月刊 Model Graphix 12/2009
もうはや12月号ですかい。
特集は「『ドラマティックレイン』F1クライマックス1976日本GP」。日本で初めてF1が開催された日。激しい雨の中、地獄の大事故から生還した不屈のニキ・ラウダ/フェラーリをジェイムズ・ハント/マクラーレンが猛追。タイレルのP34/シックスホイーラーに、スポット参戦した日本人ドライバー、殊に型遅れマシンで一時は3位に浮上した”日本一早い男”星野など、見どころ満載のシリーズ最終戦だった。
そんな中での主役はコジマエンジニアリングKE007。F1を作ったことがない日本のプライベーターのマシンを、F1をレースで操ったことがない日本人ドライバー/長谷見昌弘が予選4位。大騒ぎ。
フジミから出ていた1/20のレジン(!)キットが作例だが、コジマエンジニアリング代表の小嶋松久氏へのロングインタビューをはじめ、チーフデザイナーの小野昌朗氏、ボディデザイナーの由良拓也へのインタビューも採録。
この雑誌の凄いところは、F1がテーマであれば、モーターサイクル誌でもここまではするまい、というところまで掘り下げた徹底的な構成を取るところにある。同様に、戦史・兵器であれば戦史、歴史専門誌の及ばぬ、アニメであればアニメ専門誌でもついてこれない理屈っぽさを貫く。一方でこれは、奔放さにも繋がっている。過去に企画されたⅣ号や74式の発展可能性を模型で探るイベントなどは、およそアーマモデリングではみられないワクワク感があった。
こういった突き抜けたマニアックさはホンモノへ繋がる。それがゆえに村上隆氏や宮崎駿監督も誌面に大きく登場するのだろう。宮崎カントク連載の「風立ちぬ」では、九試単戦とBf109が同じ1935に進空した事実と、その後の落差、焦燥、諦観がみごとに描かれていた。
ワクワク感といえば、ファインモールドの新作、三式中戦車(長砲身型)のボックスアート、恐らくは高荷画伯の手になると思われるが、にはシャーマンを撃破して進撃する三式の堂々たる、しかし悲壮な雄姿が描かれているが、遠景には国会議事堂が見える。さながら、ベルリンで最期まで死闘を繰り広げたケーニヒスティーガーの如きである。こういった高揚感こそが欲しいのである。
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