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2008.08.10

なぜ改革は必ず失敗するのか

51sjlojd07l_sl500_bo2204203200_pisi なぜ改革は必ず失敗するのか 木下敏之 WAVE出版 ¥1,995

 2期6年半佐賀市長を務めた改革派市長の回顧録にして、自治体経営の未来を占う書。今でこそ、自治体”経営”と聞いても違和感はなくなりましたが、20年ほど(地域によっては10年ほど?)前であれば、「自治体は民間のように利益を追求しているわけではない。経営なぞといった怪しげな言葉は似つかわしくない。」といった批判もあったような。

 -なぜ、改革は破れたのか  より引用。”敗れた”ではなく”破れた”とされています。

(前略)

 改革をすれば、苦しい時期が続きます。そして、この方向でよかった、という確信が見えるまで住民がこらえきれなければ、改革者はその立場を失います。

 また、こうもいえます。佐賀の場合、行政改革を急いで行い、浮いた財源を子育て支援や教育、新産業の育成に使いました。しかし、教育の成果も、建設業に代わる産業の姿も、すぐにはあらわれるわけではありません。とくに、子育て支援策の効果が出るまでには長い時間がかかるものであり、目に見えやすいものではありません。

 衰退する中で談合防止などの取り組みが行われれば、公共事業中心の建設業界の不満は高まります。既得権を失った公務員も同様です。仕事を失った人には、強い恨みが残るでしょう。

 改革とは、既得権益を次から次にはがしていくということです。一方で、改革で得た利益は特定の層に集まることはなく、薄く広く配分されるにとどまります。これで「強力な味方」ができるはずがありません。味方は増えず、それどころか敵が増える。こうした状態が続いていけば、いずれは必ずやられてしまうのです。つまり、徐々に強力な反対票が形成されていくということになります。これが改革というものが本来的に抱える厳しさだと私は思っています。

(後略)

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コメント

引用されている文章、「改革」の本質を突いた名文だと思いました。
改革者だけでなく、住民の忍耐も問われているということを再認識。

投稿: Mizo | 2008.08.11 06:25

数年前、明石市が破綻の危機にあると言う話を聞きましたが、とりあえずは落ち着いてるみたいですね。
各市町村単位ではなく、日本自体が経済破綻する可能性も・・・・。
そんな事を考えると、自分の勤めてる店もヤバいかもと・・・ww
明日から三日間、嫁さんが子供を連れて自分の田舎の花火大会に行くそうなんです。(父ちゃんは、一人寂しく仕事に向かいます。)

投稿: ザッティー | 2008.08.13 19:03

Mizoさん ザッティーさん

こんばんは。
「破綻」、「財政危機」、「改革」と一部の人が声高に叫ぼうが声を潜めようが、大半の人の日常生活は何事もなく続いていきますね。先が見えないものの、「忍耐」は子供世代の(花火大会が毎年続くことも含めた)未来のためでもありますね。

投稿: 凡太郎 | 2008.08.13 22:49

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