,6は、まだまだと感じていますが、例えば「無意識」や「集合的無意識」の無限の力を知ったのは19歳の時でしたし、そのきっかけも「読書(1冊の本)」でした。このように不惑も過ぎれば誰しもそれなりの方法論を身につけているのは当たり前ですが、自己の体験に当てはめてみて納得する部分が多い本でもありました。

 Mizoさんのブログで紹介されていたので手に取りました。

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2007.01.28

お客には絶対に謝るな!

433493400501_aa240_sclzzzzzzz_v46434393_ お客には絶対に謝るな! 長野慶太 光文社ペーパーバックス ¥1,000

 ちょっと変わった営業指南書。少なくとも営業経験が3年は積んだ方向け。裏を返せば、社会経験上の常識をわきまえた方なら誰もが対象となるとも言えましょう。

 著者は日本と米国を股にかける対米進出コンサルタント。日本の根性営業を否定し、伝統的な米国流のやり方も否定する。・・・で、合理的な手法を紹介してくれるわけですが・・・。神田昌典氏の本を読んだことがある方なら、類似性を感じられるかもしれません。100%真に受けるのは危険かもしれませんが、一通り読んで参考にするのなら、仕事の上で引き出し、アプローチが増やせるというのは、非常に心強いものになると感じます。

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新美南吉童話集

400311501509_aa240_sclzzzzzzz_1 新美南吉童話集 新美南吉 岩波文庫 ¥693

 1月3日、車中のラジオドラマで流れていた「おじいさんのランプ」が気になって購入したものを枕元でじっくりと味わっておりました。

(Amazonでの紹介)

 新美南吉(1913-43)は,わずか29歳,2冊の童話を出版しただけでこの世を去ったが,底抜けに明るく,ユーモアと正義感にあふれた彼の童話は,今日多くの人の心をとらえ,賢治,未明,三重吉らとならぶ児童文学の代表的作家の1人となった.「ごん狐」「おじいさんのランプ」「最後の胡弓弾き」「花のき村と盗人たち」等14篇を収録.

 こころが洗われるようで、それでいて「生と死」を見つめた作品が多いことが作者の生涯を投影しているようで象徴的です。

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民俗学者 宮本常一のことば

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宮本常一

 NHK教育テレビでアーカイブから探し出したネタとして放映されていました。民俗学といえば、柳田国男であったり、(少し違うかもしれませんが)南方熊楠を想起される向きも多かろうと思いますが、世代的には彼らの後に位置し、その着眼点もユニークなものであったようです。フィールドワークの学問ゆえ、歩きに歩いた一生であったとのことでした。

 いまのようなせかせかした時代にあっては、まことに含蓄あることばだと感じた次第です。

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総下流時代

433493399801_aa240_sclzzzzzzz_v46824422_ 総下流時代 藤井厳喜 光文社ペーパーバックス ¥1,000

 副題は「なぜワーキングプアが増えるのか?」刺激的なタイトルと光文社ペーパーバックスの最新刊であることにつられて買ってしまいました。高齢化、人口問題等のオーソドックスなテーマを、しっかりした統計数値を踏まえて仮設を立ててあるので胡散臭い印象は受けないでしょうが、こういった類の書を何冊か読まれた向きには新味は乏しいかもしれません。簡単にまとめてしまえば、「かつて3つほどあった独立した世界が、1つにブレンドされた。その結果、先進国の多くの人も共産圏、発展途上国の同様の仕事に就いている人たちの水準に引っ張られることになった。」から、日本でもワーキングプアが増えているってことらしい。日本国内としては総中流が消えつつあるけれど、全世界的には壮大な中流層が生まれつつある、ってことかもしれません。結構、簡単な理屈ですが、当たっているんでしょうね。

 あらたな「中世」がやってくる。とは、筆者の主張ですが、同じようなことは堺屋太一氏もかねがねおっしゃっているようですが、その意味する「中世」とは人ぞれぞれ違うようにも感じます。ところで、中世って暗黒時代の象徴として語られがちですが、「新」中世はどうなるんでしょうね。

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決断力

404710008001_bo2204203200_pisitbdp500arr 決断力 羽生善治 角川Oneテーマ21新書 ¥720

 ある宴席で複数の方から「あの本は良かった。」との声が上がったことがきっかけで手に取ったものです。

 稀代の天才棋士の手になる書ですが、書かれている内容はとてもオーソドックスなことばかりで奇をてらったものや、ウ~ンと唸らされるようなものは特に見当たらなかったように思います。当たり前のことを当たり前にキチっとする。これが天才の天才たるゆえんなのかもしれません。また、書きぶりがとても謙虚。実るほど頭を垂れる稲穂かな、といったところでしょうか。

 それよりも、PCとそのネット化により将棋の世界が一変したという事実の方が衝撃的でした。すなわちデジタルな進化があったため、それ以前に蓄積されたものが全て時代遅れとなった、ということだそうです。羽生名人は、世代的には過渡期での対応を迫られる位置にあったわけですが、その切り替わりにうまく応じ「史上最強」の名をほしいままにしておられるといえるのかもしれません。強さとは時代適応力である、との環境激変期における戦略要因を身をもって示しておられるとも感じました。

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2007.01.17

12年前の今朝

12年前の今日まで、「地震とは東京で起きるもの。」と思い込んでいました。天災は忘れたころにやってくる、とはよく言ったもんですね。油断大敵。

 グラっときたら火を消せ、なんてよく言われますが、震度6や7では立ち上がることすらままなりません。ことに直下型の場合、いま起こっているのが地震である、ってことすらとっさには見極めることすらできませんでした。

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2007.01.16

とめどない笑いの連続攻撃!

Spa_roten1  この週末、浜名湖畔の浜名湖ロイヤルホテルであった小学中学時代のプチ同窓会に参加してきました。卒業したのは神戸の小中一貫校ですが、どちらかというと地元の者より首都圏在住者の方が活動的なこともあり、ほぼ中間地点の浜松での開催となりました。

 幹事さんが連絡をつけやすい人や、ネット上の掲示板での告知だけだったものの、十数人が集まり、とことん笑わせてもらいました。

 午後6時半から宴会開始でしたが、午前のうちに浜松入りする人から、午前3時起きの仕事を終えてから作業着のまま駆けつける人まで様々。それでも、一旦、宴会が始まるといつものようにエンドレスで笑い続けることになります。宴会場からカラオケ・バー、そして集会所用に確保した客室へと移動。お疲れ度合いにより途中退場者も続出でしたが、最後の5人が解散したのは午前6時。普通は起きる時刻に少しだけ眠りにつきました。

 食事をはじめホテルのサービスは良かったし、湯加減も含めて温泉も満足。翌日行った館山寺もロープウェー、オルゴール、展望台などで楽しめました。ことに、年中、強風が吹いているためか、車体をプラットフォームにぶつけながら停車する荒業ロープウェーはとても新鮮でした。

 お昼は、送迎バスつきでうなぎの「藤田」へ。満腹。Hasogebusphoto1

 若い頃と違い、それぞれが仕事の上であったり、家庭に関することであったりの、大きな課題、責任、悩み、ストレスを抱えているわけで、ともすれば現実に押しつぶされてしまいそうな中で、「あぁ、あいつも頑張っているんや。笑ってるんや。」と改めて勇気付けられたような気もします。

二人の女性幹事さま、何から何までお世話になりました。それにしても、全員、笑いすぎ。

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2007.01.08

2週間で小説を書く!

434498007701_aa240_sclzzzzzzz_v33714986_ 2週間で小説を書く! 清水良典 幻冬舎新書 ¥777

 ずいぶんとセンセーショナルというか安直というか、思い切ったタイトルですが、書きぶりは多少くだけているものの、内容は大まじめなものです。

 著者は大学で教鞭もとる文芸評論家。少なからぬ小説もものにしておられるようで、小説の作法を大学やカルチャー教室で長年にわたり教授、指導しておられるとのこと。

 本書も『「書ける人」になるブログ文章教室』同様、神戸新聞の書評欄で見つけて昨日購入したものです。

<レバレッジ・メモ>

  • 本書には三つのパートがある。本文と「実践練習」、そして「今さら聞けない30の質問」である。
  • 小説を書く志望動機:「①有名な作家に憧れていて、自分もそうなりたい。」、「②うまくいったら印税生活で優雅に暮らしたい。」、「③子どものときから作文が得意で、先生から「お前は作家になれる」と言われた。」、「④人と付き合うのが苦手で、一人でじっとしているのが好き。」、「⑤正業につけないヤクザな性分だ。」
  • もともとは内気で人前ではうまくしゃべれないあなたが、文章では理路整然と意見を書けたりする。
  • はっきり断言してもよいが、その人が書けるレベルは、読んだ経験のレベルとほぼ等しいのである。
  • 何年か前に熱心に読んだ小説を思い出してみると、ほとんどがぼんやりしている。・・・・ただ印象的な部分とか、受けた手ごたえだけは残っていたりする。
  • また日本の作家だと”盗作”っぽく思われるのに対して、外国の作家だと逆にちょっと”高級”な感じがするから不思議である。
  • 創作メモ:方眼の罫線や白紙ののーとなどが一番簡便かもしれない。
  • かつて吉行淳之介という作家が、近所のタバコ屋までタバコを買いに歩いていくというだけでも、四十枚程度の短編小説は書けるということを述べたことがある。
  • 梶井基次郎の短編「檸檬」などは、主人公が下宿を出てから街をぶらぶら歩き回っているだけの小説なのだが、
  • 細部は怖い。逆に、細部に神が宿る、という言葉がある。
  • 文章くらい書ける、と書く人は思っている。   そうだろうか。
  • 戦後の学校教育では、考えや意見(オピニオン)を書くことには力を入れてきたが、<描写>力は軽視されてきた。
  • ストーリーを考えたりテーマを考えたりするよりも、どういう文章で書くのか。それが一番最初で、そして最も大切な問題なのである。
  • 小説の中味といわれて、最初にほとんどの人が思いつくのは「ストーリー」である。「プロット」ともいう。
  • 解決よりも変化を。
  • キャラクターデザイン「①身体的な特徴を誇張する」、「②性質を誇張する」、「③特技で誇張する」、「④履歴で誇張する」
  • 同世代の文学とうっかり考えているものが、じつは親世代の文学であるというブレは、今でもあるはずだ。
  • 「前書き」、「後付け」はダメ。
  • 神様が降りる瞬間
  • ポール・ヴァレリーの箴言に「あなたが最も巧みに為すこと、それが罠である」という怖い言葉がある。
  • 百年後の知己を求めよ。
  • 職業として作家を捉えた場合、原稿料や印税だけではとても食べていけない。
  • 十年二十年書き続ければ、どんな人だってプロレベルの小説は書ける。

 これだけ打つのは、ちょっとしんどかった。

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今年の成人式

Photo_1 なんで今日が休日なのか。当たり前ですが、「成人の日」は新成人を祝福する日なんでしょう。もっと言えば、単に新成人を祝うのではなく、新成人が成人になることを、その意義を踏まえて祝うことなんでしょう。

TVのニュース報道を見る限り、各地で催された今年の成人式では目立った混乱、事件は少なかったようですね。そもそも自治体がこのような催しをするようになったのは、戦後のことらしい。今でこそ若年人口が減ったこともあり、新成人全員を集結させることができる特定の集会場所を用意できる自治体が多くなったんでしょうが、団塊の世代が新成人であった40年前はどんな状況だったんだろうか。

ビンゴを使ったプレゼント攻勢や、文化人ではなく人気お笑い芸人による演芸を見せるプログラムで新成人のご機嫌取りをする行政担当者の苦渋、わが子の晴着を1年前から楽しみにしている親、その親の財布をあてにする貸衣装業者、そしてそれら関係者のそれぞれの意向とは関係なく旧友との顔合わせに期待を寄せる主役となるべき新成人たち。それぞれの思惑は交錯するのでしょうが、成人式ではなく、成人”祭”となって久しい。

・・・小ネタをふたつ。

  • 私の成人式。当時、「式」という呼び方に批判があったこともあり、神戸市では「成人お祝いの会」と呼ばれていました。また、市内の新成人全員を収容できる施設が無かったこともあり、参加希望者はハガキで応募、抽選が施されていました。結果はご想像のとおり、「残念ながら・・・」。というわけで、私は成人式に出席できなかったこともあり、不惑を過ぎた今も未成人なのでした。
  • 学生時代、二浪して大学に入った友人の下宿で、「そっちの成人式ってどんなんやったん?」と水を向けると、「式の当日は共通一次を受けとったんや。」との由。

 成人の日にも、ひとりひとりの事情があるのでした。

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硝子戸の中(うち)

410101015309_aa240_sclzzzzzzz_1 硝子戸の中(うち) 夏目漱石 新潮文庫 ¥300

 漱石、晩年の随想集。晩年とは言え、胃潰瘍をこじらせて亡くなったのが50歳なので、朝日新聞にこの連載をしたのは49歳になる。わずか1ヶ月あまりであるが、ほぼ毎日連載したことになる。

 漱石といえば、鴎外と並び明治の文豪の双璧とされるが、鴎外に比すれば軽妙洒脱な印象から親しみ安さを感じる向きも多かろうと思う。そんな漱石が、東京帝国大学教授の席を蹴って朝日新聞の専属作家になったものの、社内で疎んじられるようになった中での連載であるためか、半ば病気療養中であるためか、肩の力が一切抜け、欲も得もなくした、スゥ~と誰しものココロの中に自然に入り込んでくる文章が並ぶ。

 堅物ではないけれど、現代に生きる者の視点から観ればとても義理堅い人物像に写り、自身の幼少期の想い出、身辺雑記などが淡々と、またあるときは随分と事細かに語られる。そして、それらの全てが、何らかの演出や効果を狙ったものではなさそうであるところに、余計に好感をいだくことになる。

 死期を自覚していたのか、やたら「生と死」にまつわる話が多く、登場人物の多くが亡くなっているのも目を引く。しかも、その多くが19であるとか23であるとか当たり前のように早逝している。明治後期、大正時代といえば、都市部においては庶民の生活においても現代とそう変わらぬ体制、制度が出来上がっていたと思われるが、「人生の長さ」には随分と差とバラツキがあったようです。

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「書ける人」になるブログ文章教室

479733793101_aa240_sclzzzzzzz_v36494752_ 「書ける人」になるブログ文章教室 山川健一 ソフトバンク新書 ¥735

 神戸新聞の書評欄(日曜の本格的なものではなく、土曜夕刊のライト版のものです。)を見て購入。手許に頂き物の図書カード、QUOカード(ジュンク堂で使えます。)があったので活用することとする。

 こんなにだらだらブログを書いてきて今更とは思いながらも、毎日、少なからぬ方々が目を落としてくださるのもありがたいことであると感じ、ちょっと読んでみようと思い立った次第です。

 作者は50代のロック、バイクなどをテーマ(モチーフ?)とし100冊以上の著作があり、ブログ由来の出版を手がけるアメーバブックス(サイバーエージェント系)の社長とのこと。「実録鬼嫁日記」、「はるかりん」、「きらきら研修医」も作者の手になるとのコト。

<<レバレッジ・メモ>>

  • アメリカでは、ブログといえば「ジャーナリズム」主流であるが、日本では「日記系」ばかりとやや蔑んだ調子で語られることが多いが、日記文学は日本古来の伝統文化である。日本のブログは、「ジャーナリズム系」と「文学系」に大別される。
  • ブログ隆盛は、「日本に固有な日記文学・随筆の復権」
  • 三つのコース「枕草子」「方丈記」「徒然草」
  • 「枕草子」コース:季節の移り変わりなどをベースに好きなものについて書いていく。その合間にさり気なく「私ってこういう女なのよ」という自己主張を隠しておいたり。
  • 「方丈記」コース:無常観とまでは言わないまでも、哲学的な思索について書く。日常的な体験や風景を描写し、だがそれが自分なりの人生論や哲学につながっていく。
  • オヤジのグチの「徒然草」コース:オヤジのグチも「あやしうこそものぐるほしけれ」までいけば立派なものである。若い読者はギョッとして襟を正すかもしれない。
  • 「どう書くかではない。何を書くかだ。」「それよりも、なぜ書くんだ?」
  • 何を書くべきなのか-テーマとモチーフのちがい
  • 「1.好きな世界を見つける。」、「2.その世界の先達の表現を暗唱できるくらい吸収する。」、「3.自分の言葉をアウトプットする時にはあくまでも「普通」を心がける。」
  • リズム感。短い文をいくつかつづけていき、いきなり長い文を持ってくる。
  • 一つの文章中に二つ以上の体言止めがあったら、黄色信号が灯ったのだと肝に銘ずるべきである。・・・私自身は「体言止め」乱発ですが。
  • ブログは表現の宝庫である。ブログには日本の出版シーンを変えるだけのインパクトがあるだろうと思う。
  • 「ダーウィンの進化論」、「ニーチェの哲学」、「フロイトの精神分析」
  • 「1.一人称」、「2.限りなく一人称に近い三人称」、「3.<神の視点>の三人称」
  • 視点の転換には「挟むもの」が必要。
  • ガンダムやエヴァンゲリオンの外伝がネット上に溢れている。
  • とにかく描写せよ!

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2007.01.07

TVドラマ 白虎隊

2_113 二夜連続、ジャニーズ総出演で話題のTVドラマ。

例年のように年末年始は大型時代劇ドラマが目白押しでしたが、個人的には、元旦のNHKの「堀部安兵衛」と並んで、この「白虎隊」に見入ってしまいました。安兵衛は、赤穂藩の代々の家臣と思い込んでいただけに意外な発見があったことと、一筋縄ではいかぬ不条理な人間関係を真正面から捉えた物語作りに引きずりこまれてしまいました。

そしてこの「白虎隊」、悲劇の若者集団としての性格のみならず、会津の文化的な自律性、女性たちの気丈な振る舞い、政府軍の新兵器など見せ場、様々な視点が用意されていて、とても興味深く楽しめました。後半は、それぞれの立場から見た「死に場所探し」となりましたが、観念的なものに終始せず、夫々の生い立ち、実生活に根ざした見極めは見事なものであったと感じました。ドラマの締めくくりで現代の主婦として現れた薬師丸ひろ子が、司馬さんの「会津がある限り、日本も捨てたもんじゃない。」といった趣旨のセリフを披露する場面がありましたが、このドラマを見終えた多くの日本人が共有する受け止めではないでしょうか。

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いよいよ「風林火山」

Photo 今夜から始まった今年のNHK大河ドラマ「風林火山」。泥臭く、小汚い場面から始まりましたが、逆にそこがエネルギッシュで何でもアリといった時代感を生んでいるようで期待したいところです。隻眼で歩行にハンディキャップを伴うとはいえ、イケメンの内野勘助。風貌だけ捉えれば、ちらと出てきた「きたろう」の方がはまり役のような気がしないでもありませんが、そこはテレビ的な見栄え優先か。それにしても「乱取り」という略奪ぶり、いささかも文明の匂いがしない時代ですね。

ウラではガトリングガンがうなりをあげ白虎隊がクライマックスを迎えようとしているところでもあり、退屈しない一夜となりそうです。

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七草粥

Dsc00200_mini せり、なずな、ごぎょう、はこべら、ほとけのざ、すずな、すずしろ、これぞ七草。土鍋で作りましたが、喰い散らかした後なのでお見苦しい映像となってしまいました。もう一枚は早春の明石城。Dsc00202_mini

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ドラえもん 45巻

409141665909_aa240_sclzzzzzzz_1 ドラえもん 45巻 藤子・F・不二雄 小学館 ¥450

 ドラえもんの最終話を読みたくて買いましたが、載っていませんでした。なにやってんだか。本書、全部で15話が収録されていますが、「南海の大冒険」、「タイムワープリール」、「人間うつしはおそろしい」など結構ブラックな要素もあって笑わせてくれます。最後の「ガラパ星からきた男」なぞ、51ページもあって読み応えも十分。

 以前、知り合いの方からうかがった話。アタマを抱えたくなるような仕事をたった一人で何とか片をつけて、ハワイから日本へ向かうJAL国際便のジャンボの機中。初めてのファーストクラスに落ち着かない中、客室乗務員に「何かマンガはないですか?」と尋ねたところ、暫くしてから彼女が「ドラえもんならございますが・・。」と真顔で戻ってきたとのこと。彼女の誠意もあったし、引っ込みがつかず、大のオトナがファーストクラスでドラえもんに興ずるの図になったとか。

 ガンダムといい、ドラえもんといい、退行している自分を見つけてしまいました。

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お仕事発見 人生ゲーム

B000gfl9r201_aa280_sclzzzzzzz_v59729951_ お仕事発見 人生ゲーム

 正月の団欒用に年末に購入。今では様々なバリエーションが展開されているタカラの人生ゲームの1つです。ウリは、村上龍さんの「13歳のハローワーク」とタイアップした100種類の職業が係ってくるところ。わが家では次女がすっかりはまっていますが、彼女の中3のイトコもずいぶん気に入った様子。同じ中3でもわが家の方は、ゲームの中の紙幣より日本銀行券がお好みのようで真剣にゲームに参加してきません。

 「お仕事発見」の割には、ゲームの勝敗がゴール時の資産で決する辺り、「拝金主義」から脱し切れていない寂しさを感じてしまいます。

 とはいえ、すでに元を取る程度の回数はルーレットが回ったようで。

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会計破綻

441904286909_aa240_sclzzzzzzz_1 会計破綻―会計プロフェッションの背信 マイク・ブルースター 税務経理協会 ¥2,310

 読みかけのまま越年してしまった本書をようやく読了。原題はUNACCOUNTABLE。2003年の書。

 本書最大のテーマは、エンロン&アンダーセンに象徴される一連の会計不正・スキャンダル及びそれを巡る関係者の暗闘(及び今後の展望)ですが、類書で会計の出だしとして語られることの多いルカ・パチオリからずずっと遡って太古の時代まで会計の起源を訪ね、一般経済書でありながら実務に関する会計史(というより会計士史と言うべきでしょうか。)の教科書的な性格も帯びています。

 著者は、世界規模での四大会計事務所の1つであるKPMGの元広報ディレクターとのことですが、ずいぶんと教養人という印象を受けました。

 新年早々、ほんとうに色々と考えさせられる本でした。

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2007.01.06

OZMAと言えば・・・

0701062312111  大晦日の夜のTVと言えば、もちろん格闘技なんですが、去年はK-1Dynamite!だけだったこともあり、少し寂しい一方でチャンネルを切り替える必要がない分ゆったり観戦できました。しかしながら、視聴率的には、ジェンダー問題や男女共同参画の時代に挑戦し続けることに意義を見出しているかのような時代錯誤(というか大時代的)感覚丸出しの、(センスまるで無しの)大げさバラエティ番組(しかも公共放送で)が未だに優位らしい。

 そこでの珍事。この映像、生で見損ねたんですが、ホンマ、リアルですね。さらに悲しいのが、少し前までであれば間違いなく「OZMA、ようやった。」と感じていたであろうところが、非難がましい第一印象を持ってしまった自分自身のこと。感性まで歳をとってしまったってことか。

 もっとも、”オズマ”と聞いて、真っ先に思い浮かんだのは「電光」であったし、その次に連想したのは機械と競争する黒人の野球少年の動画だった世代にあっては無理もないか。「ゼロ線砲」は、コスモゼロの原点なのか?でも、あの話、松本零士の長編にありがちな尻切れトンボだったような。S0400241

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昭和のジオラマ展

Main_img1 コープ神戸の80周年記念イベントとして開催されている「ジオラマ展」。造形作家の方が、明治時代の道頓堀や小学校、空襲跡、戦後間もない駅頭、下町や田舎家屋を生き生きとした人形とともに再現。こういうのに弱いんです。双六も頂きました。Dsc00199

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本年の自衛隊カレンダー

Dsc00198 自衛隊カレンダー、今年も頂戴しました。表紙(昨年の12月のカレンダーも兼ねる。)のデザイン(写真)が話題のようですが、各月分の中味も最新兵器のオンパレードで「省への昇格」の勢いが感じられます。

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華麗なる一族 下

410110414x09_aa240_sclzzzzzzz_1 華麗なる一族 下  山崎豊子 新潮文庫 ¥780

 ようやく読み終えました。耳にはしていましたが、悲惨な結末。三子がいないところを除くと設定は原作とほぼ同様のようですが、はてさてTVドラマではどのような筋立、クロージングになるのか。それにしても、鉄平(鉄屋)、銀平(バンカー)に、一子、二子とは、とことん分かり易い設定にこだわったということでしょうかね。

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2007.01.05

NHKラジオドラマ 「おじいさんのランプ」 新美南吉

おじいさんのランプ」 新美南吉

 3日の夕方6時半頃から7時までだったでしょうか、NHKラジオで耳にしました。家内の実家からの帰りの車中でのカーラジオで聞いたまでのまったくの偶然でしたが、後部座席で寝ていたはずの小学生の次女まで聞き入っていたようです。

 新美南吉さんといえば「ごんぎつね」しか記憶に残っていなかったのですが、多くの啓蒙的な童話を書き残しておられたのですね。このお話、リンク先で全文を読むことができます。結構な時代ですね。

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華麗なる一族 上 中

410110412309_aa240_sclzzzzzzz_1 華麗なる一族 上   山崎豊子 新潮文庫 ¥860 ¥820

 もうすぐ始まるキムタク主演のTVドラマの原作です。この時期に読んでいるということは、もちろんドラマが始まる前に慌てているということなんですが、山崎さんの他の作品同様、テンポがいいのでズンズン読めます。

 自分自身が生まれ育った神戸が舞台で、しかも朧げながらも記憶として残っている昭和40年代のお話。地名、建物、店名(こちらは育ちが違うので判らないものが多いのですが。)が判るというのは、それだけでイメージが鮮やかになるということを感じます。そして、ノスタルジーと脂ぎったエゲツナイ話が交錯するものの、とてもワクワクしながら読み進めています。山崎さん特有のモロバレのメタファーを推測するのも別の楽しみですし。残りの下巻も三連休のうちには読み終わりそうです。

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2007.01.04

エラゴン 3

478972960501_aa240_sclzzzzzzz_v38785360_ エラゴン 遺志を継ぐ者―ドラゴンライダー〈3〉 クリストファー・パオリーニ ヴィレッジブックス ¥651

 ==ちょい、ネタバレあり。==

 3巻目に入り、さまざまなパワーバランスが前面に押し出されてくる。人間、エルフ、ドワーフといった種族間のバランス、そして、帝国、ヴァーデン、サーダといった政治的な敵対、駆け引き。他にも様々な対立軸、競合関係が提示されることとなる。

 最後は映画のエンディングと概ね重なるカタチで第二部の「エルデスト」へ向かうこととなる。

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2007.01.03

エラゴン 2

478972959101_aa240_sclzzzzzzz_v38785332_ エラゴン 遺志を継ぐ者―ドラゴンライダー〈2〉 クリストファー・パオリーニ ヴィレッジブックス ¥651

 映画を観てからずいぶん日が経ってしまいました。劇場でもうすうす感じてはいたのですが、こうして読み進むにつれ原作との違いが多いことを知らされます。 

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少し加筆

Mg_ms06s_zaku2_004_mini サインペンでスミ入れができるとか、精密なドライデカールとか、(個人的には)日々新たな発見の連続です。

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加藤隼戦闘隊

B000bn9aes09_aa240_sclzzzzzzz_1 加藤隼戦闘隊

 戦局の大勢が決した昭和19年封切。軍神加藤建夫少将を軸に実機の映像をふんだんに使って撮影されており、P-36やP-40など敵機もホンモノ。

 一応のストーリーもあり退屈はしないが、全体に暗いし、セリフも聞き取りづらい。それでも、実機使用ゆえ編隊飛行での左旋回などの動き、スピードは、「空軍大戦略」にもひけをとらない迫力。雲海を越えて飛ぶ九七式爆撃機、隼の戦爆連合の動画が観られるだけでも、感動モノです。

Dvd_video_00hr_48min_22secDvd_video_00hr_48min_35sec 

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太平洋の翼

B0009oatt401_aa192_sclzzzzzzz_1 太平洋の翼

 「鷲」、「嵐」に続く東宝の「太平洋シリーズ」三部作の最終章。前作に引き続き三船敏郎主演。海軍の343空、通称「剣部隊」が舞台ですが、モデルの源田実指令が参議院議員として存命であったためか、千田(せんだ)になっていました。紫電改が主力のエリート部隊であるとか「紫電改のタカ」のモデルといった印象で片付けていたのですが、そもそも特攻が主たる航空攻撃手法となっていた当時にあっては、全戦線に散らばり、また、殆ど生き残ってさえいなかった歴戦のエース(5機以上の撃墜者)、ベテランを松山に集めることからして大仕事であったとは思いが至りませんでした。そして、その辺りの苦難からこの映画も始まります。紫電改のみならず、大和出撃シーンも迫力があり、最近の日本映画には観られない航空機の見せ方(本当にレシプロ機が飛んでいる様子を目の当たりにした人たちが作成したと感じるようなアングル)が随所に見られます。

Taiheiyou_no_tsubasa_00hr_06min_04sec  この映画を観て思い出したのですが、戦時中も含め20年ほど前までは「硫黄島」のことを「いおうとう」と読んでいたのが、米国人が「Iwojima」と呼んだことから今では日本人まで「いおうじま」と呼ぶようになった激戦の孤島。現在、上映中の佳作も「Iwojima」ですね。

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2007.01.01

明石海峡大橋越しのご来光

Dsc00174_miniDsc00183_miniDsc00192_mini    あけましておめでとうございます。たいしたブログではございませんが、本年もよろしくおつきあいくださいませ。

 さて、新年恒例のイベント、大蔵海岸から明石海峡大橋越しに今年最初のご来光を拝みに行って参りました。ここ数年は「龍の湯」で一風呂浴びてからそこのテラスで眺めていたのですが、大蔵海岸の開放が再開されたこともあり有料駐車場にクルマをとめて砂浜上の雛壇で待機。

 例年になくクッキリとした初日の出を拝めました。今年こそ、いいことがありますように。(毎年、同じセリフのような・・・。)

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