チーム・バチスタの栄光(上)(下)
チーム・バチスタの栄光(上) (下) 海棠尊 宝島文庫 各¥700
満票で選出された始めての「このミス大賞」として有名(らしい)作品。バチスタ?と聞いて、南淵医師?とか連想してしまったけれど、中味はぜ~んぜん別物だった。ネタバレは避けますが、「これがこのミス?」と思うようなウダ~とした出足。が、軽妙洒脱な書きぶりも、アイドリングから徐々に回転数を上げ始め、下巻から真打ち登場で大暴走。医学面でのテクニカルな内容はこれが第一線のものなのかどうかは良くわからないが、少なくとも「ブラックジャック」を描いたときの手塚治虫ほどの時代格差は無いんだろう。
何度もどんでん返しを食らわしながら、「アクティブ・フェーズ」に臨む二人はハラハラしつつも、手に汗握る。オートプシー・イメージングや医学監査というテーマ、けっしてエンターテンメント小説としてだけの興味深さで終えない含蓄も残してくれました。2月9日から阿部寛、竹内結子主演で映画化、上映されるとのこと。キャスティングも気になるところです。
「ナイチンゲールの沈黙」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「螺鈿迷宮」、「ブラックペアン1988」と立て続けのリリース。勤務医としての日常の中で、4ヶ月に1作というペースは、超人としか例えようがない。まるで樋口一葉の最盛期を見るよう。
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