クライマーズ・ハイ
クライマーズ・ハイ 横山秀夫 文春文庫 ¥660
今夏、堤真一主演で公開されている映画の原作。心の動き、かけひきを、ここまで活字にできるのか、と驚かずにおれない究極の警察小説の旗手の著者が、日航機墜落事故を引き受けてしまった地元紙の中年記者を軸に、「辛い」展開を描き切る。著者自身、小説中では舞台となる北関東新聞のライバル紙として扱われる上毛新聞に勤務していたことを考えると、この小説は著者にとっては、いずれは乗り越えなければならない、しかし、安易には取り上げることは許されない「試練」であったのだろうか。
主人公である悠木に自分自身を重ね、「まさに今のオレだ。」と感じた人は多いのではないだろうか。私自身を含め、私の周りにも思いを同じくしていた人がいた。記者の世界は、まさに実力主義であろうし、新聞社にもよるだろうが終身雇用となるケースは少ないのかもしれない。狎れ合いが許されない職場の厳しさと、これからの日本の多くの職場の縮図をみた想いがした。
標題の「クライマーズ・ハイ」、掛け言葉なのだろうが、読み終えて改めて意味深長に感じた。
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コメント
映画の方も観ないといけませんね!
観るべきものが多くて困ります。
投稿: Mizo | 2008.07.23 22:16
こんにちはMizoさん。
映画、ぜひ観にいきたいところですが、そろそろ打ち切りになりそうで、どうやらDVD待ちになりそうです。ナツは観るべきものが特に多くなりますね。昨日、久しぶりに上の娘と「崖の上のポニョ」を見に行ってきました。
投稿: 凡太郎 | 2008.07.27 15:52