« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »

2009年3月

2009.03.30

NHKスペシャル 沸騰都市のそれから

090329_b1 NHKスペシャル 沸騰都市のそれから

今夜放映されたNHKスペシャル。当初からの企画には無かったのではなかろうか。前半の放送後、未曾有の経済危機が世界中襲い、わずか半年でそれぞれの都市の表情が一変していた。

ドバイ、ロンドン、ダッカ、イスタンブール。

ドバイ、ロンドンの苦境を尻目に、そもそもバブルにまみれることすら許されなかったダッカは経済危機の影響などなく結構明るい表情であったし、イスラム金融に下支えされたイスタンブールは良かれ悪しかれヨーロッパと西アジアの接点としての表情を見せていた。伝統、文化的背景に根ざした価値観の相違。世界で唯一無二のオープン・ソサイエティを探究することだけが最適解ではないと感じる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

輸入車のすべて 2009年

Img20090325170107748185001 輸入車のすべて 2009年  三栄書房 ¥680

ま、夢を見るのは自由ですから。概して不況期でクルマが売れないときほど自動車関連雑誌は売れるなんて言いますし。もっとも今回もその法則が当てはまっているのかどうかはわかりませんが。

  • 特集 ベースグレードの魅力に迫れ フィアット500/ルノー・トゥインゴ/ミニ/スマート・フォーツー
  • トゥインゴに308、C4&C5.元気なフランス勢ほかA~Dセグメントの=09最新輸入車を完全網羅!!

イチバン安くてイチバン深い! ベースグレードの魅力にどっぷり浸かってみよう!!

話題の輸入車35台!

A&Bセグメント
ルノー・トゥインゴ/フィアット500/スマート・フォーツーmhd/ミニ/プジョー207/フォルクスワーゲン・ポロ/ルノー・カングー/ミニ・クラブマン/フィアット・グランデプント/ルノー・ルーテシア/フィアット・パンダ

Cセグメント
シトロエンC4/プジョー308/アウディA3/ボルボC30/フォルクスワーゲン・ゴルフ/メルセデス・ベンツBクラス/BMW1シリーズ/アルファロメオ・アルファ147/フォルスクワーゲン・ジェッタ/ボルボS40/ルノー・メガーヌ/メルセデス・ベンツAクラス/フォルクスワーゲン・ニュービートル/クライスラーPTクルーザー

Dセグメント
シトロエンC5/フォルクスワーゲン・パサートCC/BMW3シリーズ/アウディA4/メルセデス・ベンツCクラス/アルファロメオ・アルファ159/プジョー407/フォルクスワーゲン・パサート/サーブ9-3/ジャガーXタイプ

| | コメント (0) | トラックバック (0)

TVドラマ 空飛ぶタイヤ

Photo011 TVドラマ 空飛ぶタイヤ

今夜、WOWOWで初回が放映された連続テレビドラマ。最寄り駅の貼紙広告で目にして視聴。池井戸潤氏の同名小説のドラマ化だが、三菱自動車によるクレーム隠蔽事件を題材に欠陥車を購入させられた運送会社、カーメーカーそしてそのメインバンクの関係者を巡るストーリー(なのでしょう)。池井戸氏は元銀行員であったと記憶しているが、メインバンク関係者が登場するのもそれゆえか。また、中小企業の内部の人間関係や大企業の担当者と対峙する中小企業経営者の弱い立場を描くさまが痛々しいまでに生々しいのは、支店勤務を経験された賜物か。

BGMがあまりなかったせいか、TVドラマというよりも映画のような雰囲気を感じた初回であった。また、普段、このようなテーマに接する日常にない子供たちも、時折見入っていたのが印象的であった。

実は無料視聴(初回だけ)。

Tyre_2

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.29

帝国海軍艦艇ガイド

40560535531_2  帝国海軍艦艇ガイド 歴史群像編集部 学習研究社 ¥530

「130余隻の写真と詳細データを完全網羅!」とあるだけに時を忘れてのめりこんでしまった。主力艦は単艦ごとに、そうでなければ同型艦単位で見開き2ページでコンパクトに解説。太平洋戦争当時のみでなく、海軍創設以来、明治・大正時代の艦艇の解説も同列に載せてあるところもうれしい。

こんな充実した解説・データ集が530円というのもさらにうれしい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

世界秩序の崩壊

511rzzlv3l_sl500_aa240_1 世界秩序の崩壊 ジョージ・ソロス ランダムハウス講談社文庫 ¥903

副題は「『自分さえよければ社会』への警鐘」。ヘッジファンドの象徴として呼ばれることの多いクォンタム・ファンドの総帥として、資本主義の尖兵と語られることの多いソロス氏だが、その実像(かどうかは本書へのソロス氏の姿勢次第なのだが)は、意外にも思索的な存在であることを知る。

ハンガリーでユダヤ人として生を受け、ナチスの手から逃れるためにアメリカへ。ヨーロッパに想いを寄せつつも、世界国家のひな形としての進化型のアメリカ型社会(ただし、現在のアメリカそのものの在り方には強い反発を示す)を地球全体へ広げることを訴える。伝統の上に生きる日本人としては賛成しかねる主張だが、その目指すものは平和であることは揺るぎない信念であろう。

  • 歯車社会
  • オープン・ソサイエティ
  • 再帰性
  • 誤謬不可避性

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ピカソ 週刊西洋絵画の巨匠 第9号

Picaso ピカソ 週刊西洋絵画の巨匠 第9号

抽象的で素人にはなかなか理解できない芸術作品を指して、「ピカソみたい」と評するのが一般的な日本人の反応かもしれない。それぐらい日本人にとってのピカソ観は、ゲルニカに象徴されているのかもしれないが、そのデッサン力が素晴らしかったこともよく知られるようになってきている(私が知っているくらいだから)。歴史に名を残すほどの画家だけあって、そのデッサン力は13歳にして、美術教師であった父の筆を折らせるほどのものであったという。

生涯、変化という名の進歩を追究した天才。それこそがピカソだったのだろう。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

Model Graphix 2009/5

5148rplbbul_sl500_aa240_1 Model Graphix 2009/5  大日本絵画 ¥780

特集は"MSV" STRIKES BACK!!。スターウォーズのエピソード5みたいなタイトル。昭和の第一世代MSVの頃に代表される内骨格の無い時代のガンプラを「モナカ(最中)キット」と呼ぶことを初めて知った。リアルタイムには何の関心も寄せていなかっただけに温故知新ってとこですな。

”世界の”宮崎駿監督の手になるコミック「風立ちぬ」第2回。陸軍初の試作戦闘機コンペ。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

予見された経済危機

51w9fbrkl_bo2204203200_pisitbsticke 予見された経済危機 倉都康行 日経BP ¥1,785

副題は「ルービニ教授が読む世界史の転換」。オビには「天才経済学者か、エセ預言者か」、「100年に一度の出来事をピタリと当てた経済学者の論理とは-。」とある。

「ドクターDoom」と呼ばれ、世界金融危機を早くから予言、警鐘を鳴らしていたノリエル・ルービニ教授。彼の言動を題材にしつつ、実のところは著者自身の考えを披瀝するスタイルとなっている。著者とルービニ教授は一面識ないとのことではあるが、著者の経験に裏打ちされた説得力ある展開はとても興味深いものであった。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.22

レンブラント 週刊西洋絵画の巨匠 第8号

Renbrant レンブラント 週刊西洋絵画の巨匠 第8号

光と陰の魔術師。谷崎潤一郎の「陰翳礼讃」に代表される日本人的な感性に通ずるところがあるのか、レンブラントも日本で人気のある作家なのでしょう。シリーズの初頭にラインアップされています。

緻密な作風で知られるレンブラントですが、中には写真と見まごうばかりの偏執狂的なものも。嘆息。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

模型鉄道でよみがえる昭和の鉄道と暮らし―エコーモデル・その世界

51klgbls2gl_sl500_aa240_1 模型鉄道でよみがえる昭和の鉄道と暮らし―エコーモデル・その世界 ネコ・パブリッシング ¥2,400

こういうの、ほんとに癒されますなぁ。レトロオヤジ向けの一種の箱庭療法でしょうか?

| | コメント (0) | トラックバック (0)

真剣 中年 しゃべり場

Pop_ph11 真剣 中年 しゃべり場

3月21日の土曜夜から22日早朝にかけてNHK教育で放映。昨年の紅白歌合戦辺りから鮮明になり始めたNHKとフジテレビのコラボレーション。「イチかバチかプロジェクト」と銘打たれているが、これは首都圏における同放送系列に割り当てられたチャンネルナンバ(1と8)ーのメタファーなのだろうか。

そんなちょっとしたお遊びでも楽しませてくれたが、昨夜の「真剣 中年 しゃべり場」は、「朝まで生テレビ」なみに見応えがあって、途中から見始めたものの、結局、最後まで見てしまい就寝は午前4時頃になってしまった。

NHK教育における若者向け番組の系譜をたどる一幕があり、60年代から80年代初頭までの長寿番組「若者の広場」、80年代の「YOU」、90年代の「真剣10代しゃべり場」、そしてこの間まで続いた「一期一会」。4月からは「青春リアル」というネットと連動した番組になるそう。個人的に思春期とシンクロする世代は、「YOU」になるが、昨夜の日比野克彦の再現にも見られるように、今見ると実に「ユルイ」進行であったように感じた。ただ、80年代にはあの軽さ、POPさ、明るさが時代適合的であったのだろう。バブル前夜の高揚感も反映されていたのか、まさに「なんとなくクリスタル」な時代だった。

中年世代以上に対するアンケート結果で上位に掲げられた「若者のコミュニケーション能力の低下」が、討議のテーマとされた時間帯(比較的長時間に及んだ)があったが、図らずもその過程においては、中年以上の世代が現代的なコミュニケーションの場に対応し切れていない能力不足、努力不足、適応力不足が露呈したように感じた。40代以上がブログもSNSも使わない日常に住んでいる一方、10代、20代は、SNSひとつとっても、mixiなどよりもさらに新興世代のプラットフォームにのっかった日常にいる。これは可視的ではないものの、まさに世代別の異次元、多元空間が広がっているようにも思える。

後半、勝間和代さんや本田由紀さんが若者の日常を紹介しつつ、その抱える課題を社会的課題として提起した一方、堀紘一氏が若者の置かれている環境を理解できないままに徒に発言を繰り返している姿が痛々しく感じた。同氏が常に上から目線で、自らの若かりし頃の昔話を持ち出す姿には、失笑すら洩れていたように思う。冨野監督やフジTVサイドから参加という位置づけの古田新太氏が、旧世代でありながら目線が若者たちに合わせたものであるこのとは対照的であった。

以前、ゆとり教育の急先鋒であった寺脇研氏が、「しゃべり場」に話のわかる文部科学省の課長として意気揚々と登場した際、上から目線で話し続けたのち、「論客」のレギュラーメンバーの少女に「番組の趣旨を理解しないままにやってきて何を語っているのか。」といった趣旨で切り返され、「えっ」と絶句した挙句、それ以後は急に慎重な発言に終始したことを想起させた。氏は、番組終了後のコメントで、完敗であったことと、いい勉強になった旨の発言を残して去った。ただ、そういったやりとりすらも、「ゆとり教育」への取り込みとして整理しようとしたのかもしれない。

いろいろと言われているけれども、いまの若者は自分たちのころよりよっぽどマシだと感じる。これとおんなじことが平成版の「あしたがあるさ(ウルフルズ)」の歌詞に謳われている。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

映画 ワルキューレ

Img1 映画 ワルキューレ

神戸空港にあるレストランでの学生時代の友人たちとの会食の後、劇場へ。

数あるヒトラー暗殺計画の中でも最も有名であり、あと一歩まで辿り着いた事例を映画化。「ワルキューレ」は英語読みでは「ヴァルキリー」。マッハ3で飛ぶ高高度戦略爆撃機になり損ねたXB-70(それを迎撃する目的で開発されたMiG-25)やアニメのマクロスの主力戦闘機も同名。

ワーグナーの「ワルキューレ騎行」は、フランシス・コッポラ監督の「地獄の黙示録」の冒頭、ヘリの編隊が大音量で流す狂気の映像が印象的であったが、同曲が流れるシーンは今回も効果的な映像となっていた。

これまでの作品で見たトム・クルーズとはずいぶんと異なる印象を受けたが、また、弱冠40代前半のブライアン・シンガー監督(トム・クルーズより若い)がメガホンを取る作品でありながら、細部までの拘りはスピルバーグも真っ青のリアリティ追究と見受けました。

兵器関係:冒頭のアフリカ戦線のシーンでは、ホルヒやキューベル・ワーゲンのみならず、Ⅳ号戦車(いわゆるマークⅣスペシャルと言われた長砲身タイプ)やⅢ号突撃砲まで登場。英軍の戦闘爆撃機はP-40でしたが、こちらはCG?エンドロールを眺めていると、兵器関係は、なんとかレンタル社から調達したようなことが出ていましたので、映画撮影やイベント用のビジネスが出来上がっているのでしょう。

2時間余り、一切、緊張感が途切れることなくアッという間に過ぎ去ります。戦記や歴史に関心がない向きであっても、まず後悔することはない名作となるでしょう。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

神戸ワールドクックビュッフェ マイカル明石店

Shop_pict_141_2 神戸ワールドクックビュッフェ マイカル明石店

昨夜、長女を除く家族3人で夕食へ。ラーメン波止場後にオープンしたチェーン店ですが、団体さんが待っていたこともあり15分ほどの待ちで入場。

入る前後に「限定メニューのローストチキンが出来上がりました。」とのアナウンス。ローストチキンを手始めに、レバニラ炒め、ガーリックライス、お好み焼き、焼売、フォー、・・・。吐きそうになるほど食った。もう若くはないのにバイキングとなると、後先考えずに皿に盛ってしまい、帰宅してから膨満状態の腹を抱えて懊悩する。学習機能が相変わらずオフなようで。

成人男性¥1,600、同女性¥1,300、小学生¥1,000、幼児¥700。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

犯罪心理学

51qex22s21l_bo2204203200_pisitbstic 犯罪心理学 PHP研究所/福島章 PHP研究所 ¥1,260

ひとことで「犯罪」と言っても、その定義、類型、予防手段など広がりは大きく、ましてや究極のところはどうやっても捉えどころのない「心理」をどう扱うのか。この書では一般向け雑学として、実際的にわかりやすく整理してくれています。こういった「常識」を少しでも身につけているだけで、日ごろ接するニュースへの理解が相当に深まるでしょう。

一方で、自身の心の中に垣間見ることができる犯罪の萌芽に愕然としたりもすることになります。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

読めそうで読めない間違いやすい漢字

51b9e0htall_sl500_aa240_1 読めそうで読めない間違いやすい漢字 出口宗和 PHP研究所 ¥500

立ち読みを何回か繰り返した挙句、結局、購入してしまいました。通勤帰りの車中で頁を繰っていたのですが、前半はともかく中国古典の教養を前提とした最後の方はお手上げ状態。

漢字が読めない首相、難読文字を取り上げたTVバラエティ番組、はたまた乱脈経営が取りざたされる漢検など、漢字を巡る話題に事欠かない昨今ではありますが、ここは素直に自らの不明を恥じる次第。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.15

宇宙の根っこにつながる瞑想法

419x3hpgttl_bo2204203200_pisitbstic 宇宙の根っこにつながる瞑想法 天外伺朗 飛鳥新社 ¥1,890

元SONY常務執行役員にしてCDやAIBOの開発者であった著者の手になる瞑想本。まだ実際に瞑想を行ったわけではないのですが、「取扱い注意」に十分にページを割いてあります。ことに霊的な神秘体験の危険性に触れている下りが数か所あり、私自身が身に覚えがあることも記されていたことから、少々ゾッとしながら読んだ次第。

これからCDをPCに落として(SONYさんには申し訳ないのですが)i-Podで聞いてみます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.14

Armour Modeling 2009/4

515urw4hel_sl500_aa240_1 Armour Modeling 2009/4 大日本絵画 ¥1,380

今月はスケビはお休みの月。

特集は「極上のフィニッシュワーク」。ウォッシングとフィルタリングの違いとは、退色表現とフィルタリングは違う、といった少々理屈っぽい、そうでありながら、なんとなくの理解で済ませている部分について明快な解答を用意してくれている。

JSGDFモノに集中特化しているモノクロームから、1/35で高機動車(いわゆるジャンビー?)がレジンキットながら発売されるとの由。ただし¥9,975ですが。ほかにはファインモールドのチハ車系列そろい踏みなど。

特別付録に新撰組のイタリア軍M29型迷彩カモフラシート(お試し版)がつく。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

日本陸軍がよくわかる事典(愛蔵版)

61nl6c82mml_bo2204203200_pisitbstic 日本陸軍がよくわかる事典(愛蔵版) 太平洋戦争研究会 PHP研究所 ¥500

廉価でありながら、また体裁もお手軽でありながら、とても濃い内容に脱帽。複数の著者による”会”として編まれた書のようだが、軍隊、戦争経験あるいは直接にその世代から伝聞を受けた世代の方による生の声による活写を感じた。子供のころに読んだ少年向け戦記や兵器の解説本の空気感がある。誤解を恐れずに言えば、こういった書には癒される思いがある。

帝国陸軍の草創期からその末期までを、組織、生活、教育、兵器等々多面的な切り口で紹介してくれる。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

知識ゼロからのマルクス経済学入門

517gmtogtul_sl500_aa240_1 知識ゼロからのマルクス経済学入門 弘兼憲史 幻冬舎 ¥1,365

「課長(~社長) 島耕作」のコマをセリフを入れ替えつつ流用しながら、マルクス経済学やマルクスそのものを説く。文章半分、マンガ/図解半分。

わかりやすさや親しみやすさ最優先の編集なので、楽しく読めたという読後感。ただ、マル経を学ぼうという視点から見れば、せいぜいが高校生か中学生向けといったところでしょうか。書きぶりの難易度も中学生の教科書と高校生のそれの間くらい?

今回、この幻冬舎の「知識ゼロからの」シリーズ、相当な蓄積があることを初めて知りました。幻冬舎って話題性狙いだけの出版社、なんて偏見を改めなければなりませんね。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

2009.03.12

ドガ 週刊西洋絵画の巨匠 第7号

Doga ドガ 週刊西洋絵画の巨匠 第7号

ドガと言えば、バレリーナ。生き生きとした「活写」という印象が強いのですが、写生したものではなく、計算しつくされた構図が、瞬間を切り取ったような躍動感を生んでいるとのこと。私は、往年の名映画監督である小津安二郎を想起しました。自然でほのぼのとした家庭の日常を淡々と描く小津監督。しかしその”自然”さは、緻密な計算に基づくものであったといいます。小津監督も反論を許さぬタイプであったといいますが、ドガもへんこなオッサンだったようで、一生独身を貫き、殊に晩年はへんこを通り越して人付き合いのほとんどない頑固ジジイだったとか。絵画からはちょっと想像できませんね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.11

訪ねて見よう!日本の戦争遺産

5133rgrnq6l_sl500_aa240_1 訪ねて見よう!日本の戦争遺産 安島太佳由 角川SSC新書 ¥1155

写真新書。著者はプロカメラマン。収録写真192点。全国47都道府県を巡って足で拾い集めた戦争遺産。海岸に、山林のなかにひっそりと、あるいは住宅街に、公園内に紛れて、あるいは、ごくありきたりの街角に少しばかりの異彩を放ちつつも、それらは厳然と存在する。

表紙は、海軍燃料廠の志免竪杭櫓(福岡県志免町)。公園内の遊具との対比が奇妙。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

学歴分断社会

41cpbdveayl_sl500_aa240_1 学歴分断社会 吉川徹 ちくま新書 ¥777

格差論が台頭してはや10年、最近は沈静しつつあるが世間の関心が貧困に移りつつあるだけで格差が解決したわけではない。「勝ち組」、「負け組」に二分されることが多いが、意外に学歴を絡めた展開にはならないと著者は問う。実力主義、能力主義が前面に出てきたことにより、必ずしも難関大学を優秀な成績で卒業したからと言って一生安泰ということがなくなってきたとの背景もあるのか。

同世代に占める高校卒業者の割合は、1970年代半ばに90%を超えてから横這い、すなわち安定化している。同様に大学卒業者の割合は、1980年代に40%台でいったん落ち着き、その後1990年代半ばからやや上昇し、50%をわずかに超えた辺りで横這いとなっている。大学全入、ユニバーサル化の環境にあって、これ以上の上昇は無かろうと言われている。

この結果、どういった社会が出現しつつあるか?

<答え>日本は、大卒と高卒(非大卒)が、ほぼ半数を占める「学歴分断社会」となる。

少々ゾッとする二極分化社会である。これだけはっきりと二分化する属性は性別くらいしかない。院卒や中卒もいるにはいるが、決してマジョリティ化するわけではない。例えは無分別だが、ゲイやレズといったホモセクシャルな人たち程度の比率だろうか。そして、大卒のある人が自身の周囲を見渡すと、周りの人たちもみな大卒。一方、高卒のある人が、近しい人たちの顔を思い浮かべても、やはり高卒。見えない壁に仕切られた「分断社会」がそこにはある。

子育て世代は必読です。

| | コメント (0) | トラックバック (1)

2009.03.09

とんぼ玉展覧2009 @ KOBEとんぼ玉ミュージアム

Tenran2009fliers1_2 とんぼ玉展覧2009 @ KOBEとんぼ玉ミュージアム

日本で(たぶん)唯一の「とんぼ玉ミュージアム」が神戸にあります。いま、そこで「とんぼ玉展覧2009」なるおもしろ展覧会が開催されています。私自身まだ行ったわけではないのですが敢えて自信を持ってご紹介します。実はここの館長さんが高校時代の級友なのです。季刊の「ランプワークガラス情報マガジン」の編集人でもあるようです。ちなみにランプワーク(ガラス)って「とんぼ玉」のことみたいです。Lammaga061

| | コメント (0) | トラックバック (0)

超訳『資本論』

51nogkdq0l_bo2204203200_pisitbstick 超訳『資本論』 的場昭弘 祥伝社新書 ¥882

「資本論」第1巻の入門書あるいは導入の手引といった位置づけの書。しょっちゅう話題には上るものの、どれほどの数の人が読破した経験を持つのか、と著者が問うように「わかっているようでわかっちゃいない」マル経。

「蟹工船」がベストセラーになったり、共産党に入党する若者が増えるなど、「格差」に対する憤懣が渦巻く現在。実は、資本主義が究極の状態に至る以前に、共産主義革命は起きてしまったのではないか?インターネットに象徴されるITと金融工学の進化こそが、資本主義社会を究極のレベルにまで引き上げつつあるように感じる昨今、マルクスが長い眠りから目覚めつつあるのかもしれない。・・・ただ単に、近代経済学の巨匠が唱えてきた説を次々と試してみたもののネタ切れになりそうなんで、気の早い人にマルクスが担ぎ出されつつあるだけかもしれませんが。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

銀行の墓碑銘

51n2lfme0nl_ss400_1 銀行の墓碑銘 有森隆 講談社 ¥2,310

  1. UFJ銀行(旧・三和銀行)
  2. 足利銀行
  3. 東京相和銀行
  4. 北海道拓殖銀行
  5. 日本長期信用銀行
  6. 日本債券信用銀行
  7. 大和銀行(現・りそな銀行)
  8. 兵庫銀行
  9. 徳陽シティ銀行
  10. なみはや銀行(旧・福徳銀行)
  11. 九州親和ホールディングス(旧・親和銀行)
  12. 阪和銀行
  13. 幸福銀行
  14. 新潟中央銀行
  15. 石川銀行
  16. 国民銀行
  17. 太平洋銀行(旧・第一相互銀行)
  18. 中部銀行
  19. 平和相互銀行

・・・見せしめ、実験、言いなり、同族、衰弱、放縦。これだけの銀行が消滅、あるいはそこまでいかずとも吸収合併された。不動産、リゾートに賭けた夢は、不良債権と化し、ヤクザ・マネーへ姿を変えた。よくもまぁ、これだけ有象無象が出てくる本も珍しい。まさに事実は小説よりも奇なり。

特に後半は大小様々なブラック軍団総出演。その中でもやたら目につくのが、”無尽”から相互、普通銀行へ、そして破綻というケース。差別的な境遇を何としても打破したい、実力で普通銀行を見返したいとの悲願が悲劇を招いたパターン。ここにも戦後の格差社会が垣間見える。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.08

DVD 陰日向に咲く

51dampntbhl_sl500_aa240_1 DVD 陰日向に咲く

劇団ひとりの同名小説の映画化。TSUTAYAで借りてきてTV画面に流していたのですが、その間、書棚を組み立てたり、家の中でウロウロしていてたもんで、実は筋があんまりわかっていないんです。娘たち2人はソファに座って結構熱心に観ていたようですが。いい話なんでしょうが、女学生が見るにふさわしいかどうかは別でしょうな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

男道

51h7oycb2nl_sl500_aa240_1 男道 清原和博 幻冬舎 ¥1,470

清原の現役時代、いちどだけナマで見かけたことがある。西武時代、まだホークスがダイエーだった頃の福岡ドームでのダイエーvs西武戦。恐らく清原がまだ20代のころだったろうが、バッターボックスに向かう態度が随分とふてぶてしく感じたものだった。今にして思えば、ガニマタ気味に歩いていただけなのかもしれないが。

派手な遊び人。ガラが悪そう。松井を巨人から追い出した。等々、話題には事欠かない大物だったが、意外に世間知らずの”ええ奴”だという印象をもたらしてくれ、一方で”紳士たれ”とのたまう球界の盟主の陰湿な舞台裏も垣間見える。

なにはともあれ、途中でやめられなくなる一冊であり、清原への視線が変わる一冊でもあった。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

NHK ドラマスペシャル 白洲次郎 第2回

Story021 NHK ドラマスペシャル 白洲次郎  第2回

第2回目は武相荘での農作業シーンから始まった。タイトルは「1945年のクリスマス」。白洲次郎のことを少しでも知っている向きなら、すぐにピンとくるエピソードに結びつくだろう日である。一方、赤紙が届いた折、辰巳栄一に頼んで召集令状を握りつぶしてもらった所作。今回のドラマは単なる礼賛ではないつくりだと何かで読んだ気がしたが、最終回となる第3回のタイトルが「ラスプーチンの涙」とはタイトルひとつをとっても随分と毀誉褒貶な趣を感じる。

WBC東京ラウンドの剣が峰である韓国戦が朝日放送で放映されていたので、わが家のTVの新機能である2画面表示で対処。野球中継のやたらに明るい背景に比して、戦時中のシーンは特に暗めに感じた。これも映像美の重視か。

次回は8月放映ということで、ずいぶんと間が空く。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

シャガール 週刊西洋絵画の巨匠 第6号

Shaga シャガール 週刊西洋絵画の巨匠 第6号

まだまだ日本で人気の作家が続きます。リトグラフ作家であったこともあり、その作品は1万を超えるというシャガール。バブルの頃、私の身の回りにも普通のOLがシャガールを購入したといった事例がありました。とはいえ決して安い買い物ではなかったはず。ご本人曰く、「買ってはみたものの、それにふさわしい置き場所(飾る場所?)に困ってしまった」とのこと。

そんな死後の喧騒とは無縁な時代にあって、その幻想的な画風と相反するように長命な中にあっての苦悩、苦闘を抱えた作家の生涯に想いをいたすひと時を本書はもたらしてくれました。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.03

わが家にデジタルがやってきた

Logo1 といっても新しく薄型TVを購入したわけでもなく、いまやレトロまるだしのブラウン管TVのままなのですが、J:COMのデジタルコースにアナログコースから切り替えたら地デジほかの多チャンネルが見え放題となりました。無料のVOD(ビデオ・オン・デマンド)がHDDの操作感覚風で面白い。そして何よりキレイ。10年以上酷使してきたTVなのに別モノみたいです。

チャンネルが多すぎてまだ感覚的に慣れていないのですが、無理して地デジ対応TVを買うことも無いんやなぁ、とそれこそ感覚的に認識した次第。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

2009.03.02

NHK ドラマスペシャル 白洲次郎

Story011 NHK ドラマスペシャル 白洲次郎

演出は大友啓史氏。「ハゲタカ(TV&映画)」、「ちゅらさん」そして来年の福山龍馬。極端ではないにせよ映像美にこだわる演出がどのように受けとめられるか。わが家では少々不評。

文平の派手な傘などケレン味たっぷりな派手派手しさも楽しめた。さて、百恵ちゃんの歌でこだわったNHK因縁のポルシェに次郎は乗車するのか。レンジローバーやソアラは?Cast041

原田芳雄演じる吉田茂。誰が演じているのか、皆目見当がつかなかった。

| | コメント (0) | トラックバック (2)

2009.03.01

MODEL GRAPHIX 2009 4

61zhiiqxygl_sl500_aa240_1 MODEL GRAPHIX 2009 4  大日本絵画 ¥780

特集はプラモデルから縁遠い存在となって久しいF-1。1/20からTAMIYAが距離をおくようになって何年も経つが、F1ビジネスにおいて動くマネーのロットの大きさが、「プラモなんか」って扱いになってしまったことが最大の原因。個人的にはF-1は作ったことは無いものの、こういった状況には歯噛みする。田宮社長へのインタビューは読むのもちょっとつらい。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

DVD リアル鬼ごっこ

41jino7mqyl_sl500_aa240_1 DVD リアル鬼ごっこ

子供たちの間で「メッチャこわい」と話題になっているとかでレンタルしてきました。設定が子供だましと言えばそれまでなんでしょうが、結構ドキドキさせてくれました。とはいえ、Amazonのコメントはずいぶんと辛口。

<Amazonより>

日本で最も多い名字“佐藤”姓の人々が、全国で相次いで亡くなるというニュースが世間をにぎわせていた。ある日、不良高校生の佐藤翼は、対立する不良グループとの追走劇の最中に異世界へと紛れ込んでしまう。そこでは“佐藤”姓の人々が王の仕向けた鬼に追われ、捕まると殺される鬼ごっこが行われていた。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

DVD シッコ

51n4mi2nuil_sl500_aa240_1 DVD シッコ

マイケルムーア監督作品。「社会主義的な医療制度」という亡霊に取り憑かれたアメリカ人は、公的な医療保険制度を蛇蝎のごとく嫌う。それが何を意味しているのかすら理解しないまま。

悲惨な米国の現実を取材した後、監督はキューバ、カナダ、イギリス、フランスへ。自らが道化役に扮しての直撃取材。

<Amazonより>

突撃取材で知られるマイケル・ムーア監督が、米国の医療問題にザックリとメスを入れた衝撃のドキュメンタリー。
 国民健康保険が存在しない米国では、民間の保険に加入することがベストだと思われているが、実際は保険会社は利益重視で、いざ保険金となると、過去の病歴をあげ、手術を実験的だと判断し…と、できるだけ保険金がおりないように画策する。そして何人もの人間が命を落としていく。入院費用が支払えないからと病院を道に捨てることもある!と、驚くような米国の医療問題を悪質な医療制度の被害者の取材から、ムーアは切り込んでいく。
 政治家と保険会社の癒着、ニクソン時代に遡った医療制度の問題点などを赤裸々に映像で語り倒し、そしてフランスやイギリス、キューバなどの充実した医療制度を比較する。ムーアの視点はあまりにも一方的な危なさはあるが、見て見ぬふりをしてきた問題を掲げる勇気は立派だ。ただ医療制度を変えることができないのはなぜか、政治家と保険会社の癒着だけが問題なのか、疑問点は残る。マシンガントークのような映像とナレーション、そのわかりやすい演出に圧倒され、まるごと信じてしまいそうになるが、見ている方にも冷静さは必要かもしれない。とはいえ、わが国と比べたり、調べたり、もっと知りたいという意欲にがる、いろいろ考えさせられる映画であることは確かだ。(斎藤香)

| | コメント (0) | トラックバック (0)

週刊世界百不思議 創刊号

100 週刊世界百不思議 創刊号 講談社 ¥190

これも週刊百科の創刊号。ただ、薄い冊子の割にテーマが散漫。漱石が何年も希望していた幽体離脱体験をとても喜んでいたという下りが興味深い。

やっぱり創刊号はお得ですね。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

ダブルクォーターパウンダー・チーズ

Dqp ダブルクォーターパウンダー・チーズ

ティーザー戦略を取った「幻のバーガー」も今や多くの店で並ばずに食べられるようになった。

もっと吐くほどデカイのかと思っていたが、見た目は意外にフツー。が、油断してはならない。中年以上の日本人にとってはやはり手強い兵(つわもの)であった。

でも、中学生か高校生の頃の記憶なんですが、日本でも一時期クォーターパウンダーって売ってたように思います。帰国子女か留学帰りの友達が、「これがモノホンなんじゃ」みたいなことを言っていたようにもうっすらと記憶が。

Dqp_t

・・・ということだそうです。

| | コメント (2) | トラックバック (0)

巨眼の男(上)

514j11g9acl_sl500_aa240_1 巨眼の男(上) 津本陽 新潮文庫 ¥620

この著者の書は以前に南方熊楠の伝記を読んだことがあるが、そのときの印象はそんなに悪いものではなかった。むしろ熊楠に関する興味をよりかき立ててくれたように思う。

ところが本書ではあまりそのような感銘が生まれない。ことに前半は読み続けるのが鬱陶しくなるほどだった。舞台が京都に移った辺りから、展開が急なことも手伝ってか躍動感が出てきてようやく期待がもてるようになってきた。

ベストセラー作家だけに、こんな風に感じるのは自分だけかと思ったが、Amazonの書評は結構辛口。そこまで言わんでもいいのに。

西郷先生の生涯を是非とも追体験したいので、ともかく読み進めます。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

京大M1物語

310yky17kwl_sl500_aa204_1 京大M1物語 ビッグコミック 稲井雄人 ¥540

東大を出たものの、ちょっとした事情で京大大学院の動物民俗学を専攻することとしたオトコが主人公。「頭はいいけど、どこにも居場所のないヒネクレ者」の生態がシュールに描かれている。およそ世間一般の価値観とは乖離した世界。

とはいえ、食うや食わずの浮世から眺めれば、「国費を食いつぶす非国民」といったところでしょう。どんなものでもマンガのネタにしてしまう時代。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

45歳からのクルマ選び

517ss7zpx2bl_sl500_aa240_1 45歳からのクルマ選び 小学館 石川真禧照 ¥1,470

本邦初の年齢別クルマ選びの書、とのこと。カーメーカーは長年依ってきたこのような単一ライフサイクルに沿った車両買換モデルに沿ったマーケティングからはすでに脱し、多様なライフスタイルに基づくマーケティングに移行していると思われるが、一部のカージャーナリストの間では、依然として「年齢」が大きなキーになっているらしい。

とはいえ、通勤帰りを楽しいものにすべく購入した書であり、その思惑通り楽しいひと時を過ごすことができた。私自身、40代半ばで本書を手に取る資格は十分にありそうだったものですから。

高齢者とはっきり言い切れないだけに、婉曲ながら安全装備に関する記述にページの多くを割いている。一方、輸入車の紹介のウェイトが高いのは、こういった本では仕方がないのかもしれないが、夢を見る分には面白いものの現実離れしていて却って興ざめ。街中でも滅多に見かけない車を教えてもらってもなぁ。一方で、コンパクトとか軽もそれなりに載っていて、よくいえば図鑑風ではあるものの、総花的。

とか批判的なことを書き連ねてはいるものの、年を取りきれないオッサンにとっては堪らない内容なんですな。

| | コメント (0) | トラックバック (0)

« 2009年2月 | トップページ | 2009年4月 »