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2007.09.23

熱湯経営

31ewwdyplpl_aa240_1 熱湯経営 樋口武男 文春新書 ¥735

副題は-「大組織病」に勝つ-。著者は大和ハウス工業の現会長兼CEO。巨大化したものの沈滞ムードで業績もジリ貧の同社に、事実上の子会社である大和団地から社長として乗り込んだ。

よくある経営者の回顧録と趣を異にするのは、著者が創業者でもその一族でもないこと。いわゆるサラリーマン経営者だが、戦前からの伝統企業を引き継いだというのも異なる。天才型の創業者との二人三脚の中での再興である。

とことん熱い展開だが、著者は30代半ばにして支店長に抜擢された頃から「社長として振舞う。」ことを旨としてきた、と言う。これは傲慢や思い上がりを正当化しているわけではなく、言われたことだけやってりゃいい、とか、それは私の役割ではない、といった言い訳を遮断しているように受け止めた。翻って、己はどうか、と自問自答すれば、なんとも情けない。若い頃でこそ、「一つ上位の立場で考える。」ことを心がけていたものの、逆にこのところ随分と守りに入っている自分自身を見つけることになる。

組織の規模が小さく、各セクションの機能が固まっていない段階では、ひとりひとりが考えないとどんな小さな課題も前に進まない。それが、組織が出来上がっていくにつれ、構成員の皆が自覚もないままに大企業病に侵されていく。課題の本質にかかわらず、多くが目先のことや保身しか考えないようになる。「熱さ」が消えていく。奪われていく。

ホンダ、スズキなど「偉大な中小企業」という言葉で飾られる企業がありますが、言うは易く、行なうは本当に難し、ですね。

それにしても、新書を読むにつけいつも感じるのですが、各出版社とも判で押したように新書のカバーにはデザイン性を求めないのでしょうか。ソフトバンクや幻冬舎でさえ例外でないのには、何か不気味さすら感じます。この書も中味の熱さが表紙デザインに全く現れていませんしね。

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