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2008.02.03

さらば ゆとり教育

51acxyrhk8l_aa240_1 さらば ゆとり教育  寺脇研 光文社パーパーバックス ¥1,000

 副題に「学力崩壊の『戦犯』と呼ばれて」とありますが、ご本人は元文部科学省の課長時代に、ゆとり教育の事実上の仕掛人であった方。最近はみのもんたさんの「朝、ズバッ!」のコメンテーターでもお目にかかれます。

 タイトルは、「さらば ゆとり教育」ですが、ゆとり教育に未練たらたら。どう考えてもこのタイトルはご本人の意向とは関係ない場所で決まったとしか思えません。国際比較等で基礎学力が低下したとの見方が強まったことが、ゆとり教育見直しのきっかけであったわけですが、当初から著者は基礎学力の低下は止むを得ないと考えていたフシがあります。そもそも、ゆとり教育の是非に関しては、先が見えない現代にあって、子供の将来を不安視する(標準的な)親とは、社会観、学習観そして時代感覚やグローバル化した世界観が根本的に異なっているように感じます。寺脇氏は、現在の日本が置かれている状況を「成熟した社会」であり、そのような環境においては(基礎学力の向上には少々目を瞑っても)自分で考える、生きるチカラを身につけさせるべきと認識しているようです。一方、現在の日本はBRICsの追い上げなどを受け、個人の待遇レベルにおいても容赦ない国際競争に晒されており、「確かな目に見えるチカラ」こそが必要であると認識している親や子供が増えているように感じます。寺脇氏の唱える「生きていく力」には魅かれるものがあるのですが、そういったチカラって、少々工夫したところで学校教育で身に付くとは思えないんですね。

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