ノモンハンの真実
ノモンハンの真実 古是三春 産経新聞出版 ¥2,100
副題は「日ソ戦車戦の実相」。著者は元日本共産党職員。でありながら、軍事、戦記関係誌にライターとして寄稿していたというから、まさに異色の存在であったのだろう。
「ノモンハン」と言えば、惨敗、あるいは航空戦だけは圧勝、といった印象で語られることが多いが、副題に実相と記されているぐらいであるから、これまでの俗説に疑問を投げかけるところから始まる。
全滅した部隊があったり、BT5やBT7への肉弾攻撃の衝撃が強いことから、前半戦での戦車部隊の善戦などは隅に追いやられてしまうが、史上初の戦車部隊による夜戦など瞠目させられるところが多い。少しばかり修飾語が激しい箇所が気になるが、これはこれで高揚感が盛り上がるので読み物としての民族的カタルシスには好都合である。戦車隊員の高技量に支えられた95式ハ号から繰りだす遠距離射撃、精強なる陸軍歩兵。また、敢闘精神旺盛なソ連軍兵士、スペイン内戦から転戦してきたソ連軍エースたち。
実相は時間的、地理的に遥か彼方にあるのだろうが、小説や俗説に語られるよりも、この書で随分と近づける。資料性の高い写真も数多く挿入されている。
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