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2007.11.28

スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く

51d1h7i6okl_aa240_1 スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く ジョセフ・E・スティグリッツ ダイヤモンド社 ¥1,785

 世界銀行の元上級副総裁兼チーフエコノミストである著者が同職を辞してから定期的に連載してきた記事、コラムの単行本化。日本では週刊ダイヤモンドに2003年から連載されており、現在も続いている。今号の「ゼネコン断末魔」の特集号においても、(特集とはなんの関係もないが)ちゃんと(でっかい顔写真入りで)載っていた。なお、ノーベル経済学賞受賞者でもあり、大きな書店や大学生協には必ず定番の経済学教科書として著書が置いてあります。

 このような背景の書ゆえ、過去における部分は少し迫力不足に感じてしまうが、それでも米国における家計部門の負債の増加に強い警告を著者が発していたのは、既に2004年のことであることが読みとれた。いまさらサブプライムローン危機と騒いでいるのも滑稽に感じてしまう。

 寡聞にして不明でしたが、米国は世界銀行の、EUはIMFのトップを決めることができるとの「紳士協定」が存し、米国はさらにIMFにおける唯一の拒否権を有する存在らしい。著者はグローバリズムを痛烈に批判しており、もっともらしいことを言う自由主義者を繰り返し批判する。曰く、規制の強い数々の国家の方が、IMFの処方箋に従った諸国より経済的に大きく飛躍している、等々。ことに韓国におけるIMFの介入に対する皮肉は一級品である。

 ななめ読みであっても十分に楽しめました。

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» 世界の収奪のカラクリ:世銀は途上国を救うためではなく搾取システムを構築するために存在する [にほん民族解放戦線^o^]
昨日(2007年11月24日)の日経新聞に、またしてもムカつくニュースが載っていた。 http://www.nikkei.co.jp/news/main/20071124AT3S2202223112007.html 国際機関の増資、日本に重荷  世界銀行など国際機関の増資交渉が本格化する中、政府が対応に苦慮している。欧米先進国が出資拡大で足並みをそろえる一方で、財政にゆとりがない日本は拡大に応じにくく、国際機関での出資シェアを大きく落としかねない状況。日本は来夏の主要国首脳会議(洞爺湖サミット... [続きを読む]

受信: 2007.11.29 03:09

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