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2008年2月

2008.02.26

新戦車

Ntk2110式戦車(?)となるか、新戦車。

81式→。ちょっとは似てませんか?Afv007011

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2008.02.25

瞬きよりも速く

51aytow8dsl_aa240_1 瞬きよりも速く レイ・ブラッドベリ ハヤカワ文庫 ¥945

私が敬愛する作家が3人います。一人は中学時代から傾倒している筒井康隆大先生。二人目は稀代のストーリーテーラー、マイクル・クライトン。そして3人目がレイ・ブラッドベリです。ブラッドベリの代表作は、「火星年代記」であり、あるいは「華氏四五一度」といった長編となるのでしょうが、その真骨頂は本書のような短編にこそあろうと思います。既存の括りで言えば、ファンタジーとなるのでしょうが、本書に収められている「ザハロフ/リヒタースケールV」、「フィネガン」や「優雅な殺人者」のような底なしのブラック・ファンタジーも数多くものにしています。ファンタジー界のO・ヘンリー。21編。けっして万人向けではないのかもしれませんが、あっちの世界に片足を突っ込んでいる、ワタシのようなモノにはたまらない珠玉の作品集です。

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2008.02.24

出世の法則

41dnzjucfwl_aa240_1 出世の法則 佐藤満 グラフ社 ¥1,260

刺激的というか野心家ぽい、ギラギラしているといったタイトルとは真逆に、中味は極めて正攻法。ただ、書かれている項目のひとつひとつが、著者の個人的経験に裏打ちされているだけに、本を書くために机の上でひねり出したものとは明らかに異なる説得力を持つ。

著者の華麗な経歴ゆえ、新聞やビジネス誌でエピソードを目にした経験を持つ方も多かろうと思う。この一見華麗にして、実は失意と苦闘の連続であった経歴そのものが、本書の説得力の最大の源泉であろうと感じる。

<著者のプロフィール>

大学卒業後、世界38ヶ国を放浪。商社勤務を経て、31歳で本田技研工業に入社。中南米担当となってブラジルに赴任後、ホンダカーズタイランド社長として、タイでのホンダの乗用車シェアーを約10倍にする。その功績が評価され、フォルクスワーゲングループジャパン、日本ゼネラルモーターズ株式会社で社長を歴任。その当時の経験を生かし、社長退任後は年間約150件の講演、経営診断をこなす。現在、インベストメント・イン・ジャーマニー(ドイツ政府投資公社)の東京駐在シニアアドバイザーとしても活躍中。将来の夢は「プロの農夫、養蜂家」

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自衛隊2500日失望記

51lqzar9qel_aa240_1 自衛隊2500日失望記 須賀雅則 光文社ペーパーバックス ¥1,000

公認会計士試験に4度も落ちて、放心状態のまま、子供の頃から憧れていた自衛隊に応募。航空自衛隊での7年間の在籍期間で見聞きした、一般国民にとっては驚愕の実態がこれでもかというくらいに詰め込まれています。

本書を読めば守屋次官の100回ゴルフ接待でさえ、氷山の一角でしかないご愛嬌とも思えてくる恐ろしさ。税金が食い物にされているさまは、25万人自衛官に渡り裾野が広~くなっており、さらにはOBへとさらに際限なく広がっていることを知る。一方で、ただ単に現役、退官自衛官を責めるだけではすまない構造的な疑問も感じる。というのも昇任が叶わなかった自衛官の中には53歳で退官せざるをえない者も多い現実。年金が受け取れるようになる60歳、65歳までどうやって生きていけ、というのか。53歳といえば、子供が進学する場合、人生の中でもっともカネが係る時期に当たる。単に個人、組織の倫理感だけで片付けられるものではない。

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2008.02.17

上杉謙信

上杉謙信 松永義弘 人物文庫・学陽書房 ¥693

 昨年の大河ドラマ「風林火山」ではガクトが、10年ほど前の中井貴一主演の「武田信玄」では柴田恭兵が演じた上杉謙信。「天と地と」に象徴されるごとく、川中島の戦いにスポットが当てられることが多く、これだけ有名な歴史上の偉人であるにも拘らず、生涯全般に渡る物語は意外に少ないように感じます。個人的には戦国武将の中で最も好きな存在なのですが、信玄の好敵手であっただけでなく、戦法を確立させて最盛期にあった信長を完全に打ち破るなど生涯無敗であったと言われるその強さはもとより、一種神秘的な面も魅力の一つなのかもしれません。

 それが史実どおりなのかどうかはともかく、神秘的とはとても言えない人間的な懊悩、たとえば信玄と北条の二方面作戦を長年に渡り強いられたこと、子供じみた(ように感じられる)部下同士のいがみ合いなど、にも触れられており、毘沙門天の化身といった神格化されたステレオタイプではない人間臭い面が特に取り上げられており興味深く読了しました。

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2008.02.11

今月の文藝春秋 2008/3

Bungeishunju08031 今月の文藝春秋 2008/3 ¥780

いつものように、年金やらNHKやら、数行読んだだけで吐きそうになるようなテーマがてんこ盛りですが、今号で「さすが文春」と思わせたのは、次の記事。

「リングから見た日本人の品格」 A・ザ・ブッチャー

御歳とって67歳だそうですが、こんなの週刊プロレスや大スポじゃとても読めそうにないもんな。

芥川賞受賞の「乳と卵」。豊胸のパンフレットとかロボコンとかについて、小学生みたいな文体で延々と述べる。こういうのが評価されるんかなぁ。著者のCDが売れ始めたらしいけれど、新地でホステスしていた背景は弟の学資稼ぎだったとのこと。山田詠美、室井佑月系作家に整理されるのか。毎回、街頭作なし、として嘆きとボヤキが続く慎太郎さんの選評に今回ばかりは同意。

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テロリストのパラソル

418ziuyp5rl_aa240_1 テロリストのパラソル 藤原伊織 角川文庫 ¥620

95年の江戸川乱歩章、96年の直木賞受賞作。昨年、早世された著者への手向けの言葉をコラムを含めて新聞紙上で何度か見かけたが、例外なく出てきたフレーズが「文章がうまい」。この「文章がうまい。」というのが気になっていた。相当以前にTVドラマ化された際に見たものの、著者の小説は初読。TVは根津甚八が準主役だった。

何をもって「文章がうまい。」と評されたのか、結局はよくわからなかったけれど、下記のような点なんだろうか。

  • 文が短い。
  • 修飾語がくどくない。
  • それでいて関連知識に係る造詣が深そう。
  • 会話文が洒落ている。(ただし、ここは気取っていてキザにも思える。)

分類上はミステリーらしいが、確信犯的にハードボイルド臭さがプンプンしている。私には、中年が引きずる青春小説あるいは、青春を清算する物語に思えた。

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H5N1型ウイルス襲来

41pubzuqtl_bo2204203200_pisitbdp500 H5N1型ウイルス襲来 岡田晴恵 角川SSC新書 ¥756

著者は国立感染症研究所研究員。NHKスペシャルをはじめとするテレビや雑誌等で大きく取り上げられている「新型インフルエンザ」がテーマ。強毒性、トリとヒト、パンデミック等々、断片的な知識は知っていたものの、なぁんにもわかっていなかったことに気づく。

以下の単語の一つでも知らない方は、類書でも構わないので一通りの知識を身につけておかれた方が身のためでは。

  • スペインかぜ
  • プレ・パンデミック・ワクチン
  • パンデミック・ワクチン
  • アスピリン
  • タイレノール
  • タミフル
  • H5N1といったネーミングの規則を知らない。

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派遣のリアル

31zqa1vfgjl_aa240_1 派遣のリアル 門倉貴史 宝島新書 ¥756

副題に「300万人の悲鳴が聞こえる」とあります。「労働は商品ではない」フィラデルフィア宣言(ILO)から始まる本書では、身近な雇用形態、労働形態である「派遣」について、「派遣される側」に焦点を当てて事実を積み上げる手法で、「リアル」を浮き彫りにしていく。インタビュー形式による10のケースが挿入されているが、派遣会社勤務の正社員(常勤正規雇用の従業員を指す。)や派遣従業員といった微妙な立場の人のケースもあり、興味深い。紙幅の関係か、あるいはインパクトや焦点がぼけるのを嫌ったのか、「雇用する側」、「派遣会社と契約する側」あるいは「行政」の立場からの見方、リアルに一切触れられていなかったことは少し残念。

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永遠のガンダム語録

61rti0p0tdl_bo2204203200_pisitbdp50 永遠のガンダム語録 株式会社レッカ社編著 PHP文庫 ¥680

=ファースト・ガンダム=

  • 「モビルスーツの性能の違いが、戦力の決定的差ではないことを教えてやる!」シャア・アズナブル
  • 「命がけっていうのは、どうも俺たちだけではなさそうだな。」クワラン
  • 「わしの出世は、部下たちの生活の安定につながる」ランバ・ラル
  • 「ゆっくり話し合ったことないんだろ?それじゃ虎は、おとなしくにはならん」リュウ・ホセイ
  • 「与えられたものの中で、最大限に考えて生き延びるんだな」ブライト・ノア
  • 「人は変わってゆくのね」ララァ・スン
  • 「話は信じるが、戦果だけが問題なのでな」キシリア・ザビ
  • 「チャンスは最大限に生かす。それが私の主義だ」シャア・アズナブル

=Zガンダム=

  • 「新しい環境、新しい相手、新しい事態にあえば、違うやり方をしなくちゃならないんだよ!」ライラ・ミラ・ライラ
  • 「動いているほうが怖くなくていい」クワトロ・バジーナ
  • 「良くも悪くも人間は変わるわ。あなたはどうかしら?」ミライ・ノア
  • 「急いではだめよ。人と人の関係なんて同じよ。時間をかけて、ゆっくりとわかっていくものよ」ミライ・ノア
  • 「今日の都合で魂を売った人々の決定などは。明日にも崩れるものさ」クワトロ・バジーナ
  • 「まだだ!まだ終わらんよ!!」クワトロ・バジーナ

=ZZガンダム=

  • 「自分のできることを最大限にやりゃあ、他人に利用なんかされるもんか!!」ジュドー・アシータ
  • 「人間の可能性を、ちっぽけな自己満足のために潰されてたまるか!」ジュドー・アシータ

          ほか、計150。

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2008.02.10

実録!関東昭和軍 1

61tf7qrnc9l_aa240_1 実録!関東昭和軍 1  田中誠 講談社 ¥540

モーニングに連載されているコミック。タイトルだけ見れば、舞台は満州か、などと連想してしまうのですが、首都圏にある私立関東昭和高校のスパルタ野球部が舞台。スパルタ式というよりも帝国陸軍式の(愛の無い理不尽な)シゴキで選手をシバく。道徳的な片鱗も見せずに、一流になりきれない監督、コーチの下、これまた一流校に入れなかった生徒がひたすらしごかれる。現実離れした規格外の人物ばかり登場し、濃ゆ~い描写が続くが、「現実もさもありなん。」と感じさせるところが不思議。こんなんじゃ人格なんぞ陶冶されんわな。

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ガンダム人物列伝

51i2vjae3ql_aa240_1 ガンダム人物列伝 株式会社レッカ社編著 PHP文庫 ¥680

カントを読んだ後にガンダムというのもどうかとは思うものの、オビには「大人のための解説本」とあり、勝手にひとり納得。「機動戦士ガンダム」、「Zガンダム」、「ガンダムZZ」、「逆襲のシャア」に出てきた主な登場人物を2~6ページで概説。3つの地上波番組と1つの劇場版作品のみが対象とされ、「ポケット中の戦争」などOVAは外伝のためか外されています。それでも90人に上る圧倒的なボリューム。意外にも(と思うかどうかは人によるのでしょうが)、Zガンダムよりファースト・ガンダムで取り上げられている人数の方が多いのですが、特定の人物に肩入れすることなく、しかしながら、ときに熱く、ときに突き放すように記されており、架空世界でありながら血が通った世界がよ~く見える興味深い1冊です。

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永遠平和のために/啓蒙とは何か

51fajr12gcl_aa240_1 永遠平和のために/啓蒙とは何か(他3編) カント (中山元訳) 光文社古典新訳文庫 ¥680

最近、カラマーゾフの兄弟などの新訳で有名になっている文庫の1冊。カントと言えば、とにかく難しいという印象が強く、私自身、若い頃に「純粋理性批判(もちろん日本語訳)」を読みかけて3分冊の1冊目で挫折してしまったトラウマを抱えておりました。そんな過去を抱えながら、なんでこの本を手に取ったかといえば、オビに「カントが普通の言葉で語り始めた。」なぞとウレシイコピーがあったからにほかなりません。

  1. 啓蒙とは何か-「啓蒙とは何か」という問いに答える
  2. 世界市民という視点からみた普遍史の理念
  3. 人類の歴史の憶測的な起源
  4. 万物の終焉
  5. 永遠平和のために-哲学的な草案

 けっして軽い読み物ではありませんが、「哲学」といった趣ではなく、とても読みやすい印象を持ちました。

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サブプライム問題の教訓

41pqu7nxzkl_aa240_1 サブプライム問題の教訓 証券化と格付の精神 江川由紀雄 商事法務 ¥1,680

金融機関を渡り歩き、現在はドイツ証券のマネージングディレクター証券化商品調査部長の職にある著者の手になる「エッセイ」。エッセイと著者が謙遜して記しているだけで、実際は極めて密度の濃い書であった。全くの門外漢が手に取ると、アルファベット・スープ状態で混乱するかもしれないが、金融機関関係者や一般企業でも経理や財務に関わる部署に席を置かれている方であれば十分に理解できようし、また引きずり込まれる魅力がある。まさに第一線で日本の証券化業務を見つめ続けてきた著者であるからこそモノにすることができたともいえよう。仕組債等のネーミングや、TVコマーシャル、通勤経路などで得られる皮膚感覚の重要性の下りなど、毛色の変わった記述もあり楽しめる。

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DS えいご漬け

Package1_2  英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け ¥3,800

安河内哲也さんの「できる人の英語勉強法」で推薦されていたソフトです。簡単な英文を聞き取って、訳のわからぬままサルのように書き取っております。

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できる人の英語勉強法

51lrasg8lil_bo2204203200_pisitbdp50 できる人の英語勉強法 安河内哲也 中経出版 ¥1,365

TOEI990点満点、英検1級、国連英検特A級、通訳案内士・・・・・。著者の華麗な資格、履歴です。

どうやら「学問に王道なし」なので、こつこつ勉強しなさい、ということのようです。ごもっとも。

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2008.02.03

投資銀行時代、ニッポン企業の何が変わったのか?

416bmdar7ql_bo2204203200_pisitbdp50 投資銀行時代、ニッポン企業の何が変わったのか? 保田隆明 PHP研究所 ¥1,260

正月休みに読むつもりで年末に買ったものの、ようやく読了。「週刊こどもニュース」風に仕立てることも目指したとのことで、わかりやすさは文句なし。なお、投資銀行の話が中心に据えられている訳ではありません。

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サブプライム問題とは何か

41epf2bvlepl_aa240_1 サブプライム問題とは何か 春山昇華 宝島社新書 ¥735

 昨年の半ば辺りから世界中を席巻し未だに損失額が拡大している模様のサブプライム問題。本書はとにかくわかりやすい。かといって、もちろん単なる小学生向けの解説書ではないことはもちろんで、著者の実体験に裏付けられたエピソードが随所に盛り込まれているので説得力がある。

 日本のバブル時代でも、冷静さを逸したアホみたいなプロジェクトが大まじめに実現化に向けて動き、そしてその多くが頓挫したけれど、米国では「証券化」を通じたモラルハザードが詐欺的な仕組みを産み落とし、悲劇的な結果を招いた。NINJAローンなるアホアホローンまで登場とか。NINJAとは、No Income, No Job & Assets だとか。世も末、ってとこですね。他にも、格付に関して、企業そのものに対する格付と証券化されたモノに対する格付ではAAAの分布割合が真逆であるなど、意外に知られていない(でも、格付会社は、「それぐらいみんな知ってるやろ。」というスタンス。)事実、実態を紹介してくれています。

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格差社会の世渡り

41bt4zwmel_aa240_1 格差社会の世渡り 中野雅至 ソフトバンク新書 ¥735

 週刊誌のコラムを延々読んでいるような気分になりますが、「そういうの、あるある。」といった感覚で読み進むことになりました。読み終えてから、「で、結局どうよ。」と問われても、「さぁ?」といった面もあるのですが、全同意ではないものの軽妙洒脱な筆運びもあり、ちょっと胡椒の効いた「癒し」になります。

少し長めになりますが、内容のイメージを掴むには、目次を眺められるのがよろしいかと。

<目次>

序章 「明日が楽しみ」と言えますか?
 努力は報われているだろうか
 勝ち組に勝利の根拠はあるのだろうか
 ポストバブルの流れを決したのはPR力

第1章 長期不況は庶民の責任か
 当世日本、努力でどこまで上昇できるか
 「イギリス病」と「日本病」の病根は同じか
 いかに日本人は働き者か
 ビルメン老人 見返りのない受験勉強に励む子供たち
 努力は才能か

第2章 報われない高学歴者
 中央官庁で感じた学歴価値大暴落
 高学歴三極化の中で滑り落ちる普通の受験秀才
 支配的価値観の逆転
 東大ブランドは年収1000万を保証するか
 東大だけでは「華麗なる一族」に入れない
 学歴は劣悪な保険
 高学歴エリートを襲うWEの恐怖
 化石化する企業別給料ランキング
 痴漢冤罪で不安定化する雇用
 うつ病と高学歴者
 最も損する受験エリート
 「それでも学歴は生き残る」という主張
 後ろ向きな中間層の私学受験
 ボーディングスクールを目指す人々

第3章 ワーキングプア
 ワーキングプアは一体何人いる?
 オオマエハルコのような派遣労働者
 最大の被害者は若年労働者
 非正社員の増加と少子化との関係
 福祉の女王 vs. 援助に値する貧しい人々
 正社員がワーキングプアへ転落するリスク
 ますます貴重な存在になる「日本人労働者」
 原因を特定できないワーキングプア

第4章 「勝ち組」の根拠
 独立系 vs. 組織系
 執念に勝る金儲けの秘訣なし
 金儲けこそ実力と見なす風潮
 受験勝者が嫌われる六つの理由
 金儲けの勝者を崇める日本人のおかしさ
 起業家にあって庶民にないもの
 アピールリッチ
 マスコミを使う
 本を出版する真の狙い
 不祥事対処も見た目が10割?

第5章 イバリーマンの勝利の理由
 スーツ族の復権
 暴れるサラリーマン
 「どーすんの、 オレ」と悩めるリーマンは幸せ
 二番目にデキるヤツが飛び出すという法則
 やる気をなくさせるやらせ人事評価
 デキる人が見えにくい日本の組織
 何が何でも会社にしがみつくという執念
 出世の第一条件は疲れないこと
 声のデカさとアピール力

第6章 格差社会のゆくえ
 努力プアの苦労はいつまで続くか
 ホワイトカラー・エグゼンプションの餌食
 努力プアの反旗?
 暴論か、それとも正論か
 市場原理主義国家ニッポン
 二十日鼠状態に疲れるとき 
 ハケン・正社員・富裕層のメンタリティ
 「努力プア連合」の条件

第7章 見た目が10割社会を生き抜く処世術
 組織を徹底的に利用する
 会社を辞める前に
 「えびす顔の出すぎた杭」になる秘訣
 組織と個人を分ける
 単調な努力では上昇できない
 持続性こそ力なり
 生死を決する潮目を読む力
 行動力に欠ける学歴エリート
 政府のススメに満足してはいけない
 政府報告書は宝の山
 高学歴のメリット
 日本人がアメリカの移民労働者に?

第8章 努力が報われる社会へ
 勤労意欲こそ日本の宝
 選択肢が豊富な社会を作ろう
 「実績」社会から「実力」社会へ
 実力社会実現に向けた具体策
 労働市場の流動化は高学歴者を救えるか
 他人や社会全体を考える世の中に

おわりに

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さらば ゆとり教育

51acxyrhk8l_aa240_1 さらば ゆとり教育  寺脇研 光文社パーパーバックス ¥1,000

 副題に「学力崩壊の『戦犯』と呼ばれて」とありますが、ご本人は元文部科学省の課長時代に、ゆとり教育の事実上の仕掛人であった方。最近はみのもんたさんの「朝、ズバッ!」のコメンテーターでもお目にかかれます。

 タイトルは、「さらば ゆとり教育」ですが、ゆとり教育に未練たらたら。どう考えてもこのタイトルはご本人の意向とは関係ない場所で決まったとしか思えません。国際比較等で基礎学力が低下したとの見方が強まったことが、ゆとり教育見直しのきっかけであったわけですが、当初から著者は基礎学力の低下は止むを得ないと考えていたフシがあります。そもそも、ゆとり教育の是非に関しては、先が見えない現代にあって、子供の将来を不安視する(標準的な)親とは、社会観、学習観そして時代感覚やグローバル化した世界観が根本的に異なっているように感じます。寺脇氏は、現在の日本が置かれている状況を「成熟した社会」であり、そのような環境においては(基礎学力の向上には少々目を瞑っても)自分で考える、生きるチカラを身につけさせるべきと認識しているようです。一方、現在の日本はBRICsの追い上げなどを受け、個人の待遇レベルにおいても容赦ない国際競争に晒されており、「確かな目に見えるチカラ」こそが必要であると認識している親や子供が増えているように感じます。寺脇氏の唱える「生きていく力」には魅かれるものがあるのですが、そういったチカラって、少々工夫したところで学校教育で身に付くとは思えないんですね。

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闇金ウシジマくん 10

31bsxuqtsml_aa204_1 闇金ウシジマくん10 真鍋昌平 小学館 ¥540

 この巻からサラリーマン編に移った。医療機器メーカーの営業所で営業職に就いている33歳の2児の父でもある妻帯者が今度のターゲット。

 黄色の派手なオビには、「サラリーマン絶望農場。皆この男の餌になる!!」とありますが、このコピーのほかに、「文化庁メディア芸術祭審査委員会推薦委員会」、「このマンガを読め!2008 BEST6」選出とありました。後者はともかく、前者の”文化庁”にはビックリ。ずいぶんと思い切った選出です。もっとも、(あくまで歌詞の上での話ですが)校舎の窓ガラスを割ったり、バイクを盗んだり、ベッドを二人できしませていた「尾崎豊」が、カウンター・カルチャーの旗手として今年のセンター試験で取り上げられる時代ですから、文部科学省、文化庁の懐もずいぶんと深くなったと捉えるべきなんでしょう。

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