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2008年8月

2008.08.31

司法に経済犯罪は裁けるか

41lc2bql3ztl_sl500_aa240_1 司法に経済犯罪は裁けるか 細野祐二 講談社 ¥1,680

期せずして講談社の本が続く。細野氏の手になる第三弾。経済犯罪の証拠が財務諸表に存するとの見解は、当たり前過ぎるものの、目から鱗が落ちることも確かである。しかし、一方で財務諸表分析が経済犯罪で軽視され、従来型の捜査手法が踏襲され、あるいは枝葉末節な経理処理に焦点が当てられるなど、いちいち頷くことが多かった。冤罪と裁判員制度にも言は及び、その示唆するものに含蓄を感ずることもしばしばであった。地域により開きがあるものの、現実に裁判員に選任される確率は相当に低いことから「十一人の怒れる男(女?)」になることは、いち国民としては殆ど期待されるところではないものの、絶対数では確実に多くの方が体験することとなる世界。それは、全国民の誰にとっても意外にすぐ隣にあるのかもしれない。その心構えを実体験に即して投げかけてくれる一冊といえるかもしれない。

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本当はすごい自分

51ambm4cbul_sl500_aa240_1 本当はすごい自分 苫米地英人 講談社 ¥1,365

何冊目か(たぶん2冊目)のドクター・トマベチの書。あいかわらず突拍子もないほどに独創的であり、日常生活からの乖離度合、飛翔度合は相当なもの。トンデモ本で片付ける人もいるのだろうが、人にこういった内容を信じていることを公言することを憚ってしまうのも事実。そもそも、本当にこの本の内容を信じ込んでいいんだろうか、と躊躇してしまう。・・・でも、真実なんでしょうな。

タイス・カードなる不可思議なカードつき。子供のころ、雑誌の付録のなんとかカードに魅せられた方向き?

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2008.08.24

国産&輸入車新車購入マル得バイブル

61jffe3kl_sl500_bo2204203200_pisitb 国産&輸入車新車購入マル得バイブル  成美堂出版 ¥1,470

諸般の事情から実際には購入できなくとも、こういった本を眺めているだけでも結構シアワセな気分に浸れるもんです。実際、クルマが売れない時期に却ってクルマ関係の雑誌の売れ行きが伸びるなんて噂も。

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平成20年版 経済財政白書

Zaiseih20_pi_0011 平成20年版 経済財政白書  内閣府  社団法人時事画報社 ¥1,565(A5版)

 ここ数年感じることですが、迫力不足の上に毎年繰り言を述べているように感じます。今年はサブプライムローンなるキーワードが色を添えたようですが。経済白書と呼ばれていたころに比べると世間の注目度もぐっと低くなっているようですし。ちなみに現在の略称(通称?)は、経白書。

 Web上で情報すべて入手可能なようで。

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少し遅めの夏休み

  ・・・を取って家族オーストラリアへ行ってきました。 ケアンズシドニーに各2日ずつ。子供たちにとっては初めての海外。真冬の豪州は彼女たちにはどのように映ったのか。

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官僚との死闘七○○日

51tw35px0pl_sl500_aa240_1 官僚との死闘七○○日 長谷川幸洋 講談社 ¥1,785

「さらば財務省」の続編とも言うべき”戦友”からの餞のことばか。一部週刊誌(この言い回しは「ジャーナリズム崩壊」参照。)の記事で取り上げられた実名ノンフィクションが本書。

安倍前首相が著者の奥さんへ携帯から電話するくだりなど、ちょっと笑えるエピソードも多い。

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100のノウハウよりもただ1つの自信

41hblznvbdl_sl500_aa240_1 100のノウハウよりただ1つの自信 ジョン・カウント Nanaブックス ¥1,365

以下は、この本の出だしです。

うまくいく人というのは、結局自信がある人のことです。

流行りの仕事術やマネジメントなどのビジネススキルを数多く学んでも、心に自信がなければ、逆境に立たされたとき、何も役に立ちません。

気持ちで負けていては、スキルは無力です。

・・・的を射た、実に含蓄のある言葉だと感じました。

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ジャーナリズム崩壊

41f1kytfl2l_sl500_aa240_1 ジャーナリズム崩壊 上杉隆 幻冬舎文庫 ¥777

「第四の権力」が聞いてあきれるお寒い日本のジャーナリズム村社会。著者はNHK、NYタイムズ勤務を経て現在はフリーランスのジャーナリスト。グローバルな視点に立つと異常なメディアスクラムを取り続ける独占的な既得権益集団たる記者クラブなる存在の卑しさと底の浅さを、ユーモアを交えてこれでもか、これでもかとさらけ出してくれます。

一方的な見方なのかもしれませんが、ゲリラ的な取材を続けざるをえない中での著者の取材姿勢には頭が下がる想いです。週刊現代やポストがしばしば使う”大マスコミ”といった言い回しの背景も見えてきます。

折しもNHKが政府公報の下請けのような番組を垂れ流していたとの朝日新聞ほかの報道が賑わうここ数日、ご都合主義に身勝手な筆誅では、国民の視線は冷ややかなものとなるのもやむをえまい。

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2008.08.10

なぜ改革は必ず失敗するのか

51sjlojd07l_sl500_bo2204203200_pisi なぜ改革は必ず失敗するのか 木下敏之 WAVE出版 ¥1,995

 2期6年半佐賀市長を務めた改革派市長の回顧録にして、自治体経営の未来を占う書。今でこそ、自治体”経営”と聞いても違和感はなくなりましたが、20年ほど(地域によっては10年ほど?)前であれば、「自治体は民間のように利益を追求しているわけではない。経営なぞといった怪しげな言葉は似つかわしくない。」といった批判もあったような。

 -なぜ、改革は破れたのか  より引用。”敗れた”ではなく”破れた”とされています。

(前略)

 改革をすれば、苦しい時期が続きます。そして、この方向でよかった、という確信が見えるまで住民がこらえきれなければ、改革者はその立場を失います。

 また、こうもいえます。佐賀の場合、行政改革を急いで行い、浮いた財源を子育て支援や教育、新産業の育成に使いました。しかし、教育の成果も、建設業に代わる産業の姿も、すぐにはあらわれるわけではありません。とくに、子育て支援策の効果が出るまでには長い時間がかかるものであり、目に見えやすいものではありません。

 衰退する中で談合防止などの取り組みが行われれば、公共事業中心の建設業界の不満は高まります。既得権を失った公務員も同様です。仕事を失った人には、強い恨みが残るでしょう。

 改革とは、既得権益を次から次にはがしていくということです。一方で、改革で得た利益は特定の層に集まることはなく、薄く広く配分されるにとどまります。これで「強力な味方」ができるはずがありません。味方は増えず、それどころか敵が増える。こうした状態が続いていけば、いずれは必ずやられてしまうのです。つまり、徐々に強力な反対票が形成されていくということになります。これが改革というものが本来的に抱える厳しさだと私は思っています。

(後略)

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凡人として生きるということ

41luyi2t69l_sl500_aa240_1 凡人として生きるということ 押井守 幻冬舎 ¥798

 まさにこのブログのタイトルにふさわしい書名の1冊にして、今や宮崎駿さんと双璧といっても過言ではない押井監督の新書デビュー。(じゃ、庵野監督はどうなるのか?)

 「スカイクロラ」の公開に合わせた出版であることは疑いようがないところですが、「業界に友達なんて1人もいないし、いらない。」なんて言いきってしまうところが、凡人ならぬ変人の真骨頂でしょう。おそらく押井さんは本気で自身は天才ではないと思っているのでしょうが、ジョージ・ルーカスやジェームズ・キャメロンも普通の人だと言ってしまうほどですから、モノサシそのものが「普通の人」と違うのでしょう。

 読んでいくと納得するところもあるものの、反発を覚える箇所もままありました。変人とはいえ、そこは大人、適当なフォローが入ります。

  1. オヤジ論
  2. 自由論
  3. 勝敗論
  4. セックスと文明論
  5. コミュニケーション論
  6. オタク論
  7. 格差論

<Amazonでの紹介文>

95%の凡人と5%の支配層で構成される社会。支配層が流すさまざまな「嘘」を見抜けるかどうかで、僕たちは自由な凡人にも不自由な凡人にもなる-。自由な凡人人生が最も幸福で刺激的だと知る、押井哲学の真髄。

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2008.08.04

O型 自分の説明書

41sg24emfdl_sl500_bo2204203200_pisi O型 自分の説明書 Jamais Jamais 文芸社 ¥1,050

 B型→A型→AB型ときて、ようやくO型。で、やっぱり買ってしまうんですな。これがO型ってわけで。やっぱり単純ですな。

 どうやらDS向けのゲームも開発中だそうで、どんな趣のものになるのやら。

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2008.08.03

黒笑小説

41hq5d6j2nl_sl500_aa240_1 黒笑小説  東野圭吾 集英社文庫 ¥580

 ブラックユーモア短編集。第3弾とのこと。

家内が買ってきたのを何気に読んだのですが、エロ(&グロ)ものもあり、ちょっと子供の目につくところからは避けたいところ。・・・ですが、途中でやめられません。電車の中でも「隣の人に覗きこまれたらバツが悪そう。」なんて感じながらものめりこんでしまいました。

往時の筒井康隆あるいはかんべむさしを彷彿とさせ、現代の日本に東野圭吾がいて良かったと感じさせてくれる1冊でした。それにしても、この作家、恐ろしいほどの引き出しをお持ちのようで。

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