レッドゾーン (下)
レッドゾーン (下) 真山仁 講談社 ¥1,785
とても読みやすいだけに上下巻それぞれ1日で読み切ってしまった。この人の小説は、どれも途中でやめられなくなる勢いというかテンポがある。
一方で、バイアウト(ハガタカII)でも感じたが、中盤までで話を広げ過ぎたツケを終盤で払うこととなり、ハッピーエンドあるいは希望が見える筋道をつけるところに持っていくため、ずいぶんと強引なストーリーの組み立てとなる。話は大きければ大きいほどよい、といったところだろうが、ホラと現実の見極めがつかないような絶妙の設定、組み立てを見せ続けてくれた故マイクル・クライトンが、同様の題材を取り上げていたらどのように料理したか、などとも考えてしまった。
小説にリアルさを求める向きには、特に終盤は白けてしまうように感じられるかもしれない。あくまで、今日的テーマを孕んだエンターテインメントとして楽しむべきなんでしょう。
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