特捜検察VS金融権力
特捜検察VS金融権力 村山治 朝日新聞社 ¥1,470
略歴によると、著者は40代に入ってから毎日新聞社から朝日新聞社へ移ったらしい。新聞記者の世界ではこういった職場における流動性はある程度確保されているのだろうか。
特捜検察とは、東京、大阪地検の特捜部であり、金融権力とは旧大蔵省の銀行局など金融関係部局から金融監督庁、金融庁へ繋がる金融当局を指す。10年以上以前の出来事からひも解き、両者の協調が前面に出た時期と対立、緊張感が高まった時期を概ね時系列に辿っていく。まさにその場を「見てきた」ような書きぶりなので、臨場感があるものの、その分だけそのまま真に受けるのは危険な気がする。
それにつけても「一罰百戒」で狙われた際の恐ろしさには身がすくむ思いがする。国家権力の強大さと「国策捜査」のありようは、今後、政治犯罪以上に経済犯罪が特捜のフィールドの中心に置かれることとなるにつれ、大いに議論されることになるのではないでしょうか。
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