成功術 時間の戦略
成功術 時間の戦略 鎌田浩毅 文春新書 ¥714
著者は火山学者にして京大の総合人間学部教授。京大にこのような名称の学部ができたことを、恥ずかしながらつい最近知っただけに興味深く読めました。
少し生々しい表題ではありますが、バランスの取れた人生を送るための指南書といった趣です。学部生に語りかける口調で書き始められているので、30代以上の方には少し見下されているように感じられるかもしれませんが、それも最初のうちの我慢だけで、すぐに穏やかな表現に落ち着いていきます。
9章にわたり、人生における戦略が示されています。少しばかりストレートな表現に気恥ずかしくもなってしまいますが。
- 時間管理の戦略
- 人に負けない”武器”を持つ方法
- 人間関係の戦略
- フレームワーク利用術
- 戦略的な読書家になる
- 効率的に教養を身につける方法
- 無意識活用法
- クリエイティブになる方法
- 「オフ」の戦略
「人生って、そんなに割り切れるもんじゃない。」とか「思い通りにばかり進むかい。」といった声も上がるかもしれませんし、著者の失敗談や挫折感が盛り込まれていないことから一面的な印象を受けるやもしれません。それでも、この書に値打ちを感じるのは、全てが著者の体験と実績に裏付けられているからだと思います。古今東西の碩学の名言が散りばめられており、引用が明示されているのも原典に当たれるように配慮されているものと思われます。
自分自身に当てはめてみるに、1,3,4,6は、まだまだと感じていますが、例えば「無意識」や「集合的無意識」の無限の力を知ったのは19歳の時でしたし、そのきっかけも「読書(1冊の本)」でした。このように不惑も過ぎれば誰しもそれなりの方法論を身につけているのは当たり前ですが、自己の体験に当てはめてみて納得する部分が多い本でもありました。
Mizoさんのブログで紹介されていたので手に取りました。
| 固定リンク
「学問・資格」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- タオ自然学(2012.08.25)
- フランクル『夜と霧』 2012年8月 (100分 de 名著)(2012.08.13)
- 人口論(2012.08.13)
- ただのサラリーマンが時間をかけずに半年でTOEICテストで325点から885点になれたラクラク勉強法(2012.07.29)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- 巨額年金消失。AIJ事件の深き闇(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
「心と体」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
- 和尚(ラジニーシ)の超宗教的世界―トランスパーソナル心理学との相対関係(2012.08.25)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- 巨額年金消失。AIJ事件の深き闇(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
「文化・芸術」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- Special Jazz Live @ JAZZ BAR「OVER TIME」(2012.05.07)
- グルジェフ・ワーク―生涯と思想(2012.05.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント
書籍のご紹介ありがとうございます。
私自身に書評を書く能力がないので、助かります。
鎌田先生の奥様も地球科学の研究者で、大学時代授業を受けたことがあります。
夢物語を語るのではなく、非常に現実的な観点からの話が多く、ごく平凡な一市民である私には参考になりました。
投稿: Mizo | 2007.01.31 22:32
出張を上手に生かして多くの経験を積んでおられるMizoさんは、十分に時間戦略を持っておられると思いますよ。
一方、ワタクシめ。同じ出張でも、土曜の夜10時に帰ってきたこともあり、日曜日の今日は昼過ぎまで寝ていました。でも、おかげでとても色鮮やかな不思議で懐かしい夢を観ることができました。
投稿: 凡太郎 | 2007.02.04 20:30