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2008.03.21

シュンペーター

シュンペーター 伊東光晴・根井雅弘 岩波新書 ¥777

副題は「孤高の経済学者」。シュンペーターとケインズは同じ1883年生まれ。奇しくもカール・マルクスの没年でもあるそうです。今、ベストセラーになりつつあるケインズの新訳「一般理論」の上巻を読んでいるところなのですが、シュンペーターとケインズの関係は、緊張感を伴う屈折した思いを伴うものであったそうです。

オーストリア生まれ。25歳にして名著であり大著たる「理論経済学の本質と主要内容」をものし、その4年後に決定打たる「経済発展の理論」を著しました。シュンペーター自身、「みのり多き20代」と称したそうで、弱冠28歳でグラーツ大学の政治経済学教授に任命されたというから、まさに早熟の天才です。ちなみにその前にチェルノヴィッツ大学の院外教授に任命された時期もあったというから驚き。その後、36歳にしてオーストリアが共和制に移行した折、初代の大蔵大臣に就任するも、嵌められる形で地位を追われます。

最初の妻とは離縁、二度目は死産死別、三度目にして安逸を得るといった明るい性格を一変させてしまうような苦渋を味わうこととなるプライベート。

「新結合」といった現代の起業家、技術革新に繋がる概念、独自の「帝国主義論」などその「総合的」、「大統一理論」的な巨視的な視点は、時論を超えた壮大さを感じさせてくれます。経済学、社会学におけるビッグ・ネームが次々に登場する歴史劇場を眺めるような一冊です。 

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