構造改革の真実
構造改革の真実 竹中平蔵 日本経済新聞出版社 ¥1,890
小泉政権の幕引とともに参議院議員を辞した著者による暴露本ならぬ回顧録。オビには竹中平蔵大臣日記とあります。著者の言によると、大臣に就任した際、それまで書いたこともない日記をつけることとしたとのこと。こういった出版を念頭に置いのことかどうか。いろいろ言われたけれど、アメリカ的なスタイルとの印象を受けますね。
- 序章 改革の日々が始まった
- 第1章 小泉内閣という”奇蹟”
- 第2章 金融改革の真実 ”不良債権”という重荷
- 第3章 郵政民営化の真実 改革本丸の攻防
- 第4章 経済財政諮問会議の真実 政策プロセスはどう変わったか
- 終章 日本経済二つの道
ご覧のとおり、内容はとてもオーソドックスですが、よく見てみると「日記」のままではこのような構成は無理なはず。相当に「編集」したわけでしょうが、視点を変えればテーマごとにまとめてあるだけにずいぶん読みやすく感じました。ただし、この読みやすさは猪瀬直樹氏の著書に通ずる読みやすさではありますが。
率直に言えば、臨場感、興奮度が伝わるものの、「自画自賛」が多く、少々批判的な目で眺めてしまいます。その一方、民間大臣として、政治家としての作法に慣れずに戸惑うあたりや、信頼はしても官僚をとことん信用しないスタンスなど、ホンネの部分も垣間見えます。
期せずして同時期に飯島秘書官の回顧録も出版されましたが、こういった本を読むにつけ、書名同様にどこまで真実を語っているかはともかく、いかにマスコミが表面的でセンセーショナルなだけの報道しかしていないかを強く感じさせてくれます。
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