映画 劒岳 <点の記>
今朝、最寄りの劇場へ。やはりというべきか、年配者が多かったように感じる。
敢えて原作から離れる箇所もあったが、原作ではイメージしづらかった箇所も映像になると曖昧さが排除される。よきにつけ、悪しきにつけ、”キャメラマン”木村大作その人がそのまま作品となった形がこれなのであろう。映像美とともに小道具他の本物へのこだわりは徹底しているように感じた。このため興ざめシーンは全くなかった。
音楽。有名なクラシック(バッハもクラシックとみなして)のみで構成することが早々と決められていたとのことだが、同じ重厚なオーケストラによる音楽であっても「八甲田山」のようなオリジナル曲を用いなかったがゆえに日本的な旋律ではないところが特徴的であった。クライマックスでヘンデルの「サラバンド」が被されたが、これはイラク戦争を扱ったブライアン・デ・パルマの「リダクテッド」でも繰り返し使用されたテーマソングだけに、「荘重」というよりも「不条理」を連想してしまった。最近の問題作だけに関係者の間で、「かぶる」ことが取りざたされなかったとは思えないのだが。・・・サントラCDがついているバージョンのパンフレットを購入した。
中学生時代に見た「八甲田山」や「聖職の碑」に比して、若干の物足りなさを感じるのは、犠牲者が出なかったことによる衝撃度の低さにあるとすれば、私の感受性が鈍ってきたことの証左かもしれない。
明治。それは多くの誇り高き日本人がいた時代だった。
| 固定リンク
「映画・テレビ」カテゴリの記事
- フランクル『夜と霧』 2012年8月 (100分 de 名著)(2012.08.13)
- 【DVD】 ダークナイト(2012.08.02)
- 【DVD】 バットマン ビギンズ(2012.07.29)
- 【映画】 ダークナイト ライジング(2012.07.29)
- 【映画】 GIRL(2012.06.17)
「書籍・雑誌」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- 巨額年金消失。AIJ事件の深き闇(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
「心と体」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
- 和尚(ラジニーシ)の超宗教的世界―トランスパーソナル心理学との相対関係(2012.08.25)
「日記・コラム・つぶやき」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- 巨額年金消失。AIJ事件の深き闇(2012.09.08)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
「旅行・地域」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- ビー・ヒア・ナウ―心の扉をひらく本(2012.09.08)
- 和尚(ラジニーシ)の超宗教的世界―トランスパーソナル心理学との相対関係(2012.08.25)
- 図解 大阪維新とは何か(2012.07.29)
- 禅とオートバイ修理技術〈上〉(2012.07.29)
「歴史」カテゴリの記事
- 華厳の思想(2012.09.11)
- マインドフルネス(2012.09.02)
- タオ自然学(2012.08.25)
- 人口論(2012.08.13)
- グルジェフ・ワーク―生涯と思想(2012.05.07)
この記事へのコメントは終了しました。
コメント