物質のすべては光
物質のすべては光 フランク・ウィルチェック 早川書房 ¥2,415
なんだか怪しげと捉えられた向きもあろうかと思いますが、著者はノーベル物理学賞受賞者。ただし少々やんちゃ者。複雑な数式は用いず、むしろ文学的な表現が散りばめられて肩が凝らぬように意が尽くされています。とはいえ、アタマを柔らかくしておかないと「ぽかん」としたまま読み終えてしまうこととなるでしょう。
<Amazonより>
磁力や重力を思い出せばわかるとおり、物体のあいだに働く力はふつう、互いに離れるほど弱くなる。離れるほど引きあう力が強くなる、そんな作用を考えるなんて馬鹿げていると皆は言ったが、その「漸近的自由性」を実際に見つけた本書の著者は素粒子物理学を大きく前進させることとなった。素粒子物理学の最先端では、常識を超えた考え方が往々にして現実化する。その世界の第一人者であるウィルチェック博士が、物質の質量の起源などホットかつ根源的な話題をさまざまに盛り込んで語る本書を読むことは、理論物理学者の天才的な発想を垣間見つつ、宇宙のもっとも基礎的な階層の秘密に分け入ることにほかならない。彼が開いてみせるめくるめくヴィジョンは、「否定されたはずのエーテルに満たされ、物質と光の区別のない宇宙」だ……2004年度のノーベル物理学賞をはじめとしてさまざまな賞に輝く理論物理学者が、大胆かつユーモラスに先端科学を説く。
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