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2008.05.11

市場検察

51qsf6ynntl_sl500_aa240_1 市場検察 村山治 文藝春秋 ¥1,950

 オビには「権力の深奥部で起こった検事たちのすさまじい暗闘!」とあり、「日本経済のグローバル化に対応せよ!轟音をたてて変質する検察 市場か、政治家か?」とあります。

 著者は「特捜検察vs金融権力」で、特捜検察と大蔵省/財務省の蜜月と亀裂、そしてその修復を迫力ある筆致でさらけ出してくれた人物。毎日新聞に18年勤務した後、朝日新聞に移り、現在、同社編集委員。

 よくここまで書けるな、とその取材力と構成力には舌を巻くが、一方で「見てきたような」書きぶりには、どこまでが事実なのか、どういった人物、組織がニュースソースなのか、またリークする意図は何処にあるのか、などと思いを巡らせると、正直なところ背筋がゾっとする想いにかられる。

 新聞やTVではお目にかかることのない切り込み方であり、踏み込んだ書きぶりであるが、著者が新聞社に籍を置いているがゆえに、新聞でこのような突っ込んだ書きぶりができないこと自体が巨大メディアが検察の広報部に堕していることを象徴しているのかもしれない。実際、本書の中にも検事に問い詰められた大手新聞社の記者が、ソース(最高検)を明かしてしまう下りが出てくる。

 ともあれ、特捜のターゲットが政治家から市場に変換した以上、企業に勤務するサラリーマンの誰しもが、ある日突然「狙い撃ち」され、真実がどこにあるかどうかなど関係なく、全てを失うリスクを抱えることになってしまったと言えよう。「密室での取調べ」が批判されるものの、検察、警察といった捜査当局が「最強の武器」をそうやすやすを手放すとは思えない。

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