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2007年3月

2007.03.21

特捜検察VS金融権力

402250248701_aa240_sclzzzzzzz_1 特捜検察VS金融権力 村山治 朝日新聞社 ¥1,470

 略歴によると、著者は40代に入ってから毎日新聞社から朝日新聞社へ移ったらしい。新聞記者の世界ではこういった職場における流動性はある程度確保されているのだろうか。

 特捜検察とは、東京、大阪地検の特捜部であり、金融権力とは旧大蔵省の銀行局など金融関係部局から金融監督庁、金融庁へ繋がる金融当局を指す。10年以上以前の出来事からひも解き、両者の協調が前面に出た時期と対立、緊張感が高まった時期を概ね時系列に辿っていく。まさにその場を「見てきた」ような書きぶりなので、臨場感があるものの、その分だけそのまま真に受けるのは危険な気がする。

 それにつけても「一罰百戒」で狙われた際の恐ろしさには身がすくむ思いがする。国家権力の強大さと「国策捜査」のありようは、今後、政治犯罪以上に経済犯罪が特捜のフィールドの中心に置かれることとなるにつれ、大いに議論されることになるのではないでしょうか。

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バイアウト (上)(下)

406282008001_aa240_sclzzzzzzz_1406282009901_aa240_sclzzzzzzz_1 バイアウト (上)(下) 真山仁 講談社

 NHK土曜ドラマ「ハゲタカ」の後半部分の原作です。その設定、ストーリー展開が前半以上に、テレビドラマでは原作から離れているので、却って2倍楽しめるようにも感じます。テレビドラマでは、ホリエモンを彷彿とさせるIT長者を松田龍平が演じていますが、原作では出てきませんしね。個人的には、前半の「ハゲタカ」よりも、この後半の「バイアウト」の方が楽しめました。荒唐無稽の度合も高まっていますし。

 先週あたりに、文庫版として「ハゲタカII」として緊急出版されたようで、そちらでお読みになった向きもおられるのでしょう。

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2007.03.11

四々彦 → 大介

Yoshihiko 今夜の「華麗なる一族」は法廷対決。次回は早くも最終章90分スペシャルとか。

この時期になってマヌケなタイミングというか今月号の文藝春秋に「『華麗なる一族』華麗なる鑑賞法」なる記事が載った。今月号は、「硫黄島からの手紙」の脚本を手がけた日系2世の方の寄稿もあり、テレビドラマ、映画の小特集の趣。

さて、華麗なる鑑賞法なる記事自体は、小説の最後の部分を引用するといった掟破りの「ネタバレ」以外に見るべきものは無かったけれど、現在放映中のテレビドラマ内で万俵大介を凄まじい存在感をもって演じている北大路欣也さんが、74年の映画の中では二子(現相武紗季)と結婚する一之瀬四々彦役(現:成宮寛貴)を演じていることをここで初めて知った。もっとも、テレビドラマにのめりこんでいるいわゆる「華麗なる一族フリーク」では常識なのかもしれませんが。

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緯度0大作戦

B000e8jo7s01_aa240_sclzzzzzzz_1 緯度0大作戦

 日米合作のSF超大作でありながら、あまり話題に上ることのない作品です。Amazonでは、「あわせて買いたい」にマイティジャックを挙げていますが、なるほど、と感じるような内容です。アルファ号を狙って黒鮫号が海底の岩陰からゆっくりと現れるカットのスリリングさや緯度ゼロの全貌を曝すシーンは、円谷特撮の黄金時代を象徴しているようにも感じます。

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DVD ブレイブストーリー

B000icl3z601_aa240_sclzzzzzzz_1 DVD ブレイブストーリー

 小説を読んでおきながら劇場へ足を運ぶチャンスを掴みきれなかった作品です。宮部みゆきの書いたRPGなんて言い方もあるようですが、ちゃあんと消化、昇華されています。

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2007.03.04

モデルフィーベル 自走砲VOL.1

Mf00111 モデルフィーベル 自走砲VOL.1

新装なったモデルアートの別冊シリーズ第1弾。それにしても、いつになったらこんなのを組めるような環境になるのだろうか。いや、ネックは環境ではなく、自分自身の心がけってことは重々承知しておるのですが。それにしても超絶なテクと根気が満載されています。

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ちょっとバブルを覗いてきました。

10014131 ホイチョイの「バブルへGO!!」を観てきました。

ネタバレになるので筋には触れませんが、さすがホイチョイ。時代考証、小モノの扱いでは絶対にヘマはしていないのでしょう。むしろ、ケータイが無いことや、茶髪がいない、眉毛太いといったところを除けば、現在とそんなに変わらないという印象さえ感じてしまいました。自分自身がオヤジになったにもかかわらず、己が若かりし頃のまま時計が動いていないような気になっているだけなのかもしれませんが。

 個人的には、社会人になって間もなく始まったバブル経済(もちろん、当時はそんな言い方はしていませんでしたが)も、最初のうちは円高不況の呪縛から逃れられず、各社の年々の営業報告書も「こんな好景気が続くわけがない」といった警戒感満載の表現で切り出されていましたが、平成に入った頃には「永遠に日本の繁栄が続く」といった空気が日本全体を覆いつくしていました。経済は循環するって当たり前のことを集団心理で忘れてしまったなんて、大バカですよね。ペーペーだった私には、バブルでいい思いをしたなんて記憶はありませんが、「浮かれ」に多少は便乗させて貰って不思議な世界をほんの少しだけ覗かせていただいたこともありました。景気がいいとか贅沢だとか、ということよりも国民全体の意識がユルユルになって慢心してしまったことが最大の問題であったのでしょうね。

一方、地価が上がり庶民にはマイホームが手に入らない、実態経済の不在とマネーゲームといった批判的な語り口で俎上に上ることの多い「バブル時代」ですが、自殺者数が年々減少していったという意味では、むしろ人間味のある時代であったのかもしれません。この映画のラストシーンの空撮ショット(実際にはモロCGなのですが。)は、失われた10年が無かったもう一つの現在を提示してくれていました。

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近況報告 その2

Dsc00206 竹鶴12年の180mlとマッカランが加わっています。とうとう700mlに手を出してしまいました。

竹鶴は、日本のウィスキーの父と呼ばれる竹鶴政孝翁にちなんで名づけられただけに、余市のような強烈な主張ではなく、自然体のまろやかさを感じました。ニッカのウィスキーなので、口にする前は余市のようなイメージを持って臨んだのですが、ちょっと口にしただけで、「あれっ」と感じたもののすぐに納得した次第。

一方、マッカランは、モルトのロールスロイスとも呼ばれているそうですが、すっきりしているようでアクの強さを感じることもない深い味わい。ストレートで飲むと、あたかもブランデーのような喉越し。素人でもわかるほどの絶妙のバランスを楽しませて貰いました。

どちらの銘酒も、まさに深遠な世界がそこに広がっていることを教えてくれました。

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因縁の一戦

K1 今夜のK-1、バダ・ハリ対ルスラン・カリエフの因縁の一戦。鼻血まみれのカラエフが、感情むき出しで挑みかかって、バダ・ハリからダウンを奪った直後・・・。何が起こったのかさえよくわからぬまま、カラエフはダウンを奪われていた。こういったカード、見応えはあるが、一方で私怨を煽る姿勢は、個人の感情を勘定に引きなおしてしまう冷徹な資本主義の片鱗を垣間見た気がするというのは、大げさすぎるでしょうか。あるいは、プロレスに通ずるエンターテインメントの常道というべきでしょうか。

両人の動きが早すぎて、キャプチャしづらかった。

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宇宙大怪獣ドゴラ

B000anw0z009_aa240_sclzzzzzzz_2 宇宙大怪獣ドゴラ 高度経済成長下、昭和の東宝特撮シリーズの1つです。「ラドン」、「バラン」、「モスラ」といったゴジラシリーズからちょっとだけ脇によけた単一の怪獣がテーマの系譜。

ですが、他の作品とは随分と趣が異なります。「不定形怪獣」というCGでも使わなければとてもモノにできないシロモノに、敢えて挑戦したチーム円谷。大きな水槽の中でソフビをテグスで操演するには、やはり限界があったようで、宝石強盗団と刑事、国際ダイヤGメン、科学者といった立場の異なる人たちを巡る人間ドラマを、若干コメディ・タッチで描いた部分で楽しませてもらいました。

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潜水艦イ-57 降伏せず

B0009oatsu01_aa192_sclzzzzzzz_1 潜水艦イ-57降伏せず

 東宝のモノクロ時代の特撮戦争映画です。「ローレライ」のおかげで、先祖がえりとして脚光を浴びることとなったようです。もっとも、昔、ビデオテープを借りたことがあるようなないような・・・。

 「ローレライ」同様、終戦と和平工作に係る話ですが、若き日の池部良(艦長)、三橋達也(先任将校)が好演。円谷英二特技監督の手になる戦闘シーンも秀逸。

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2007.03.03

ハゲタカ 原作

406275352901_aa240_sclzzzzzzz_1406275353701_aa240_sclzzzzzzz_1 ハゲタカ(上)(下) 真山仁 講談社文庫 ¥820 & ¥770

今日は特番の影響で1時間繰り下げられていましたが、ご存知、土曜ドラマ「ハゲタカ」の原作です。テレビドラマでは、登場人物、企業の設定が変えられていたり、そもそもカットされてしまっているメイン人物がいたりしますが、原作もテレビもどちらも楽しめます。

 著者は元読売新聞記者だそうですが、確信犯的にモデル企業名がはっきりと推測(推定と言ってしまって構わないかもしれません。)できる書きぶりが徹底しています。原作に出ている企業名とモデル名を一覧対比しておられるサイトも。ホライズン・キャピタルは、ユニゾン・キャピタル?その分、余計に笑わせてもらえます。で、一気に読ませます。途中でやめ難いとさえ言えるかもしれません。Hagetaka

 ・・・続編の「バイアウト」を注文してしまいました。

 ところで、原作の中でも語られていましたが、「ハゲワシ(コンドル)」は実在する猛禽類ですが、「ハゲタカ」なんて鳥は実在しないとのこと。似たような話に「キンバエ」ってハエは実在するけど、「銀蠅」はいないとか。

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