学問・資格

2009.07.05

ブラックスワン(上)

41ji0pc2bz6l_bo2204203200_pisitbsti ブラックスワン(上) ナシーム・ニコラス・タレブ ダイヤモンド社 ¥1,890

一昨年の全米ビジネス書のNo.1ベストセラー。グリーンスパンの自叙伝を抑えての快挙。皮肉にも1年後には別の意味で、グリーンスパンを抑え込むことにもなった。

経済書のつもりで読み始めたが、哲学書の類であり、また著者の思考実験過程の軌跡であることに気づく。ずいぶん毒舌、独断、そして偏見?

好き嫌いがはっきりする本のようにも感じるが、考えさせられることは間違いない。

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2009.06.07

最新監査事情

41gkt2b1mu2l_sl500_aa240_1 最新監査事情 川口勉 税務経理協会 ¥2,415

副題は「監査実務『エンロン後』の進化」。ほんとうに進化したかどうかは意見が分かれるところであろうが、大きな変化がみられたことには異論はなかろう。著者は、カネボウ事件をきかっけに解散したみすず(中央青山)監査法人の元代表社員。現在は太陽ASG有限責任監査法人代表社員とのことだが、まさにこの激変の渦中に身を置いた方なのであろう。

<Amazonより>エンロン事件やカネボウ事件の影響を受け、近年とみに進んだ「厳格監査」化。導入された新制度、監査業界の変化、高額化する監査報酬…多種多様に変わりゆく監査実務の激流を、ここにとらえる。

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2009.06.03

名著で学ぶ戦争論

51gdcyfwvvl_sl500_aa240_1 名著で学ぶ戦争論 石津朋之 日経ビジネス人文庫 ¥800

古今東西の戦争論に関する名著50冊を厳選。原則として2,000字以内で解説。孫子、カエサル、甲陽軍鑑からマハン、毛沢東そして戦後の名著まで。しかし、やはりクラウゼヴィッツの右に出るものはなかったようで。

こういった書が「日経ビジネス人文庫」から出ることが時代なんでしょうか。

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2009.05.09

思考の整理学

51z8bm2bldql_sl500_aa240_1 思考の整理学 外山滋比古 ちくま文庫 ¥546

  • キャッチコピーは「東大・京大で一番読まれた本」。私自身は東大・京大よりも偏差値的にかなり入学しやすい大学を卒業したのですが、そんな私でも気軽に読める書きぶりです。エッセイ集ですが必ずしも思考に関するテーマばかりが並んでいるわけでもありません。通勤通学の帰途に十分読めます。

グライダー人間と飛行機人間

「時の試練」天才青年作家による大正時代のベストセラー、島田清次郎「地上」は忘れ去られ、当時は評価の分かれていた夏目漱石は明治の文豪と呼ばれ押しも押されぬ存在に。

「象は鼻が長い」日本語の二重主格。意訳せずに英訳できるかな?

inbreeding:桃太郎は「流れ者の女」が産んだ子。また、その重要性を説いている。

「われわれ日本人の交友は多く主情的である。酒食の座を持たせることはできるが、知的饗宴を長く続けることは得意でない。」

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2009.04.29

日本の難点

41bazhonal_sl500_aa240_1 日本の難点 宮台真司 幻冬舎新書 ¥860

書名を見た際、文藝春秋の「日本の論点」のパロディだろうと感じたが、宮台版ひとり「日本の論点」を意識した趣旨の記述があとがきにあった。

著者のことを詳しく知るわけではないけれど、ひとりで様々な論点を串刺しするという目的は達せられたのだろうか。社会学やその最先端のアプローチを理解しないまま、読んでも十分に理解できる内容、書きぶりで高度な知見が披瀝されているように受け止めたが、結局は知的な独裁が展開されているように感じた。「日本の論点」との紙幅、体裁の違いは大きなハンディキャップだろうが、「論点」は一つのテーマに関して真逆の論者を立てているし、個々の論点における専門度(権威と言うべき人も多いのだろうが)、深みも差がある。「難点」と称して小論点を羅列するならば、それぞれの論点の関係性を簡単でも構わないので、「接続詞」として連結、あるいはビッグピクチャーを示して欲しかった。

Google時代にひとりで世界を斬ろうとする姿勢は、現代の知の巨人を目指すのか、敢えてドンキホーテ役を買っておられるのだろうか。おそらく後者なのだろう。

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2009.04.26

成功法則は科学的に証明できるのか?

51ixzd8qval_sl500_aa240_1 成功法則は科学的に証明できるのか? 奥建夫 総合法令出版 ¥1,470

著者は量子力学を背景とするナノテク研究者。滋賀県立大学教授。

このような見識、立場をもった著者の手になる心の科学。エネルギーの物質化、現時点での科学の到達度を踏まえた最先端の理解。

思考が現実化するという認識は、少なからぬ人が確信を持ちながらも「口に出したら笑われそう」と感じていることだと思うが、そういった認識を最先端の科学的アプローチで説き起こしてくれるわけです。一方、「思うだけで夢がかなうわけがないだろう」と感じている人の方が圧倒的に多いことも想像に難くない。恐らくは、そういった人たちは「強く念じる」とか「願望を抱え続ける」経験に欠落しているのだと想像するが、こういったことはいくら説明したところで、身をもっての体験を蓄積していかないことには納得感を得られないものなのだろう。その点、弱冠十代にしてテクニカルなものを含めてそのような体験を経ることができた私自身はとても幸せだと感じている。

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「稼げる」弁護士になる方法

51ncllyr2bbl_sl500_aa240_1 「稼げる」弁護士になる方法 鳥飼重和 すばる舎リンケージ ¥1,575

著者は会社法などいわゆる企業法に関する著書も多い有名な弁護士。ベストセラーになった「豊潤なる企業」や最近では税務訴訟に係る著書を読まれた方も多いのではなかろうかと思う。私自身、一度、会社法に係る講演を聞いたことがあるが、時間的な制約もあってか枝葉に一切こだわらぬ講演スタイルを新鮮に感じた記憶がある。

これだけのカリスマ弁護士が、司法試験に通算18回落ちて、司法試験合格が39歳、弁護士になったのが42歳とのこと。凡人にとっては一気に親近感が湧いてきます。

回り道をしてこられた著者ゆえ、本書の中には小賢しいテクニックは殆ど見当たりません。当り前のことをキチンと徹底的に貫徹することを訴えています。しかし、一方で青臭い理想論だけでは済まされないことも示されており、中には一見非情とも思える項もありますが、それとて長い目で見れば関係者の皆にとって納得のいくものとなる説明が付されています。

弁護士や法曹を目指す人はもとより、弁護士でない人(私自身、そうです)にとっても、とても含蓄に富んだ一冊となろうと感じました。

「チャンスはチャンスの顔をしてやってこない。」

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2009.04.12

多読術

31hpscsqkyl_sl500_aa240_1 多読術 松岡正剛 ちくまプリマー新書 ¥840

ネットを利用している本好きならこの方を知らぬ者はいるまい、というくらいに有名な松岡”千夜千冊”正剛氏の読書哲学。編集工学研究所長だけあって、氏は読書をまさに編集作業であると説く。好きなように読めと言っているようで、そうでもなく、もちろん堅苦しいものとして定義するものでもない。融通無碍というか、少々掴みどころがないというか。ただ、本そのものや本を巡る環境への慈しみは痛いほど伝わってくる。

<Amazonより>

内容紹介
読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者、松岡正剛の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介しながら、達人による多読のコツを伝授します。「棚から選書する方法」「読書する場所」「最初に読むべき頁」等々、そのコツは多岐にわたります。本書を読んで、あなたに適した読書スタイルを再発見してみてください。

内容(「BOOK」データベースより)
読書の楽しみを知れば、自然と本はたくさん読めます。著者の読書遍歴を振り返り、日頃の読書の方法を紹介。本書を読めば自分に適した読書スタイルがきっと見つかります。読書の達人による多読のコツを伝授。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
松岡 正剛
1944年、京都府生まれ。編集工学研究所所長、イシス編集学校校長。科学から芸術におよぶ多様なジャンルに取り組み、その研究成果を著作・映像等として発表。独自の視点による情報文化論、日本文化論に定評がある。インターネット上で壮大なブックナビゲーション「千夜千冊」を展開中(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009.04.11

なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学

51wew2ovp3l_bo2204203200_pisitbstic なぜ世界は不況に陥ったのか 集中講義・金融危機と経済学 日経BP  池尾和人/池田信夫 ¥1,785

”池池コンビ”の手になる福沢諭吉翁唱する「半教半学」の書。昨秋以来の金融危機、経済危機を解説しつつ、それらを素材に最新の経済学のトレンドを紹介してくれる。私自身、今や大学(少なくとも大学院では)では教えなくなったIS-LMで育った世代なのですが、日々目にする新聞記事も旧態依然とした書きぶりだけに、その実態に失望を重ねている人たちも世間には少なからずおられることも思い知らされた次第。

対談形式なので、肩が凝らずに読める一方、「へ~」と感じることも多く”お得感”が印象として残る書でもありました。

”池池コンビ”だからといって、決して”イケイケ”な内容ではありませんので念のため。

<Amazon>

内容紹介
日本の知的レベルの劣化については、既に多くの識者が警鐘を鳴らしている。未曾有の世界同時不況に直面した現在、各国の対応を見てみると、彼我の「格差」がよくわかる。各国の政治家、官僚、学者、そしてマスメディアは何を問題とし、どんな論議をしているのだろうか。それに対して、わが日本は?
ケインズは『一般理論』の結びで、世の政治家や実業家は何十年も前の古い経済思想の奴隷であると書いた。本書は、「市場原理主義」か否かといったメディアが好む粗雑な議論を排し、世界標準となっている経済学の知識をわかりやすく政治家、官僚など政策に携わる人々に提供しよう狙いで、2008年末に4回にわたる対談を行い、緊急にまとめたもの。
池田氏が主に聞き手となり、池尾氏が講義するという形になっている。
内容は今回の経済危機の分析だけにとどまらず、マクロ経済学の新しいコンセンサス、エージェンシー問題、コーディネーションの失敗、政策の時間整合性など経済学的知見をフルに活用して、日本の「失われた10年」の原因分析も含めて説明している。

内容(「BOOK」データベースより)
古い経済思想に囚われている政治家・官僚・ジャーナリストのための「世界標準」の経済学講義。

著者について
池尾和人(いけお・かずひと):
慶応義塾大学経済学部教授。1975年京都大学経済学部卒業、80年一橋大学大学院経済学研究科博士課程修了。岡山大学、
京都大学を経て94年慶応義塾大学経済学部助教授に就任。
95年から現職。経済学博士。著書に『日本の金融市場と組
織』『現代の金融入門』『開発主義の暴走と保身』など。

池田信夫(いけだ・のぶお):
上武大学大学院経営管理研究科教授。1953年京都府生まれ。
東京大学経済学部を卒業後、NHK入社。1993年退職後、国際
大学GLOCOM教授、経済産業研究所上席研究員などを経て現
職。学術博士(慶應義塾大学)。著書に『電波利権 』『ウェブは資本主義を超える 』『ハイエク 知識社会の
自由主義 』など。

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2009.04.05

独学という道もある

51c82bomzil_sl500_aa240_1 独学という道もある 柳川範之 ちくまプリマー新書 ¥735

著者は東京大学大学院経済学研究科准教授。昨年度、「法と企業行動の経済分析」で第50回日経・経済図書文化賞を受賞された方と聞けば、「あぁ」と思われた向きもおられようとは思いますが、私は同書を書店で手にしたものの、その難解さゆえに購入をあきらめたクチです。

本書は中高生を想定して書かれたもののようで、前掲書とはまったく異なり平易な書きぶりです。とはいえ、決して上から目線ではないところに好感を抱かずにおれません。

著者の経歴(詳細は記しませんが大変ユニークです)こそが本書の説得力の源泉ですが、下記の見解は若者以外にも意義深く響くことでしょう。

  • 大学院は人生設計の方向転換の場所であるべき。社会人であっても、同様。
  • 研究者はいい論文を書ければよく、必ずしも理解のスピードは問題ではない。それゆえ、受験勉強で求められる資質とは、実は異なった才能が求められている。

<Amazonより>

内容(「BOOK」データベースより)
高校へは行かずに、独学で大学へ進む道もある。通信課程の大学で学び、学者になる方法もある。レールはひとつではない。世界の価値観は多様だ。自分のペースで学び、生きていくためのヒントと勇気をくれる一冊。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
柳川 範之
1963年生まれ。慶應義塾大学経済学部通信教育課程卒業。東京大学大学院経済学研究科博士課程修了。経済学博士(東京大学)。現在、東京大学大学院経済学研究科准教授。契約理論や金融関連の研究を行いつつ、自身の体験をもとに、おもに若い人たちに向けて学問の面白さを伝えている。著書に『法と企業行動の経済分析』(第50回日経・経済図書文化賞受賞、日本経済新聞社)など(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2009.03.22

犯罪心理学

51qex22s21l_bo2204203200_pisitbstic 犯罪心理学 PHP研究所/福島章 PHP研究所 ¥1,260

ひとことで「犯罪」と言っても、その定義、類型、予防手段など広がりは大きく、ましてや究極のところはどうやっても捉えどころのない「心理」をどう扱うのか。この書では一般向け雑学として、実際的にわかりやすく整理してくれています。こういった「常識」を少しでも身につけているだけで、日ごろ接するニュースへの理解が相当に深まるでしょう。

一方で、自身の心の中に垣間見ることができる犯罪の萌芽に愕然としたりもすることになります。

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読めそうで読めない間違いやすい漢字

51b9e0htall_sl500_aa240_1 読めそうで読めない間違いやすい漢字 出口宗和 PHP研究所 ¥500

立ち読みを何回か繰り返した挙句、結局、購入してしまいました。通勤帰りの車中で頁を繰っていたのですが、前半はともかく中国古典の教養を前提とした最後の方はお手上げ状態。

漢字が読めない首相、難読文字を取り上げたTVバラエティ番組、はたまた乱脈経営が取りざたされる漢検など、漢字を巡る話題に事欠かない昨今ではありますが、ここは素直に自らの不明を恥じる次第。

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2009.03.14

知識ゼロからのマルクス経済学入門

517gmtogtul_sl500_aa240_1 知識ゼロからのマルクス経済学入門 弘兼憲史 幻冬舎 ¥1,365

「課長(~社長) 島耕作」のコマをセリフを入れ替えつつ流用しながら、マルクス経済学やマルクスそのものを説く。文章半分、マンガ/図解半分。

わかりやすさや親しみやすさ最優先の編集なので、楽しく読めたという読後感。ただ、マル経を学ぼうという視点から見れば、せいぜいが高校生か中学生向けといったところでしょうか。書きぶりの難易度も中学生の教科書と高校生のそれの間くらい?

今回、この幻冬舎の「知識ゼロからの」シリーズ、相当な蓄積があることを初めて知りました。幻冬舎って話題性狙いだけの出版社、なんて偏見を改めなければなりませんね。

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2009.03.11

学歴分断社会

41cpbdveayl_sl500_aa240_1 学歴分断社会 吉川徹 ちくま新書 ¥777

格差論が台頭してはや10年、最近は沈静しつつあるが世間の関心が貧困に移りつつあるだけで格差が解決したわけではない。「勝ち組」、「負け組」に二分されることが多いが、意外に学歴を絡めた展開にはならないと著者は問う。実力主義、能力主義が前面に出てきたことにより、必ずしも難関大学を優秀な成績で卒業したからと言って一生安泰ということがなくなってきたとの背景もあるのか。

同世代に占める高校卒業者の割合は、1970年代半ばに90%を超えてから横這い、すなわち安定化している。同様に大学卒業者の割合は、1980年代に40%台でいったん落ち着き、その後1990年代半ばからやや上昇し、50%をわずかに超えた辺りで横這いとなっている。大学全入、ユニバーサル化の環境にあって、これ以上の上昇は無かろうと言われている。

この結果、どういった社会が出現しつつあるか?

<答え>日本は、大卒と高卒(非大卒)が、ほぼ半数を占める「学歴分断社会」となる。

少々ゾッとする二極分化社会である。これだけはっきりと二分化する属性は性別くらいしかない。院卒や中卒もいるにはいるが、決してマジョリティ化するわけではない。例えは無分別だが、ゲイやレズといったホモセクシャルな人たち程度の比率だろうか。そして、大卒のある人が自身の周囲を見渡すと、周りの人たちもみな大卒。一方、高卒のある人が、近しい人たちの顔を思い浮かべても、やはり高卒。見えない壁に仕切られた「分断社会」がそこにはある。

子育て世代は必読です。

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2009.03.09

超訳『資本論』

51nogkdq0l_bo2204203200_pisitbstick 超訳『資本論』 的場昭弘 祥伝社新書 ¥882

「資本論」第1巻の入門書あるいは導入の手引といった位置づけの書。しょっちゅう話題には上るものの、どれほどの数の人が読破した経験を持つのか、と著者が問うように「わかっているようでわかっちゃいない」マル経。

「蟹工船」がベストセラーになったり、共産党に入党する若者が増えるなど、「格差」に対する憤懣が渦巻く現在。実は、資本主義が究極の状態に至る以前に、共産主義革命は起きてしまったのではないか?インターネットに象徴されるITと金融工学の進化こそが、資本主義社会を究極のレベルにまで引き上げつつあるように感じる昨今、マルクスが長い眠りから目覚めつつあるのかもしれない。・・・ただ単に、近代経済学の巨匠が唱えてきた説を次々と試してみたもののネタ切れになりそうなんで、気の早い人にマルクスが担ぎ出されつつあるだけかもしれませんが。

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2009.03.01

京大M1物語

310yky17kwl_sl500_aa204_1 京大M1物語 ビッグコミック 稲井雄人 ¥540

東大を出たものの、ちょっとした事情で京大大学院の動物民俗学を専攻することとしたオトコが主人公。「頭はいいけど、どこにも居場所のないヒネクレ者」の生態がシュールに描かれている。およそ世間一般の価値観とは乖離した世界。

とはいえ、食うや食わずの浮世から眺めれば、「国費を食いつぶす非国民」といったところでしょう。どんなものでもマンガのネタにしてしまう時代。

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2009.02.04

IFRS 国際会計基準で企業経営はこう変わる

516twdvso9l_sl500_aa240_1 IFRS 国際会計基準で企業経営はこう変わる PwC IFRSプロジェクト推進室/高浦秀夫 東洋経済新報社 ¥1,680

ここでもグローバル・スタンダードの津波が押し寄せようとしています。今日、1月28日に企業会計審議会で決議されたいわゆる「わが国で国際会計基準を導入するロードマップ」に係る公開草案が公表されました。本書は類書にありがちな専門書ではなく、専門家でない経営者・管理者でも目を通せるレベルに設定され、一方で要領よくIFRSを巡る全体像を描いているとの印象を受けました。また一つパンドラの箱が開けられようとしています。

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2009.01.31

自分に気づく心理学

316938211 自分に気づく心理学 加藤諦三 PHP研究所 ¥500

コンビニでは結構な種類のワンコイン書籍が並んでいますが、一般の書店にカバーつきの装丁もしっかりした堅めのこういった書籍が500円で平積みされているのは少し驚き。ここにもデフレの二段底が潜んでいるのか、などとは思い過ごしでしょう。

幼少期の「甘えの欲求」が満たされているかどうか、が重要なテーマとして通底されているのですが、読みが深いというべきか、学術的な裏づけがあるためか、裏の裏を突いた説きに、深く頭を垂れることになりました。まるで、自分自身のことを責められているように感じられ、読み進めるのも結構重い足取りです。

いやはや値打ちのあるワンコインでした。

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日経 経済教室セレクション I

41qfros2fwl_sl500_aa240_1 日経 経済教室セレクション I  日本経済新聞社編 日本経済新聞出版社 ¥2,940

毎日、日経に載っている「経済教室」の3年分から83人/記事をセレクトし書籍にまとめなおしたもの。ひと昔前は「やさしい」経済教室というタイトルだったような気がするのだが。

コンテンツの二次利用に乗せられただけの購入なのですが、結局は新聞記事同様に関心がある項目しか読まないのでありました。

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2009.01.25

資本主義はなぜ自壊したのか

417urh3z4hl_sl500_aa240_1 資本主義はなぜ自壊したのか 中谷巌 集英社 ¥1,785

二十数年前、まだ中谷さんが阪大の助教授だったころに「入門マクロ経済学」は出版された。垢抜けた装丁もあってか、当時の学部レベルの学生は誰もが手にした定番教科書であった。目からウロコが落ちるような分かりやすさで、マーカーを引きつつ何度も読み返した。マンキューのテキストの焼き直しだ、などと陰口も耳にしたけれど、青春の想い出は美しくあってほしいなどと感じる。

そんな中谷さんが「転向」したと話題の書。経済書というよりも、歴史、民族、社会に係る記述が目立つ。今年に入ってから読んだ書籍でもっとも感銘を受けた一冊。

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2009.01.18

ZAITEN 2009/2

61ubh8rxqul_sl500_aa240_1 ZAITEN 2009/2 ¥600

かつて「財界展望」と称していた雑誌の最新号。特集は「薬剤師失業時代」。この時代、どこの世界もシビアですね。薬学部が6年制になったと聞いていたのですが、かならずしも4年制がなくなったわけではなく、国立ではむしろ4年制課程のほうが主流だとか。

この雑誌の巻頭には、有名企業の社長宅の写真が毎号デカデカと掲載されているのですが、こんなことやっててテロでも起きたらどうやって責任をとるつもりなんでしょうね。この雑誌の編集長以下、全編集者の住所、携帯を含めた電話番号一覧を自宅写真や家族写真と一緒に毎号掲載するぐらいの覚悟があれば別ですが。

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2009.01.07

エンゼルバンク (1) (4)

51ioiandkcl_sl500_aa240_1 エンゼルバンク (1) (4)  三田紀房 講談社 各¥560

東大合格請負人にして学園再建の切り札となった弁護士から、転職代理人へバトンタッチ。またもや定説、通説、常識の逆張り。でも、この人の絵、どうもデッサンが破綻しているように思えるのですが。特に顔面。

1巻目と既刊最新巻の4巻のサンドウィッチ攻撃!(何をどうのように攻撃しているのかは、打っている本人にも定かではありません。)

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2009.01.04

英語高速メソッド

51k346arx6l_bo2204203200_pisitbstic 英語高速メソッド 笠原禎一 新星出版社 ¥1,785

「笠原メソッド」本第一弾!だそうです。5-Step-listeningという日本語と英語を速度を変えて交互に聞かせる方法。「なんじゃそれ」って感じですが、一度聞くとはまってしまいます。そう知った上で英語本コーナーを覗くと、シリーズ化されたこの本が平積み、平積み、またもや平積み。ブームのようです。

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成功を呼ぶ7つの法則

51asxt3l1wl_sl500_aa240_1 成功を呼ぶ7つの法則 勝間和代 マガジンハウス ¥1,575

付録つきの自叙伝的ガイド。

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起きていることはすべて正しい

51sie5rzfvl_bo2204203200_pisitbstic 起きていることはすべて正しい 勝間和代 ダイヤモンド社 ¥1,575

  1. 脳内フレーム120%活用法
  2. 即断即決法
  3. パーソナル資産増強法
  4. 勝間式人間関係の兵法

「与えられた機会を最大限に活かす」

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2008.11.02

読書進化論

41nc9nn4awl_sl500_bo2204203200_pisi 読書進化論 勝間和代 小学館101新書 ¥777

新書ブームの殿とか最後を飾る、とか噂されている小学館101新書の第1弾のうちの1冊。読み始めてすぐに、「つくづく著者は読書が大好きなんだなぁ。」と感じ、「書籍愛」のようなものの印象を受ける。一方、後半は、書籍を売るためのマーケティングが語られ、ネット時代の読書、書籍のありかたを出版、書籍流通業界の現状に即して、あるいは自身の体験をテストベッドにして将来への布石を示す。

アマゾンの書評でも、必ずしもいわゆるカツマーの人ばかりでないためか、賛否両論ですが、「本をとことん読むなら、本を書かなきゃ。書く以上は、売る努力(ここでは考える努力のウェイトがかかるわけですが。)をキチンとしなきゃ。」というメッセージは新鮮でした。

確かに、本と競合するメディアの代表格であるネット上のブログも、読者の多くが書き手でもあるわけで、「人様のものを読む以上は、オノレもなんか書けよ。書いて初めて、”読む”ことに深みが生まれ、完成されるんだろう。」と著者が語りかけている(こんな下品な表現ではないけれど。)ようにも感じました。これも、下記の「思考レベル」や「行動」の重要性を踏まえた一貫したスタイルなんでしょうか。

  • 思考レベルの6段階「知識、理解、応用、分析、統合、評価」
  • 「やったかやらないかの差だから」・・・行動がいかに重要か、という意味あいのコメント。
  • 中高生時代の愛読書に、筒井康隆、星新一、半村良なんて名前が挙げられた点に大いに親近感。

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2008.10.29

週間東洋経済 11/1/2008

200809110000853811 週間東洋経済 11/1/2008  ¥690

特集「医療破壊」。医師といっても、開業医と勤務医では、まったく住む世界が違うみたいで、経営側と労働者側というべきか、そういった意味合いを超越した乖離、断絶が垣間見えます。・・・ヒドイ。

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2008.10.26

世界金融危機

31ufpnxoeil_sl500_aa240_1 世界金融危機 金子勝 アンドリュー・デウィット 岩波ブックレット ¥504

書店のポップ「とにかく売れています。」についフラフラと。でも、最近の金融危機に関して「どれか1冊」と問われれば、この本を推すでしょう。

この本を読んで、24日の深夜から25日の早朝にかけて放映された今月の「朝まで生テレビ」を観ていれば、昨今の世界経済の混乱ぶりの背景について、ひととおりの理解がつくようになるのではないでしょうか。・・・そんなに底が浅くないか。いやいや、けっこう単純な図式に描けるのでは。・・・果たして?。とはいえ、処方箋を作るのはこれからですね。

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竹中式マトリクス勉強法

41lcojtwh6l_sl500_aa240_1 竹中式マトリクス勉強法 竹中平蔵 幻冬舎 ¥998

小泉改革において金融担当大臣として辣腕を振るった竹中氏の著書。「竹中式勉強法9の極意」、「竹中式記憶勉強法5の極意」、「竹中式英語勉強法7の極意」、「竹中氏経済勉強法9の極意」、「世界に通じる勉強5の極意」と、(恐らくは編集者のアドバイスに「よると思われる)マジックナンバーが並びますが、内容はオーソドックスなものばかりで新味は、ほとんどありません。ただ、氏の実績こそが本書の説得力の源泉であることを考えれば、言を尽くして「学問に王道なし」と説いておられるのかもしれません。

ただし、中には「バカは何人寄ってもバカである」とか「簿記3級が分かれば、日本経済が分かる」など、暴論あるいはその人格、見識を疑われるような表現もあるのでご注意。

個人的に首を傾げたのは、「天井がある勉強」or「天井がない勉強」と「武器としての勉強」or「人と人を結ぶ勉強」の2×2のマトリクスで勉強の性格を整理するところからスタートするのですが、資格試験を「天井がある勉強」として片づけているくだり。合否、出題範囲の限定という定量化可能な勉強という意味で言わんとしていることはわかるのですが、資格取得の本質は、対外的には一定の能力の証明であるものの、勉強という視点から眺めた場合は、専門領域における「入り口」に立ったと位置づけるべきものであるはずでしょう。まさに「天井のない勉強」に参加するための「入り口」と言うべきではないか、と感じた次第です。竹中氏の説は、まさに悪い意味で使われる場合の「受験勉強」のスタンスを後追いしているように感じられた次第です。

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2008.10.20

格差はつくられた

41iacscrcql_sl500_aa240_1 格差はつくられた ポール・クルーグマン 早川書房 ¥1,995

いわゆるノベール経済学賞と呼ばれるアルフレッド・ノーベル記念経済学スウェーデン銀行賞(すなわち、いわゆるノベール経済学賞は厳密にはノーベル賞ではない。)の今年度の受賞者の著書。率直に言えば、話題に乗っただけの読書です。

原題は、"The Conscience of aLiberal"。

ブッシュ現大統領ら共和党のいわゆる”ネオコン”の政策を痛烈に批判しています。経済学者ですが、本書は国民皆保険制度を主体とする医療制度をはじめとする”格差”とそれの根源にあるとみる人種差別を軸に展開していきます。なお、フランスやイギリス、カナダとの比較は出てきますが、まったくといってよいほどに日本には触れられていません。

訳者(三上義一氏)あとがきで、黒人大統領候補のバラック・オバマ氏の登場が必然であったことが説かれているが、ここを先に読んだほうが本書は呑み込み易いのかもしれない。また、読み進めていくうちに自然と理解は深まりますが、民主党と共和党のここ20年くらいのバックグラウンドを読み始める前にアタマの中で整理しておくとよいかもしれません。

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2008.10.19

シャープ 電子辞書 PW-M800

I021 シャープ 電子辞書 PW-M800

簡単なものばかりではあるものの洋書を読む折、「電子辞書があればなぁ。」と購入。神戸市西区岩岡のジョーシン・アウトレットで¥9,700(メーカー希望小売価格は3万円台)にて購入。機能的には一般的なものに比べてずいぶんと簡略化されているものの、携帯性では「これしかない。」といったサイズ、重量。

高校生の長女は学生向けの校内販売で2万円台のものを使っているので少々複雑な気持ちではありますが。

ジョーシン・アウトレットはキッズランドが併設されており、模型が多かったことからむしろこちらにとどまっていた時間の方が長かった。ホビーボス、ちょくちょく聞く名前でしたが、これほど1/48のAFVをラインナップしているとは知らなかった。I011

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2008.10.05

失敗の本質

51xtwkmdgfl_sl500_aa240_1 失敗の本質 野中郁次郎ほか 中公文庫 \800

副題に「日本軍の組織的研究」とある。主に大戦中の日本軍の局地的戦闘における失敗の原因を事例ごとに分析し、総括、教訓を導出する。

  1. ノモンハン事件:失敗の序曲
  2. ミッドウェー作戦:海鮮のターニング・ポイント
  3. ガダルカナル作戦:陸戦のターニング・ポイント
  4. インパール作戦:賭の失敗
  5. レイテ海鮮:自己認識の失敗
  6. 沖縄戦:終局段階での失敗

事例研究は、戦史に多少明るいか、戦記好きの方であれば、あまり読み応えは感じないであろう。紙幅の関係もあってか、言い古されたものしか記されていない。ボリュームにおいては従たる位置にあるが、三章構成の後ろ2章、「失敗の本質」、「失敗の教訓」の方が、むしろ目を引くであろう。とはいえ、新奇を衒った書ではないだけに、書きぶりはとてもオーソドックスだった。

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2008.10.04

自己評価メソッド

51iwpqsxh8l_sl500_aa240_1 自己評価メソッド クリストフ・アンドレ 紀伊国屋書店 ¥2,310

著者はフランスの精神科医。副題に「自分とうまくつきあうための心理学」とあります。寝る前などにボチボチと読んでいたのですが、読んでいると、なにやら身が軽くなるような肩の荷を降ろしたような気分になります。

Amazonより目次

第一部 自己評価を理解する
よい自己評価とは何か?/ゆがんだ自己評価の問題点/もろい自己評価―低い自己評価と偽の自己評価/自己評価をよい方向に持っていくために/自己評価は自分を受け入れることから始まる

第二部 自分との関係を改善する
・自分を受け入れるための実践法
・自分を批判しないための実践法
・自分と話をするための実践法
・自分に暴力をふるわないための実践法
・コンプレックスと戦うための実践法
・社会の有害な影響から自己評価を守る実践法
・自己主張ができるようになるための実践法
・自分が不完全であることを受け入れるための実践法
・気分をよくする実践法

第三部 他人との関係を改善する
・人から受け入れられなかった時の実践法
・人から受け入れられない恐怖と戦う実践法
・「人から存在を認められたい」という気持ちに関する実践法
・恥ずかしいという気持ちをコントロールする実践法
・比較や競争をしすぎないための実践法
・羨望や嫉妬とつきあうための実践法
・人を信頼するための実践法
・人を受け入れるための実践法
・相手を許すための実践法
・人に優しくすることとそのための実践法
・人に寛大になることとそのための実践法
・人に感謝することとそのための実践法
・人を称賛することとそのための実践法

第四部 行動の仕方を改善する
・行動を起こすための実践法
・フィードバックをうまく利用するための実践法
・フィードバックをするための実践法
・失敗を恐れないようにするための実践法
・成功と上手につきあうための実践法
・後悔と上手につきあうための実践法

第五部 自分を忘れる
・没頭することとそのための実践法
・自分を見つめることとそのための実践法
・謙虚になることとそのための実践法
・人生に意味を見つけることとそのための実践法
・死の恐怖とそれに立ち向かうための実践法

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会計課長 団達也が行く!

51s8sq72hpl_sl500_aa240_1 会計課長 団達也が行く!  林總 日経BP ¥1,680

日経ビジネスオンライン連載の会計モノ小説の単行本化。メーカーにおける粉飾手法をストーリー仕立てで解き明かしていくのですが、会計知識の習得云々を横に置いておいたとしても、熱血経済小説としても楽しめます。カバー絵も一昔前の濃いTVドラマ風で笑えます。

購入したときはもとより、読み終えて後、ネット上でサーチするまで気がつかなかったのですが、主人公の肩書きは”経理課長”ではなく”会計課長”だったのか。

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2008.09.28

一流の思考力

41tia4zxkgl_sl500_aa240_1 一流の思考力 Think!編集部 東洋経済新報社 ¥1,050

季刊誌Think!の別冊第一弾。既出の12原稿(+1)を再編集したもの。ただし、執筆者の写真は取り直しているのでは。

日ごろなおざりにしている「考えることを考える」ということについて、考えさせられる。少々、理屈っぽくなってしまいますが。

たとえば・・・。

「頭がいい」とは、「物知り:知識が豊富 クイズ王」 × 「機転が利く:対人感性が高い コメディアン、司会者」 × 「地頭がいい 思考力が高い 数学者、プロ棋士」

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2008.09.24

Seven (Penguin Reading Lab, Level 4)

511gp7416zl_sl500_aa240_1 Seven (Penguin Reading Lab, Level 4)  Anthony Bruno ¥725

The seven deadly sins

  1. PRIDE is the sin of being too proud.
  2. WRATH is the sin of being too angry.
  3. ENVY is the sin of wanting things that belong to other people.
  4. LUST is the sin of wanting athing or person - often sexually -very strongly.
  5. GLUTTONY is the sin of eating and drinking too much, often in an unpleasant way.
  6. GREED is the sin of wanting to have too many things - toomuch money, for example - for yourself.
  7. SLOTH is the sin of being very lazy.

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英語は絶対、勉強するな!「中級編」

41w0dfqaqel_sl500_bo2204203200_aa21 英語は絶対、勉強するな!「中級編」 鄭 讃容 サンマーク出版 ¥1,260

このシリーズ、いつの間にかずいぶんと充実してきていたのですね。CDつきだけでも、「正編」、「初級編」、「応用編」、「TOEICテスト編」、「超初級編」そしてこの「中級編」まであり。CDをiPod-shuffleに落として聞いてます。

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2008.09.21

方法序説

51exw71qzfl_sl500_aa240_1 方法序説 デカルト 岩波文庫 ¥483

題名は知っていても読んだことがない書籍は誰しも結構あるもの。旧約、新約を問わず、聖書なぞその代表格なのでは。

わたしにとっては本書もその1冊。手に取ったきっかけは、最近読んだ雑誌(新幹線の車中で読んだWEDGEではないかと思うが・・・)に、「わたしが選んだ100冊」風のアンケートをとると決まって本書などの古典が入ってくる、といったくだりがあったため。

解説や註を除くと100ページほどで文体も読みやすい。仕事帰りの電車の中で十分に読みきれました。371年前に出版された際には500ページを超えていたそうで、序説はそのうち78ページ分に当たるとのこと。序説は下記の6部に分かれています。

  1. 学問に関するさまざまな考察
  2. デカルトが探求した方法の主たる規則
  3. 上記の方法から引き出した道徳上の規則のいくつか
  4. 神の存在と人間の魂の存在を証明する論拠、つまり著者の形而上学の基礎
  5. デカルトが探求した自然科学の諸問題の秩序、とくに心臓の運動や医学に属する他のいくつかの難問の解明と、われわれの魂と動物の魂との差異
  6. デカルトが自然の探求においてさらに先に進むために何が必要だと考えるか、またどんな理由でデカルトが本書を執筆するにいたったか。

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2008.09.07

座右のニーチェ 突破力が身に付く本

312bdu3trcdl_sl500_aa240_1 座右のニーチェ 突破力が身に付く本  齋藤孝 光文社新書 ¥777

著者の齋藤さんは、ここ2年ほどTVをはじめとするマスコミへの露出度が高い方ですが、「上から目線」を感じたり、「言い切り・決め付け」発言が耳につき、正直なところあまりよい印象を持っていたものではありませんでした。三色ボールペンの本も「自分のスタイルと違う」と感じたことから立ち読みで済ませたように記憶しています。

この本は久しく目にしたことがなかった「寸鉄」という一言とツアラトゥストラに魅かれて購入。「ツアラトゥストラはかく語りき」を読んだのは、中学生か高校生くらいだったと思いますが、当時はわかったつもりでいたのが、実際にはメタファーを汲み取れず表面的な意味しか理解できていなかったのでしょう、大した感銘もなかったように思います。むしろ、クラーク原作でキューブリックが映像化した「2001年宇宙の旅」のオープニングでかかった曲の方の「ツアラトゥストラ」の方が印象に残っていたくらいで。

ちなみに、「座右のニーチェ」には「壁に突き当たったとき読む本」という先行本が、同新書、同著者にて刊行されています。

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2008.09.01

大学生のためのレポート・論文術

512w27nam2l_sl500_aa240_1 大学生のためのレポート・論文術 小笠原喜康 講談社現代新書 ¥714

日本中の大学生(のみならず大学院生も)、必携の書。

どんな世界でも「当たり前」とされる作法があるもの。知っている人にとっては、自転車の乗り方みたいなものでも、それが「当たり前」とされていない世界からやってきた人にとっては、宇宙船操縦法並みのとんでもなく高いハードルとなる。

「当たり前」とされるハードルの前で立ち尽くす学生への福音の書。2002年刊でサイト情報はやや陳腐化しているようだが、ネット対応の続編も出てているとのこと。

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容疑者Xの献身

41itbd2rowl_sl500_aa240_1 容疑者Xの献身 東野圭吾 文集文庫 ¥660

福山「ガリレオ・湯川」の第3弾原作にして、今秋の映画原作、かつガリレオ唯一の長編。わかりやすいタイミングで文庫化してくれたもんで、つい手に取ったが運のつき。その日のうちに読み終えてしまう運命を背負った書。

以下は読んだ人にしかわからないフレーズになってしまうのですが、「果たして映画化した折に湯川センセイは主人公足りうるのか?」という点が最大の疑問であったりして。堤”鈴木オート”真一さんが裏の主役?

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2008.07.27

日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ

31ecnfdpwil_sl500_aa240_1 日本の統治構造―官僚内閣制から議院内閣制へ  飯尾潤 中公新書 ¥840

 2008年度読売・吉野作造賞、2007年度サントリー学芸賞、ダブル受賞。デッカイ文字がオビで訴える。政策研究大学院大学教授の著者が、数年にわたる難産の末に産み落とした健児がこの書。新書の体裁をとっているだけで、骨太な一冊です。

 神戸新聞の客員論説員も務めておられるので、最近、紙面でよく見かけるのですが、この方、高校時代の生徒会長(自治会長と呼ばれていました。先輩に当たります。)だったと思うのですが。といった一方的な親近感から購入いたしました。

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2008.06.29

法廷会計学VS粉飾決算

51ec9jsvuvl_sl500_aa240_1 法廷会計学VS粉飾決算 細野祐二 日経BP ¥2,310

「公認会計士VS特捜検察」に続く細野氏によるVSシリーズ(?)第2弾。果たして次回は何と対決するのでしょうか。

前作と趣が大きく異なり、著者によるプライベート型経済レポートが本書の下敷きになっており、章立てもそれに沿ったようになっている。当時の下記ぶりのまま編集され、参考資料として各章の末尾に顛末にかかるものが注記されている。

<取り上げられている企業等>

  • 日興コーディアルグループ
  • ライブドア
  • 日本航空
  • NOVA
  • 中央青山監査法人、みすず監査法人

     戦闘的なほどに切れ味の鋭い舌鋒は健在のようです。

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暴走する資本主義

51cqkawarll_sl500_aa240_1 暴走する資本主義 ロバート・ライシュ 東洋経済新報社 ¥2,100

今をときめく勝間和代さんが昨年度読んだ原著の中で、最も衝撃的で、最も心を震わせた本、とのこと。

原題はSupercapitalism。行過ぎた資本主義といったところでしょうか。ところで、共産主義、社会主義はすでに過去のものとされてしまった感がありますが、資本主義が最高度に突き詰められた後に、その矛盾から共産主義へ移行することが共産主義革命における理論的な発展段階であるなら、インターネットとグローバリズムの発展により、情報の完全化と経済的階層化が相当程度に進んだ現在は、実は共産主義革命の数歩手前まで来ているのかもしれません。数十年後には、共産主義化した米国と、事実上、資本主義国家となった中国、ロシアの谷間で枯れていく老人国家日本があるのかもしれません。

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2008.06.22

年収2000万円の転職術

51wpqrhfmdl_sl500_aa240_1 年収2000万円の転職術 神川貴実彦 プレジデント・ピンポイント選書 ¥1,000

1,000円のハードカバーというユニークな選書。刺激的というか、挑発的とさえ言えるタイトルですが、サブタイトルに「高学歴・中収入・低資産」からの脱出法とあるだけに、前提としている読者層はずいぶんと限定されているように感じました。丁寧に、かつ、オーソドックスにまとめられていますが、マッキンゼーやBCGなどの戦略系コンサル会社への転職指南を主体とした内容であり、また、20代後半から30代前半の狭い年齢層にフォーカスしているようでもあり、傍観者としての読書となりましたが、それゆえに落ち着いて読めました。それにしても、「中収入」という読者のツボをつくような表現には脱帽です。

  1. 「高学歴なのに、中収入・低資産」という悩み
  2. 年収2000万円を稼げる仕事
  3. 高収入転職のためのトレーニング
  4. 「ケース面接」に勝つ問題解決能力
  5. 転職成功者は「ここ」が違う

発売後、日が浅いにもかかわらず、Amazonのカスタマーレビューの書き込みがずいぶんと多いことから、世間の関心が高いことが伺えます。

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先週号(6/21/08)の週間東洋経済

H200806211 週間東洋経済(6/21/08)

先週というより2週前になってしまうようなタイミングですが、特集が「最強の『読書術』」だけに気になって購入。読むべき書籍の特集は、夏休みなどの前にしょっちゅう繰り返されている割には、意外なことに「読書術」そのものを正面から取り上げることは初めてとのこと。6人の読書の達人による読書術指南がメインですが、そのそれぞれに共通することもあれば、真っ向から主張が対立していることもあり興味深い。仕事の進め方や勉強法と同様に、結局は自分自身のスタイルは自分自身で探し当てる、築き上げることになるのでしょうね。

  1. 読書を最高の投資術に変える「レバレッジ」読書術:本田直之氏 100冊 20万円強 2時間
  2. 読んだことは自分で試す!メモ不要の「超実践」読書:勝間和代氏 50~100冊 15万円 1~5時間
  3. 知の体系を身に付ける「3度読み」のテクニック:佐藤優氏 150~200冊 200万円(年間) 6時間
  4. 財界首脳のブレーンが直伝!「最強」アナログ読書術:三輪裕範氏 8~10冊 5万円 2時間
  5. 情報処理では身に付かない!「人間力」を鍛え読書術:齋藤孝氏 100冊以上 - 4時間
  6. 日本語だけでは周回遅れ 英語原著の「簡単」読書術:池田信夫氏 50冊(うち洋書が10冊) 10万円 3時間

各氏の氏名の後の数字等は、順に1ヶ月の読書量、1ヶ月に使う本代、1日の読書量の順。熟読、抜書派の三輪氏を除くと、いわゆる読書家というのは1ヶ月に100冊程度は読むもんなんですね。一方で、平均的な社会人が雑誌も含めて1ヶ月に書籍代に費やすのは700円程度(文庫1冊?)というから、ここでも凄まじい格差が生じているようです。

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2008.05.06

99%苦手な相手に勝てる「切り返しの話術」

029876711 99%苦手な相手に勝てる「切り返しの話術」 神岡真司&日本心理パワー研究所・編著 日本文芸社 ¥500

少し前にファミリーマートで何気なく購入したものですが、心理学を職場や業務上の人間関係に応用するノウハウが散りばめられています。239ページもあって500円。「そんなの当たり前やろう。」といった印象を受ける事項も多いものの、安かろう、悪かろうでなく、丁寧に構成されているように感じました。ハイ・コスト・パフォーマンスの1冊、といったところでしょうか。

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2008.04.21

自治体職員がみたイギリス

1271 自治体職員がみたイギリス 石原俊彦/稲澤克祐編著 

関西学院大学出版会 ¥2,310

 全国の自治体職員の有志の方々が、数度にわたり敢行したイギリスでの地方自治体等の視察記です。少々堅い内容や日本では殆ど馴染みがない事柄、アルファベットの略語が連なる専門用語も登場しますが、皆さんの感動と驚きが余すところ無くストレートに披瀝されています。また、第2編では、イギリスでの日常を捉え、ショッピングやファッションなどをテーマにしており、それでいて単なる旅行ガイドでない鋭い分析、コメントが付され、一風変わった味わいに仕上がっています。とても楽しく読み通せることでしょう。

<<目次>>

第1編  英国地方自治体の行政経営改革

 第1章 英国の地方自治体
     ─行政と経営改革の概要
 第2章 英国地方自治体のランキング
     ─自治体監査委員会による競争環境の整備
 第3章 英国最大で最小の地方自治体
     ─ロンドン市役所の廃止と復活
 第4章 ロンドンの貧困地区が抱える課題
     ─サザック区役所の取り組み
 第5章 大ロンドン市が営む最大のビジネス
     ─ロンドン市交通局の行政経営と交通政策
 第6章 オリンピック開催とロンドンの都市再生
     ─ロンドン開発公社の葛藤
 第7章 英国第2の都市が目指す行政経営
     ─バーミンガム市役所のうめき声
 第8章 老後を豊かに暮らす観光自治体
     ─ブライトン・ホーブ市のマネジメント
 第9章 語学研修を街づくりに活かす学園都市
     ─イーストボーン市役所の業績管理と地域戦略
 第10章 海峡の街と行政経営
     ─ドーバー市のパートナーシップと内部管理

第2編  英国の日常と市民生活

 第11章 ロンドンの街並み
     ─世界一歩きやすい都市をめざす
 第12章 イギリス:買い物事情と街歩き
     ─実際に体験してみると
 第13章 イギリス人のファッション・プライド
     ─個性と機能性の追求
 第14章 管理栄養士が見たイギリスの食文化
     ─伝統とバラエティー
 第15章 自治体職員流英国の歩き方
     ─ロンドンの諸相

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2008.04.16

英語は逆から学べ!

61rwebizlul_sl500_aa240_1 英語は逆から学べ!~最新の脳科学でわかった!世界一簡単な外国語勉強法~特殊音源CD付き(全外国語対応) (長っ) 苫米地英人 フォレスト出版 ¥1,365

タイトルに魅かれてついフラフラと購入。CD付きで¥1,365なら安いと判断してしまうのか?どんな本であれ、ことにHow toものは、内容に従って実行に移した上で何らかの結果、成果がでればモトを取ったってことになるんでしょう。果たしてこの本についての私の投資回収率はいかに?CDをi-Podに移したので、第一関門は突破か?なんて低いハードルなんでしょう。

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2008.04.13

わが安売り哲学

412b3tgnhysl_sl500_aa240_1 わが安売り哲学 中内功 千倉書房 ¥2,940

昨秋のTOEIC受験時に会場となった学園都市の流通科学大学内ローソンで購入。タイトルの上には「新装版」とあり、中内功シリーズ第Ⅰ巻ともあります。なお、”功”という字は本当はつくり(文字の右側)が”力”ではなく”刀”です。

著者はすでに平成17年に逝去されているわけですが、この書が世に出たのは昭和44年。まだ大阪万博開催前、最近の喩えで言うならば、「華麗なる一族」で万博会場の元地主の懐に入った収用代金獲得のために銀行が預金集めに奔走していた頃となります。ダイエーが全国区となりつつあった、日本健在同様に高度成長期にあった頃ですが、一方で、分裂の危機に瀕していたことも本書執筆のきっかけになったとも。

ダイエーがオーナー一族の手を放れ産業再生機構送りとされた挙句、イオンの関連会社(持分法適用会社)となった今日の目から見ると、さすがに色褪せて見える部分もあるものの、その熱さは時代を完全に凌駕しています。ウルトラセブンが今から40年前の作品だとはとても思えないのと同様に、天才は時空を超えていることを思い知らされます。ちょっと元気が出ますし。

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2008.04.06

会計不正

51zqccghlal_sl500_aa240_1 会計不正 浜田康 日本経済新聞出版社 ¥2,520

著者の前著「不正を許さない監査」が出たのが2002年。当時は、エンロンの破綻とアーサー・アンダーセンの消滅といった海の向こうの動乱を客観的に眺めるといった一種の「余裕」があった日本における会計、監査実務の世界でした。当時と現在の間には、カネボウの粉飾と破綻、同社を会計監査していた中央青山監査法人の消滅を始めとする多くの粉飾事案、企業破綻が日本国内で相次いだ現実が横たわっています。

前著はオーソドックスな理論の解説とそれをベースにした著者の私見、私案の披瀝であり、それはそれで読み応えが十分にあったのですが、本書は前著に比してはるかに「凄み」が感じられます。その裏づけが、上記のような日本国内における現実の出来にあるのでしょうが、著者自身が事件当時、中央青山監査法人に籍を置いていた(現在はあずさ監査法人の代表社員)リアリティに根ざすものであろうと感じます。「凄み」は、被監査先と監査人との関係や、複数挙げられている典型的な監査人の思考パターンの再構築における深い洞察の記述に如実に現れていると感じました。ここまで丁寧な描写を活字で見たことが無かっただけに、少なからぬ感動もありました。また、昨今話題の内部統制に関しても、他書とは背景の思考における掘り下げの「格」の違いを感じた次第です。

<章立て>

  1. 会社に何が起きているのか
  2. 経営者はなぜ不正会計をするのか
  3. 企業の社会的責任は存在するのか
  4. 監査人は何をしているのか
  5. 監査人はなぜ不正会計を見逃すのか
  6. 統制環境をどのように考えるべきか
  7. 不正を許さないシステム
  8. 監査人は会計不正にどう対応すべきか

 章立てはオーソドックスなタイトルが並んでいますが、それぞれにおける「掘り下げ」、「洞察」に(繰り返しになりますが)「凄み」があります。

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公務員の異常な世界

公務員の異常な世界 若林亜紀 幻冬舎新書 ¥777

もう10年以上も前でしょうか、AERAの最近の景気動向を問うた街角アンケートで、「不景気と言われるけどピンとこない。」とのコメントが意外なほど多かったことに驚いた記憶があります。そういった回答者の職業欄は、教師等を含めた公務員ばかりでした。

民間の建設会社に勤務後、政府系外郭団体に長期勤務した経験を持つ著者が、自身の体験にジャーナリストとして取材したネタで肉付けされた数多くのエピソードが、4月に始まるカレンダー仕立てで紹介されています。民間の感覚からは、笑い、呆れ、怒りそして少々の憧れ等々様々な感情、印象をもたらしてくれますが、恐らく多くの方は共感を寄せることは無いだろうと推測される現実が披瀝されています。一方で、社会保険事務所で過労死(自殺)があったり、コツコツ誠実に地道な業務に精励している公務員、役所を変えていこうと休日返上で勉強したりしている若者が多いことも忘れてはならないでしょう。

副題は「給料・手当・官舎・休暇」、オビには「この年収に平常でいられるか? みどりのおばさん800万円!(練馬区) 清掃のおじさん1000万円!!(大阪市) 公共バスの運転手1300万円!?(神戸市)」。こういった厚遇は、いまや「報道ステーション」などのTV番組や、「ダイヤモンド」の職業別給料比較などでさんざん報道されてきているだけに、(承認や納得とは次元を異にしますが)多くの国民の認知するところとなってきましたね。

「公務員とは職業ではなく、身分である。」との著者の指摘、言いえて妙です。

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医者が病院から逃げ出すとき

51sgyg4e0sl_sl500_aa240_1 医者が病院から逃げ出すとき 米山公啓 ちくま文庫 ¥714

軽妙なタッチで描かれていますが、医師、特に勤務医の立場からの「医者もつらいよ」といった現場の声が連ねられています。中には、「製薬会社が儲けているのはけしからん。医者にも分け前をよこせ。」などといった暴論もカオを見せますが、勤務医の日常の描写、想いや、現場感覚での制度へ向けたコメントは、実に人間味のあふれるものばかりでした。著者自身、病院から逃げ出して、著述業主体の生活に落ち着いておられるとのこと。

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2008.03.30

マックス・ウェーバー入門

41bcpwfm2zl_aa240_1 マックス・ウェーバー入門 牧野雅彦 平凡社新書 ¥777

ひと昔前の少し気の利いた日本人なら誰もがその著作のひとつくらいは読んだ経験がある著名人、思想家の一人であるウェーバー。日頃から教養の浅さを痛感している身ゆえ、図書館の書棚にあった本書に手が伸びた次第。資本主義、倫理、官僚制度、プロテスタンシズムといった断片的な単語でしかウェーバーを認知していなかっただけに、アジアへの造詣、古代へと遡る歴史観などを知り、経済学、政治学、あるいは社会学といった現代の枠組の中でものごとを整理しようとしがちな己を省みるよい機会となりました。

まだまだわかっていないこと、わかったつもりのことが多い。

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2008.03.23

雇用、利子および貨幣の一般理論(上)

雇用、利子および貨幣の一般理論(上) ケインズ 岩波文庫 ¥945

間宮陽介氏による新訳。この手の書としては異例の売れ行きとして評判になっているとのこと。新訳のおけげで読みやすくなっている点に加え、若かりしころのノスタルジーとして手に取る向きが多いのでは。かくいう私もその一人です。

私が学生であった20年以上前といえば、マクロ経済学といえばそのまんまケインズを指すことさえあったり(ホントはフリードマンやガルブレイスも随分めから活躍されていたりしていたのですが。)、するぐらい絶対視されていた巨人との印象が強く残っています。日経にもケインジアンかマネタリストか、なんて論争が載っていたような時代です。そんな中においてさえ、一般理論を読んだことがない学生であったわけで、若い頃のやり残した多くの宿題の一つを半分だけ終えた気分です。

読後感:ケインズは経済学は現実に即していなければ、その存在意義あるいは存在価値など無いに等しいと考えていたように感じます。ようやく下巻も出たみたいです。

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2008.03.21

シュンペーター

シュンペーター 伊東光晴・根井雅弘 岩波新書 ¥777

副題は「孤高の経済学者」。シュンペーターとケインズは同じ1883年生まれ。奇しくもカール・マルクスの没年でもあるそうです。今、ベストセラーになりつつあるケインズの新訳「一般理論」の上巻を読んでいるところなのですが、シュンペーターとケインズの関係は、緊張感を伴う屈折した思いを伴うものであったそうです。

オーストリア生まれ。25歳にして名著であり大著たる「理論経済学の本質と主要内容」をものし、その4年後に決定打たる「経済発展の理論」を著しました。シュンペーター自身、「みのり多き20代」と称したそうで、弱冠28歳でグラーツ大学の政治経済学教授に任命されたというから、まさに早熟の天才です。ちなみにその前にチェルノヴィッツ大学の院外教授に任命された時期もあったというから驚き。その後、36歳にしてオーストリアが共和制に移行した折、初代の大蔵大臣に就任するも、嵌められる形で地位を追われます。

最初の妻とは離縁、二度目は死産死別、三度目にして安逸を得るといった明るい性格を一変させてしまうような苦渋を味わうこととなるプライベート。

「新結合」といった現代の起業家、技術革新に繋がる概念、独自の「帝国主義論」などその「総合的」、「大統一理論」的な巨視的な視点は、時論を超えた壮大さを感じさせてくれます。経済学、社会学におけるビッグ・ネームが次々に登場する歴史劇場を眺めるような一冊です。 

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2008.03.09

公会計改革

41r57vr52bol_aa240_1 公会計改革 公会計改革制度研究会 日本経済新聞出版社 ¥1,890

 副題に「ディスクロージャーが『見える行政』をつくる」とあります。折りしもいわゆる地方財政健全化法が成立し、ますます日本中の自治体にとってその財務書類とディスクロージャー が重要になってきました。本書は日本の公会計に関わるビッグ・ネームが各章を担当し、公会計の今とこれからを熱くあるいはクールにわかりやすく解説してくれています。最終章には、「改革に取り組む地方自治体」と題して、大小さまざまな規模の先進自治体の事例が、首長メッセージを含め各1ページで紹介されています。まさにハイ・コスト・パフォーマンスの1冊です。

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2008.03.02

物語 現代経済学

31tdk4en5kl_aa240_1 物語 現代経済学―多様な経済思想の世界へ  根井雅弘 中公新書 ¥777

 中公新書の「物語」路線の一冊。レーニンの「帝国主義論」を読んでから、思い出したように経済学に魅かれて購入。大学入学時に購入したサムエルソンの「経済学」(もちろん都留重人さんの手になる邦訳版です。)が、どうやら単著としての最後の版らしいことを知り、改めて時の移ろいを感じた次第。

 ノーベル経済学賞がホントはノーベル賞ではないこと、ガルブレイスへの世評など、興味深い内容、エピソードが続きます。

(Amazonより)

>出版社/著者からの内容紹介
アメリカ型の経済学教育の導入により、経済学の一元化が進み、自由な思考にとって最も貴重な多様性が失われている。本書は、主流派が真剣に読まなくなった、マーシャル、ケインズ、サムエルソン、ガルブレイスらの経済学を再検討し、今日的視点から彼らの問題意識や問いかけの持つ意味を考察するものである。異端派を排除してきた「ノーベル経済学賞」の問題点をも指摘しつつ、相対化を忘却した現代の経済学に警鐘を鳴らす。

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帝国主義論

41z9exeed1l_aa240_1 帝国主義論 レーニン 光文社古典新訳文庫 ¥600

 およそ100年前に書かれたとはとても思えない内容に驚き。金融資本の支配が、資本主義を帝国主義へ駆り立て、帝国主義国家同士で最終的な争いへ誘う・・・。ところが、現実には、金融資本が世界を支配する前に、共産主義が実質的に崩壊してしまった。でも、ひょっとして二段底があるのでは、とさえ思わせるような金融資本によるグローバル化が現実のものになっているのも現実。敢えて21世紀にコミュニストの教科書を読む意義の有無は人により大きく意見が割れるところでしょうが。

新訳でとても読みやすくなっています。

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2008.02.24

自衛隊2500日失望記

51lqzar9qel_aa240_1 自衛隊2500日失望記 須賀雅則 光文社ペーパーバックス ¥1,000

公認会計士試験に4度も落ちて、放心状態のまま、子供の頃から憧れていた自衛隊に応募。航空自衛隊での7年間の在籍期間で見聞きした、一般国民にとっては驚愕の実態がこれでもかというくらいに詰め込まれています。

本書を読めば守屋次官の100回ゴルフ接待でさえ、氷山の一角でしかないご愛嬌とも思えてくる恐ろしさ。税金が食い物にされているさまは、25万人自衛官に渡り裾野が広~くなっており、さらにはOBへとさらに際限なく広がっていることを知る。一方で、ただ単に現役、退官自衛官を責めるだけではすまない構造的な疑問も感じる。というのも昇任が叶わなかった自衛官の中には53歳で退官せざるをえない者も多い現実。年金が受け取れるようになる60歳、65歳までどうやって生きていけ、というのか。53歳といえば、子供が進学する場合、人生の中でもっともカネが係る時期に当たる。単に個人、組織の倫理感だけで片付けられるものではない。

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2008.02.10

永遠平和のために/啓蒙とは何か

51fajr12gcl_aa240_1 永遠平和のために/啓蒙とは何か(他3編) カント (中山元訳) 光文社古典新訳文庫 ¥680

最近、カラマーゾフの兄弟などの新訳で有名になっている文庫の1冊。カントと言えば、とにかく難しいという印象が強く、私自身、若い頃に「純粋理性批判(もちろん日本語訳)」を読みかけて3分冊の1冊目で挫折してしまったトラウマを抱えておりました。そんな過去を抱えながら、なんでこの本を手に取ったかといえば、オビに「カントが普通の言葉で語り始めた。」なぞとウレシイコピーがあったからにほかなりません。

  1. 啓蒙とは何か-「啓蒙とは何か」という問いに答える
  2. 世界市民という視点からみた普遍史の理念
  3. 人類の歴史の憶測的な起源
  4. 万物の終焉
  5. 永遠平和のために-哲学的な草案

 けっして軽い読み物ではありませんが、「哲学」といった趣ではなく、とても読みやすい印象を持ちました。

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DS えいご漬け

Package1_2  英語が苦手な大人のDSトレーニング えいご漬け ¥3,800

安河内哲也さんの「できる人の英語勉強法」で推薦されていたソフトです。簡単な英文を聞き取って、訳のわからぬままサルのように書き取っております。

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できる人の英語勉強法

51lrasg8lil_bo2204203200_pisitbdp50 できる人の英語勉強法 安河内哲也 中経出版 ¥1,365

TOEI990点満点、英検1級、国連英検特A級、通訳案内士・・・・・。著者の華麗な資格、履歴です。

どうやら「学問に王道なし」なので、こつこつ勉強しなさい、ということのようです。ごもっとも。

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2008.02.03

さらば ゆとり教育

51acxyrhk8l_aa240_1 さらば ゆとり教育  寺脇研 光文社パーパーバックス ¥1,000

 副題に「学力崩壊の『戦犯』と呼ばれて」とありますが、ご本人は元文部科学省の課長時代に、ゆとり教育の事実上の仕掛人であった方。最近はみのもんたさんの「朝、ズバッ!」のコメンテーターでもお目にかかれます。

 タイトルは、「さらば ゆとり教育」ですが、ゆとり教育に未練たらたら。どう考えてもこのタイトルはご本人の意向とは関係ない場所で決まったとしか思えません。国際比較等で基礎学力が低下したとの見方が強まったことが、ゆとり教育見直しのきっかけであったわけですが、当初から著者は基礎学力の低下は止むを得ないと考えていたフシがあります。そもそも、ゆとり教育の是非に関しては、先が見えない現代にあって、子供の将来を不安視する(標準的な)親とは、社会観、学習観そして時代感覚やグローバル化した世界観が根本的に異なっているように感じます。寺脇氏は、現在の日本が置かれている状況を「成熟した社会」であり、そのような環境においては(基礎学力の向上には少々目を瞑っても)自分で考える、生きるチカラを身につけさせるべきと認識しているようです。一方、現在の日本はBRICsの追い上げなどを受け、個人の待遇レベルにおいても容赦ない国際競争に晒されており、「確かな目に見えるチカラ」こそが必要であると認識している親や子供が増えているように感じます。寺脇氏の唱える「生きていく力」には魅かれるものがあるのですが、そういったチカラって、少々工夫したところで学校教育で身に付くとは思えないんですね。

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2008.01.27

チーム・バチスタの栄光(上)(下)

51slh1uual_aa240_151kubsii4fl_aa240_1 チーム・バチスタの栄光(上) (下) 海棠尊 宝島文庫 各¥700

満票で選出された始めての「このミス大賞」として有名(らしい)作品。バチスタ?と聞いて、南淵医師?とか連想してしまったけれど、中味はぜ~んぜん別物だった。ネタバレは避けますが、「これがこのミス?」と思うようなウダ~とした出足。が、軽妙洒脱な書きぶりも、アイドリングから徐々に回転数を上げ始め、下巻から真打ち登場で大暴走。医学面でのテクニカルな内容はこれが第一線のものなのかどうかは良くわからないが、少なくとも「ブラックジャック」を描いたときの手塚治虫ほどの時代格差は無いんだろう。

何度もどんでん返しを食らわしながら、「アクティブ・フェーズ」に臨む二人はハラハラしつつも、手に汗握る。オートプシー・イメージングや医学監査というテーマ、けっしてエンターテンメント小説としてだけの興味深さで終えない含蓄も残してくれました。2月9日から阿部寛、竹内結子主演で映画化、上映されるとのこと。キャスティングも気になるところです。

「ナイチンゲールの沈黙」、「ジェネラル・ルージュの凱旋」、「螺鈿迷宮」、「ブラックペアン1988」と立て続けのリリース。勤務医としての日常の中で、4ヶ月に1作というペースは、超人としか例えようがない。まるで樋口一葉の最盛期を見るよう。

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2008.01.04

波乱の幕開け

夕刊でも「通勤電車ガラガラ」とあったとおり、カレンダーどおりに今日が仕事始めであった職場は少数派であったらしい。一方、流通業や公共サービス関係の現場はすでに元日や2日から始業であろうし、金融関係や公的機関は「挨拶」のためにも今日から発進だったのでしょうが、会社は今日からだけど私は来週から、なんて方も多かったことでしょう。そういったご多分にもれず、私も今日は引き続きお休み。とはいえ、休み中に片付けておかなければいけない作業も数件あり、ある意味で本日が仕事始めとなりました。また、長女は2日から、次女も本日から予備校や塾が始まり、教育産業もタイヘンやなぁ、と感じた次第。

20080104at2d04008040120081f1 こんな中、東証は大幅下げの波乱の幕開け、とのこと。昨今ではご祝儀相場なんて言葉は死語になったか。1バレル100ドル時代には、メタンハイドレートで日本がエネルギー資源輸出国へ大逆転ですな。ただし、二酸化炭素排出しまくりで日本は全国的に亜熱帯化であります。

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2007.12.09

小説会計監査

Bpbookcoverimage1 小説会計監査 細野康弘 東洋経済新報社 ¥1,680

オビには「巨大監査法人はなぜ崩壊したのか?」と大きく、「当局のあまりにも恣意的な検査・指導。リーク情報に踊らされ、世論を煽ったマスコミ。背後にうごめく超大国の思惑・・・・・。渦中の監査法人に身をおいた著者が贈る、迫真の長編書き下ろし。」と小さくあります。

著者は中央青山監査法人でメガバンク、大手流通グループ、国営巨大公社などを担当。同監査法人の理事、評議会議長なども歴任。2006年退職し独立。と記されています。

  1. ムトーボウ事件
  2. ABC銀行消滅
  3. 大日本郵便公社民営化
  4. 月光証券            いずれもモデルがどこかは容易に想像がつきますよね。

 各社を巡る記述もずいぶんと強烈な書きぶりの箇所がありますが、PwCと目されるKkLなる国際会計事務所のネットワークとアタラ監査法人なる新設法人に係る箇所は苛烈ともいえる書きぶりです。著者の憤怒が伝わってくるようです。しかしながら一方で、被監査先の管理職を戦友と称する感覚には、アナクロさの匂いを感じると同時に、こういったスタンスが大事件を引き起こす風土から生まれたのであろうとの印象を禁じえません。

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2007.11.28

スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く

51d1h7i6okl_aa240_1 スティグリッツ教授の経済教室―グローバル経済のトピックスを読み解く ジョセフ・E・スティグリッツ ダイヤモンド社 ¥1,785

 世界銀行の元上級副総裁兼チーフエコノミストである著者が同職を辞してから定期的に連載してきた記事、コラムの単行本化。日本では週刊ダイヤモンドに2003年から連載されており、現在も続いている。今号の「ゼネコン断末魔」の特集号においても、(特集とはなんの関係もないが)ちゃんと(でっかい顔写真入りで)載っていた。なお、ノーベル経済学賞受賞者でもあり、大きな書店や大学生協には必ず定番の経済学教科書として著書が置いてあります。

 このような背景の書ゆえ、過去における部分は少し迫力不足に感じてしまうが、それでも米国における家計部門の負債の増加に強い警告を著者が発していたのは、既に2004年のことであることが読みとれた。いまさらサブプライムローン危機と騒いでいるのも滑稽に感じてしまう。

 寡聞にして不明でしたが、米国は世界銀行の、EUはIMFのトップを決めることができるとの「紳士協定」が存し、米国はさらにIMFにおける唯一の拒否権を有する存在らしい。著者はグローバリズムを痛烈に批判しており、もっともらしいことを言う自由主義者を繰り返し批判する。曰く、規制の強い数々の国家の方が、IMFの処方箋に従った諸国より経済的に大きく飛躍している、等々。ことに韓国におけるIMFの介入に対する皮肉は一級品である。

 ななめ読みであっても十分に楽しめました。

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2007.11.27

読了 公認会計士vs特捜検察

51bbigmfq4l_aa240_1 公認会計士vs特捜検察 細野祐二 日経BP社 ¥1,890

 431ページありますが、殆ど一気に読み進んでしまいました。わが身に同様の事案が降りかかった際に、果たしてここまで強く処することができるのだろうか、と自問せずにはおれませんでした。一罰百戒を逸脱した見せしめなのか。高杉良氏の「不撓不屈」で有名になった「飯塚事件」を髣髴とさせる。

 本書でも繰り返して出てくる「検察の勝訴率99.9%」という表現。裏返せば刑事事件においては弁護士(被告)が勝つ可能性は0.1%であり、すなわち刑事事件に強い弁護士など日本には一人も存在しないことを意味する。刑事事件と聴けば、弁護士はハナから勝つつもりなぞないと言えるのかもしれない。それでは庶民はあまりにも救われない。

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2007.11.24

公認会計士vs特捜検察 (読み始め)

51bbigmfq4l_aa240_1_2  公認会計士vs特捜検察 細野祐二 日経BP社 ¥1,890

 金曜日の日経朝刊に遠慮がちに広告が載っていましたが、非常に重苦しいテーマと内容の一冊です。まだ読了していないのですが、渾身の書とのコピーに掛値はないでしょう。Amazonでの購入者も重なっているケースがあるようですが、田中森一氏の「反転」と併読するとより「深み」と空恐ろしさを感じることになるように感じます。

Amazonでの紹介文

ある日、凄腕の公認会計士が逮捕された。容疑は粉飾決算。シロアリ駆除の上場企業、キャッツ経営陣による株価操縦事件に絡み、東京地検特捜部に摘発されたのだった。カネボウ、ライブドア事件でも公認会計士が逮捕されたが、すべて容疑を認めている。だが、キャッツ事件の被告は容疑を否認して、190日間拘留される。「粉飾決算ではない」。専門の会計理論を駆使して取り調べの検事と対峙するが、検察の描いたシナリオのまま起訴される。まさに、佐藤優『国家の罠』の公認会計士版である。裁判では、会計学者から粉飾ではないとの鑑定意見が出され、他の容疑者のよる被告に有利な証言が相次ぐが、一、二審とも敗訴。東京高裁の控訴審判決直後、白血病の妻が急死するという悲運に見舞われるなか、上告して闘っている。その闘いの詳細を極めた被告自身の手記である。

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2007.11.11

年収10倍アップ時間投資法

51o4of4uadl_aa240_1 年収10倍アップ投資法 勝間和代 Discover ¥1,575

<著者の経歴>

東京都生まれ。経済評論家(兼公認会計士)。早稲田大学ファイナンスMBA、慶應義塾大学商学部卒業。当時最年少の19歳で会計士補の資格を取得した後、21歳で長女を出産。在学中から監査法人に勤めるが、ワーキングマザーとしての働きにくさから外資系企業に転職。以後、アーサー・アンダーセン(公認会計士)、マッキンゼー(戦略コンサルタント)、JPモルガン(ディーラー・証券アナリスト)を経て、経済評論家として独立。生活感覚と専門知識を共に持つのが特徴。男女共同参画会議「仕事と生活の調和に関する専門調査会」専門委員。会計・ファイナンス及び少子化・ワークライフバランス問題に特に強い。WSJ(ウォールストリート・ジャーナル)、FT(フィナンシャル・タイムズ)、ビジネスウィークなど海外メディアにもコメントが多く掲載されている。2005年、ウォール・ストリート・ジャーナルから、「世界の最も注目すべき女性50人」に選ばれる。2006年、エイボン女性大賞を受賞。3児の母。著書に「無理なく続けられる年収10倍アップ勉強法」、「インディでいこう!」、「会社でチャンスをつかむ人が実行している本当のルール」、「猪口さん、なぜ少子化が問題なのですか?」、「マッキンゼー組織の進化」などがある。

この経歴こそが本書に関する最大の説得力であろうと感じます。

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2007.11.07

年収4000万にこだわる理由

41fvxi8a6il_aa240_1 年収4000万にこだわる理由 西川史子 小学館 ¥1,260

今をときめく独身美人医師タレントの著者の手になるエッセイ集。普段であれば手に取るようなジャンルの本ではない。ちょっと見には傲慢でタカビーな「ヤな」女の典型のような著者ですが、どんなバックグラウンドを持っているのだろう、あるいは、素顔、私生活はどうなっているんだろう、といった興味を強くそそられました。なんて言いながら、読みが「あやこ」ってこともつい最近知ったばかり。

ネタバレは避けますが、意外というか、想像どおりというか、まさに「白鳥型」の人生のようでした。水面下で人知れず人一倍の努力を重ねているにもかかわらず、それをさとらせない優雅な振る舞い。確かに医系一家に育ち超高額な学費を求められる私立医大に通ったセレブではあるのでしょうが、それゆえの先入観、偏見に惑わされると彼女の素顔は見えにくくなりそうです。

あからさまに書かれているわけではありませんが、出身大学から推測するに特別に地頭がよかったわけではないのでしょうが、それを「努力」でカバーしてきた。読み終えるとそんな泣かせる背景がうっすらと見えてくるような気がします。

話は全く違いますが、数多くのミュージシャンをバックから支えてきた名ドラマーの村上"ポンタ"秀一さんが、「演奏中に泣いててしまったのは、美空ひばりさんと永ちゃんだけだ。あんなに苦労した男はいない、と思うと自然に涙が流れてきた。」といった趣旨の発言をしている記事をかつて読んだことがあります。今の時代、軽んじられたり侮られている「苦労」とか「努力」という単語は、本当はとても美しく尊いものだと感じます。そして、その見え方は、けっして必ずしもわかりやすい形で人前に現れるものでもないと思います。

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2007.11.04

学園祭シーズンなど

Kg_01_2Kg_02  若者の間では学園祭がオン・シーズン。写真は関西学院大学での2枚。ライブ向けに中央芝生にステージを設営中の図とおなじみ模擬店。学生時代は模擬店を出すのが当たり前、それが学祭、とでもいった図式を疑いもしなかったものの、その頃から20年以上も経てしまうと、より文化的(11月3日は文化の日ですし)な香りをこそ求めてしまう自分を見つけてしまいます。いえ、ただ単に歳を食ったってだけでしょう。大学1,2年生のころは、(友達、知り合いが目当ての大学にいようといまいとおかまいなしに)いそいそと色んな大学に出向いておりましたし。下の1枚は、明石公園で開催されている恒例の菊花展。みごとなモンです。Kg_03

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2007.10.28

この人はなぜ自分の話ばかりするのか 応用編

516f5dzktpl_aa240_1 この人はなぜ自分の話ばかりするのか 応用編 ジョーエレン・ディミトリアス ヴィレッジ・ブックス ¥735

ベストセラーの続編。正の方は未読なので、いきなり応用編となりました。タイトルと中味は大きく異なり、原題では「できるだけいい印象を与える」とされているとおり、自分自身に焦点が当てられています。

印象を決める4つの指針特性

  1. 信頼できる
  2. 思いやりがある
  3. 謙虚である
  4. 有能である

      で、「信頼できる」が最重要事。

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2007.10.18

EQ入門

41ma65nm4dl_aa240_1 EQ入門 高山直 日経文庫 ¥872

ミステリの女王に入門する訳ではありません。EQとはEmotional Inteligence Quuotientの略。荒っぽく誤解含みで言ってしまえば、感情に関する知能指数ってところでしょうか。IQが先天的な要素が強いのに反して、EQは後天的に高められるとのこと。

著者はEQに関する日本での第一人者だそうですが、そもそも日本という国の風土にはEQ的な素地があるとEQの提唱者が語っていたとの紹介もあり。直観的、感覚的に把握、反応、対応している感情に関して、感情の①識別、②利用、③理解、④調整の各ステップを経て、適切、冷静に自他の感情変化に対処するということらしい。・・・いかにも西洋的な分析、分解、分類・類型化した上での対処のアプローチですな。役に立たないわけではないけれど、日本人向きとは思いにくい。感情を感性から理性へ引き渡してしまう試み、とも感じた。実際はもっと奥深いのでしょうが、あくまで「入門」ですから。

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2007.10.12

人を動かす6つの法則 日経の夕刊より

Robert B Cialdini :アリゾナ州立大学教授(社会心理学) 「影響力の武器」(誠信書房)は日米両国でロングセラー。

  1. 返報制の原理:相手が何かをしてくれたら、返さないといけないという気持ち。
  2. 一貫性の原理:ひとたび決定を下すとそれを守ろうとする心理が働く。
  3. 社会的証明の原理:多くの人がやっていることに引きずられがちになる。
  4. 好意の原理:好意を持ってしまうと、その人の言うことをうのみにしやすい。
  5. 権威の原理:権威のある人に従ってしまう傾向。
  6. 希少性の原理:売り場に1つしかないテレビを買ってしまうケース。

  手練のセールスマンやカルトは、これら6つの法則を逆手にとって巧みに人のココロのスキマに忍び込む。

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2007.10.07

監査難民

41zet8bj35l_aa240_1 監査難民 種村大基 講談社 ¥1,680

いま、監査法人勤務の公認会計士の間で静かなベストセラーとなっています。著者は共同通信社の経済部記者。

オビには大きな活字で「上場企業800社に”突然死”の危機!」とあり、「絶対に自主清算すべきじゃない!クライアントに対してどう責任をとるんだ。自分たちの手で潰すのか!」、「ウチはもう潰れているんだ。潰れるか潰れないかの議論をじているんじゃない。社員やスタッフ、その家族を合わせて一万人以上の関係者を路頭に迷わせないようにする方策を探っているんだよ!」とも。

カバー表紙ウラ: 2007年7月、日本監査界の巨人が姿を消した。みすず監査法人-かつて中央青山監査法人として、四大監査法人の一角を占めてきた名門である。カネボウ粉飾決算事件で所属会計士が逮捕され、監査への「疑いの眼」を生じさせた”張本人”が自主解散へ追い込まれる過程には、外資の戦略、獅子身中の虫による内乱、金融庁との壮絶な攻防など、凄まじい闘いが存在した。名門監査法人はなぜ、自ら組織を解体せざるを得なかったのか。その死が開いた”パンドラの箱”には何が入っているのか。JALに代表される”厳しい監査”は今後、企業にどのような影響を与えていくのか-。

自ら目を通された方がよかろうと感じ、ここでは中途半端に内容に触れることは避けることとします。いまのところ、日経をはじめ一般紙誌の書評には上っていませんが、多くの週を経ずして上ってくることは間違いないと思います。著者の勤務先を踏まえると地方紙の方が取り上げるのは早くなるかも知れませんが、掘り込み方の深みには脱帽ものです。金曜日、深夜となりましたが一気に読了。

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2007.09.30

ひさしぶりのTOEIC

2年半ぶりの受験。定年間近の方を除き、トップから新人まで例外なく受験するすることが職場で求められることになり、この始末。1年以内に受ければ構わないものの、納得のいく成績がすぐに出せるとも思えず複数回受験を前提にした挑戦。

年齢制限なんてない試験ですが、現実には若者のイベントですな。殊に若い女性が7割を占めているんではないか。勘違いしたオヤジが紛れ込んだ、って図。おまけに、受験後に仕事が待っていたためスーツ姿なので余計に浮いていた(ように感じる。)。

で、肝腎の試験ですが、スピードについていけないどころか、集中力を維持し続けるだけでひと苦労。リスニングの途中で何度投げ出したくなったことか。何とか200問すべて塗りつぶしたものの、PART7の最後の問いは適当に塗りつぶし。残り時間2分じゃ太刀打ちできません。

先は長いですなぁ。

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2007.09.22

恐怖の存在 (下)

51z0owoz9kl_aa240_1 恐怖の存在 (下) マイクル・クライトン ハヤカワ文庫 ¥987

下巻ではお約束の派手なアクションが展開。そしてお約束どおり意表をつくアクション。環境テロリストにこども兵。日本人にはおよそ考えつかないような環境問題との結びつき。

「地球全体の温暖化」と「主に都市部を中心とする一部地域での急激な気温上昇」との違いを十分に認識する必要があるということがよくわかりました。特に今年のように猛暑の日本にあっては。そして、環境問題と温暖化や海面上昇を一緒くたにすべきではないのでしょう。そろそろ日本でも、こういったクライトン的見方にも目を向けられてきたようですが。

さらに言えば、敢えてクライトンが巻末で触れているとおり、「科学と政治、資本主義」との関係をきちんとわきまえ、マスコミ情報を咀嚼する必要があるのでしょう。かつての「優生学」の捉えられ方と「地球温暖化」の対比は秀逸です。

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2007.09.10

上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔

51s8g1pk8jl_bo2204203200_pisitbdp50 上海のMBAで出会った中国の若きエリートたちの素顔 岡本聡子 アルク ¥1,680

これも明石市立西部図書館で借りてきたものです。若い日本人女性が単身、上海のビジネススクールへ私費留学した折のメルマガをベースに書籍としてまとめたもの。

日中関係が非常に緊張感を帯びていた時期を乗り越えた17ヶ月の息詰まる、あるいは楽しげな異文化コミュニケーション。日中のみならず、韓国、台湾、イスラエルなど様々な国、地域からの留学生、教師陣との順列組み合わせでの絡み合いも見ものです。

Amazonからの引用:

出版社/著者からの内容紹介
 胡錦涛国家主席の娘も在籍していた、中国のトップビジネススクールに留学した著者が、同級生である超エリート中国人と歴史認識問題や反日感情などについて本音で語り合った1年半の記録です。
 著者がCEIBS(上海にあるビジネススクール)在学中に発行していた1年間限定のメールマガジンを単行本化しました。2500人以上の読者をもち、400通以上の反響のメールが届いた人気コンテンツです。2004年はサッカーのアジアカップ、2005年は反日デモなどで日中関係が注目されました。今後も、経済関係の深まりとともに注目され続けるでしょう。本書は、中国や中国人を単一的な見方で結論付けるものではなく、著者の視点で中国のビジネスエリートの姿を鮮明に描くものです。

内容(「BOOK」データベースより)
胡錦濤国家主席の娘も在籍していた、中国のトップビジネススクールに留学した著者が、同級生である超エリート中国人と歴史認識問題や反日感情などについて本音で語り合った1年半の記録。

内容(「MARC」データベースより)
胡錦涛国家主席の娘も在籍していた、中国のトップビジネススクールに留学した著者が、同級生である超エリート中国人と歴史認識問題や反日感情などについて本音で語り会った1年半の記録。メールマガジンに加筆・修正し書籍化。

出版社からのコメント
 将来の中国ビジネスを動かしていく、リーダーたちの価値観を理解するのに役立つ一冊です。中国ビジネスに関わっている人、またはこれから関わろうとする人、日中関係に興味がある人に特にお勧めします。中国人との付き合いの中で起こりうる問題を解決するためのヒントがここにあります。

著者からのコメント
 今、日本のメディアを通して知ることのできる中国は、マクロ分析や、反日的な映像が多くを占めています。中国ビジネスにおいては、今後の中国を担う人々――CEIBSに通うような若い中国人エリートたち――を知らずに、大局的な判断はできません。
 本書は、CEIBSで親交のあった同級生についてのみ、書いたものです。彼らの言動や価値観を、すべての中国人に当てはめることはできませんが、中国のエリート層について大体のイメージをつかんでいただければ幸いです。現在、両国は微妙な関係にあります。既存メディアがつくる中国のイメージを超えて、ひとりひとりの中国人を思い描いていただくことで、皆さまの理解の助けになればと思います。

著者について
岡本聡子(おかもと さとこ)
1976年生まれ。大阪府出身。早稲田大学法学部卒。外資戦略系コンサルティング会社に4年間勤務した後、上海のCEIBS(中欧国際工商学院)に留学し、MBAを取得。

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2007.08.13

反転

反転 田中森一 幻冬舎 ¥1,785

41h1lf1ld2l_aa240_1 副題に「闇社会の守護神と呼ばれて」。

自身は庶民派のつもりでおられるようだが、どうにも浮世離れしていて感情移入しづらい。だが、「検察ファッショ」の空恐ろしさに首筋の後ろ辺りがぞぞっとくる感覚は何度も味わえる。

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会計操作

会計操作 須田一幸ほか ダイヤモンド社 ¥2,940

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2007.07.08

新帝国主義論

51acc70rxbl_aa240_1 新帝国主義論 武者陵司 東洋経済 ¥1,995

 著者は大和證券、大和総研そしてドイツ証券㈱(副社長兼CIO("I"はインフォメーションではなくインベストメント))と舞台を変えながらも長年にわたりアナリストとして活躍されており、熱狂的な信奉者を抱えているらしい。

 著者自身が語るとおり、決して正統派としてのアカデミックな書ではない。が、そこには職業人生のほとんど全てを通じて市場と向き合ってきた者の持つリアリズムがある。

 副題に「この繁栄はいつまで続くか」とあり、またオビに日は、「米国経済大復活、日本株大下落」を予見した著者がいま唱える「黄金シナリオ」とは何か、とある。

 長期にわたって世界規模で続く不思議なこの好況をどう説明するのか。あらゆる経済学者が説明に窮するこの状況を真正面から受け止める。

 2002年、2003年辺りから、人類がこれまで経験したことの無い(比較しうるとすればモンゴル帝国ぐらいか、とも。)全く新しい帝国主義経済が成立しつつあることを説き、そのなかでの米国、中国・インド、EUそして日本の振る舞いを説明する。350ページ弱の厚さだが、その密度はとても濃い。多少なりとも経済学の素養が無いと、ボウッとしているとすぐに何が書いてあるのかわからなくなってしまうけれども難解というものではないので、とても刺激的な書となるでしょう。

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2007.04.01

公立炎上

433493405601_aa240_sclzzzzzzz_v25088969_ 公立炎上 上田小次郎 光文社 ¥1,000

 現在一時的に休職中なるも、現役高校教師の手になる1冊。おなじみの千円ペーパーバックスの最新刊です。本書の紹介は、下記のAMAZONの引用をご参照いただくとして、本書の中でもっとも衝撃的であったのは、著者による「あとがき」でした。ネタバレになるのでここでは明かしませんが、著者自身が記しているように、そこに書いてある心情こそが、今の公立校の現実をまさに反映していると受け止めました。

 <<AMAZONからの引用>>

出版社/著者からの内容紹介
本書は、現役の高校教師が、自らの教員生活を振り返り、現在の
公立校の悲惨な状況をひたすら書き綴ったものだ。筆者は、今の公立校には、真
剣に教育を考えている教師などほとんどいない、と断言する。教師はただ、給料
と将来の安定にしがみついている学校の寄生虫であると言い切る。そし
て、筆者自身もまた、そんな1人になってしまったと吐露する。かつては教育に
対する熱意を持っていた教師たちも、教育現場で過ごすうちに、教育どころの話
ではなくなってしまう。
7年間の教員生活の中で筆者が出会ったのは、生活費をもらえずキャバクラで働
く生徒、理解不能のクレームをつけてくる親、生徒を殺したいと言う教師たち
だった。この悲惨な日常の中で、教師たちは壊れていく。
学校・教師がなぜ、こんなことになってしまったのか?なぜ教師は寄生虫にま
で成り下がってしまったのか?それを知りたくて、筆者は100人を超える教育関
係者に取材した。
本書は、いわゆる教育論を語るものではない。筆者は、自らの経験や取材で得
た今の教育現場の実状を知らせることに注力している。それを知るだけで、現在
の日本の公教育がいかに危険な域に達しているかがわかるだろう。

著者について
明治大学文学部卒。現役高校教師。公立高校3校で実質7年間教壇
に立つ。学生時代よりライター活動も行い、週刊誌などに教育問題に関するコメ
ント等を寄せる。著書に『教師のしくみ』(ソフトマジック、2003年)。

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2007.02.18

官のシステム

413034234701_aa240_sclzzzzzzz_1 官のシステム 大森彌 東京大学出版会 ¥2,730

 国家公務員=官と解して、そのシステムを暗黙知、インフォーマルな作法、慣行を踏まえて、文字に起こしていく。ある意味で滑稽に受け止められかねない工程を丹念に積み重ねて、その実像に迫っていく。中には、戦前、戦中のホンネ発言を拾ったり、森村誠一の短編小説にその生態の描写を見出したりされており、その守備範囲の広さと懐の深さは驚かされるばかりです。

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2007.01.30

成功術 時間の戦略

416660443001an1vrqenfrjn5_aa240_sclzzzzz 成功術 時間の戦略 鎌田浩毅 文春新書 ¥714

著者は火山学者にして京大の総合人間学部教授。京大にこのような名称の学部ができたことを、恥ずかしながらつい最近知っただけに興味深く読めました。

 少し生々しい表題ではありますが、バランスの取れた人生を送るための指南書といった趣です。学部生に語りかける口調で書き始められているので、30代以上の方には少し見下されているように感じられるかもしれませんが、それも最初のうちの我慢だけで、すぐに穏やかな表現に落ち着いていきます。

 9章にわたり、人生における戦略が示されています。少しばかりストレートな表現に気恥ずかしくもなってしまいますが。

  1. 時間管理の戦略
  2. 人に負けない”武器”を持つ方法
  3. 人間関係の戦略
  4. フレームワーク利用術
  5. 戦略的な読書家になる
  6. 効率的に教養を身につける方法
  7. 無意識活用法
  8. クリエイティブになる方法
  9. 「オフ」の戦略

 「人生って、そんなに割り切れるもんじゃない。」とか「思い通りにばかり進むかい。」といった声も上がるかもしれませんし、著者の失敗談や挫折感が盛り込まれていないことから一面的な印象を受けるやもしれません。それでも、この書に値打ちを感じるのは、全てが著者の体験と実績に裏付けられているからだと思います。古今東西の碩学の名言が散りばめられており、引用が明示されているのも原典に当たれるように配慮されているものと思われます。

 自分自身に当てはめてみるに、1,3,4,6は、まだまだと感じていますが、例えば「無意識」や「集合的無意識」の無限の力を知ったのは19歳の時でしたし、そのきっかけも「読書(1冊の本)」でした。このように不惑も過ぎれば誰しもそれなりの方法論を身につけているのは当たり前ですが、自己の体験に当てはめてみて納得する部分が多い本でもありました。

 Mizoさんのブログで紹介されていたので手に取りました。

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2007.01.28

民俗学者 宮本常一のことば

0701281957091

宮本常一

 NHK教育テレビでアーカイブから探し出したネタとして放映されていました。民俗学といえば、柳田国男であったり、(少し違うかもしれませんが)南方熊楠を想起される向きも多かろうと思いますが、世代的には彼らの後に位置し、その着眼点もユニークなものであったようです。フィールドワークの学問ゆえ、歩きに歩いた一生であったとのことでした。

 いまのようなせかせかした時代にあっては、まことに含蓄あることばだと感じた次第です。

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2007.01.07

お仕事発見 人生ゲーム

B000gfl9r201_aa280_sclzzzzzzz_v59729951_ お仕事発見 人生ゲーム

 正月の団欒用に年末に購入。今では様々なバリエーションが展開されているタカラの人生ゲームの1つです。ウリは、村上龍さんの「13歳のハローワーク」とタイアップした100種類の職業が係ってくるところ。わが家では次女がすっかりはまっていますが、彼女の中3のイトコもずいぶん気に入った様子。同じ中3でもわが家の方は、ゲームの中の紙幣より日本銀行券がお好みのようで真剣にゲームに参加してきません。

 「お仕事発見」の割には、ゲームの勝敗がゴール時の資産で決する辺り、「拝金主義」から脱し切れていない寂しさを感じてしまいます。

 とはいえ、すでに元を取る程度の回数はルーレットが回ったようで。

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会計破綻

441904286909_aa240_sclzzzzzzz_1 会計破綻―会計プロフェッションの背信 マイク・ブルースター 税務経理協会 ¥2,310

 読みかけのまま越年してしまった本書をようやく読了。原題はUNACCOUNTABLE。2003年の書。

 本書最大のテーマは、エンロン&アンダーセンに象徴される一連の会計不正・スキャンダル及びそれを巡る関係者の暗闘(及び今後の展望)ですが、類書で会計の出だしとして語られることの多いルカ・パチオリからずずっと遡って太古の時代まで会計の起源を訪ね、一般経済書でありながら実務に関する会計史(というより会計士史と言うべきでしょうか。)の教科書的な性格も帯びています。

 著者は、世界規模での四大会計事務所の1つであるKPMGの元広報ディレクターとのことですが、ずいぶんと教養人という印象を受けました。

 新年早々、ほんとうに色々と考えさせられる本でした。

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2006.12.09

南の島のたったひとりの会計士

459405253301_aa240_sclzzzzzzz_v35803919_ 南の島のたったひとりの会計士 屋宮久光 扶桑社 ¥1,365

 著者は奄美大島出身、慶応を出て福岡での大手監査法人勤務を経て、故郷へ戻った。多少の紆余曲折はあったものの、世間一般の目を通してみれば、「なんでまた。」ということになる選択なんでしょう。決して、「仕事に嫌気がさした。」とか「都会生活に向いていない。」という後ろ向きなものではなく、父親の死がきっかけで「島」が呼び戻した、といったように見受けました。島へ戻ろうと決意した著者に対する幼馴染の忠告は「やめとけ」であったそうですが。

 前半戦はなかなかエンジンがかからない著者の言動にやきもきしたり、すんでのところで一命をとりとめた列車事故にはらはらさせられたりといった青春記ですが、メインテーマは、やはり島に戻ってから。仕事が無い、仕事への理解が無い、事件の勃発、著者自身の「こころ」に根ざした問題等々、体当たりで島の現実にぶつかっていった様子が、著者が素っ裸になることによって生き生きと(あるいは生々しく)描かれています。

 読み終えてみると、一見、およそ仕事として成立しないような場所であっても、知恵と熱意、粘りと、なにより、その場所に対する思い入れ、突き動かされる思いがあれば、道が開けていくことを教えられた気がします。ただし、、言葉であっさりと尽くせるほどに、そんな生易しいものではありませんが。

 Amazonの書評にもありましたが、会計士版「Dr.コトー」という表現が言いえて妙だと思います。もっとも、奄美大島の人口は10万人以上だそうで、絶海の孤島をイメージするのは失礼というものでしょう。

 ご覧のとおりの魅力的な表紙ですし、文芸調の繊細な表現で読みやすくもありました。

 

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2006.11.05

自治体破たん・「夕張ショック」の本質

487555476101_aa240_sclzzzzzzz_v39678745_ 自治体破たん・「夕張ショック」の本質 橋本行史 公人の友社 ¥1,260

 地方自治ジャーナルブックレットのNo.42。このシリーズの体裁ゆえ薄い本ですが、それゆえコンパクトにまとめられていて読みやすいというわけです。

 副題に「財政論・組織論からみた破たん回避策」とあります。前半は、赤池町を含む福岡県田川郡4町(かつて財政再建団体であった。)の比較財政分析などに費やされていますが、4町長のリーダーシップ分析があったり、M・ウェーバーにとどまらずミンツバーグが引用されるなど経営学を修めた方(著者は大学教授であり、経営学博士でもあります。)ならではの、幅広く多面的な切り口がみられます。

 後半、夕張市の分析、追跡に紙幅が費やされますが、「財政指標は、なぜ、機能しないのか」、「ガバナンスの機能不全」、「教訓」など、考えさせられます。

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2006.10.16

自治体をどう変えるか

448006324201_scmzzzzzzz_v39084825_1 自治体をどう変えるか 佐々木信夫 ちくま新書 ¥777

 著者は中央大学教授。結構大胆な提言が続き、距離を置いた醒めた見方をすると「床屋談義」風あるいは「大放談」に感じてしまい、「果たして著者はこの本の読者にどういった人を想定しているのだろう?」なんて思ったりしてしまう。まるで政策どころか制度設計、決定を託された唯一一人の存在に語りかけているようにも感じられる箇所があったりしたためです。「そんなこというなら、オレならこう変えるで。」というツッコミが入りそう。

 一転して市町村合併後の将来を占う章では、さすが専門家だけあって数字による説得力も伴いまるで別の本のような迫力。

<目次>

第1章 変化する行政環境
第2章 地方分権―国と地方の攻防
第3章 政策官庁としての自治体
第4章 自治体の政策活動
第5章 議会をどう変えるか
第6章 急がれる公務員改革
第7章 深刻化する財政危機
第8章 市町村の将来―合併後
第9章 府県の将来―道州制
終章 国のかたち―分権国家

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2006.10.12

Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 11月号

B000ion7te01_aa240_sclzzzzzzz_v38881453_ Harvard Business Review (ハーバード・ビジネス・レビュー) 2006年 11月号 ダイアモンド社 ¥2,200

 実はまだ読み終えていないのですが、とにかく「今月号はお値打ちです!!」と言いたくてUPした次第です。

【創刊30周年記念号】と赤文字で銘打ってあり、タイトルも「偉大なる経営論」とあります。HBR名著論文30選として、大物論文がずらずら~と並んでいます。

まずはご報告まで。

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言志四録 (一)

406158274701_bo2204203200_pisitbdp500arr 言志四録 (一) 言志録  佐藤一斎 講談社学術文庫 ¥1,050

 雑誌で「経営者が勧める名著×××」とかいった特集で、必ず何人かが挙げる一冊。殊に文藝春秋の特集では常連。しかも必ずしも年配の経営者のみならず、いわゆる若手と呼ばれるような世代の人も。

 といった興味本位で手に取りました。幕末時期に生きた著者の感性は、孔子よりは現代に近かったようで「論語」より親近感を持ちました。もっとも、論語そのまんまの引用があったりして、デジャヴ体験をした一節もありました。

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2006.10.09

現代語訳 論語

400600017009_aa240_sclzzzzzzz_1 現代語訳 論語  宮崎市定 岩波現代文庫 ¥1,260

 マンガばっかり読んでいるわけにもいかないので、手にとってみました。というわけでもなく、1週間ほどまえからちびちび読んでおりました。論語研究の権威になる本ですが、訓詁学が跋扈した時代のフィルターをかいくぐって、従来訳に囚われずに、孔子の生の言葉に迫ろうとの意気込みで臨んだものです。

 金正日及び北鮮人民にこそ、読ませたい一冊です。

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2006.10.02

経営革命大全

453219138609_scmzzzzzzz_1 経営革命大全 ジョセフ・ボイエット&ジミー・ボイエット 日経ビジネス人文庫 ¥1,050

 少し前にあまり考えずに購入したものの、700ページ近い分厚さにプレッシャーを感じてそのまま放置。10日ほど前から就寝前専門(枕元に置いておきました。)でちびちび読み進め、今日だけ机の前で150ページほど一気に読みました。

 原題は、「The Guru Guide」。副題の邦訳は「世界をリードする79人のビジネス思想」です。ただ、ドラッカー(の著作の一部)やポーター(ハメルとプラハラードなども)は詳しく触れられているものの、単なる寄せ集めや見本市ではなく、全体で統一感を打ち出すことに成功しています。また、「ポーターの失墜」といった”ぎょっ”とするような表題も入っています。もっとも、コトラーは著作の中で以前から痛烈な批判をしているようですが。

 端的な言い方をすれば、「この1冊で経営学部での(経営学の)授業内容をカバーしている」と言えるかもしれません。これで¥1,050は凄まじいハイ・コストパフォーマンスです。

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2006.10.01

粉飾の論理

449239468001_scmzzzzzzz_v40864329_1 粉飾の論理 高橋篤史 東洋経済新報社 ¥1,890

 著者は出版元の東洋経済の記者。第Ⅰ部が、カネボウ。第Ⅱ部が、メディアリンクス、丸石自転車、駿河屋など。第Ⅲ部は、国際第一監査法人など。序章として、ライブドアが取り上げられているが、LDは第Ⅲ部でも再び取り上げられる。第Ⅱ部と第Ⅲ部は、反社会的勢力に連なる闇の住民達がワンサカ登場する。規模の大小を問わず、企業が危機に陥った際、こういった連中がどこからともなく群がってくると言われるが、それが全国的なスケールで起こった事例と言えるかもしれない。

 「あとがき」でもふれられているが、著者は現場、当事者をとても重要視しているようだ。国内各地はもとより香港、ヨーロッパと、労をいとわずとことん執着して追いかけた様子が随所に窺える。TV、雑誌や新聞などで見たことのない初見の記述が多かったのも印象深かった。当事者でなくともここまで掘り下げられる、ということを見せつけられた1冊でした。

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2006.09.25

世界を変えたビジネス思想家

447820088209_scmzzzzzzz_1 世界を変えたビジネス思想家 ダイヤモンド社 ¥2,940

 「世界で最も重要なビジネス書」、「世界で最も偉大な経営者」に続く、「ザ・ビジネス」プロジェクトの第3巻、訳書です。「マネジメントの世紀」のバックアップ、オルタナ本として先に購入していたのですが、むしろこちらの方が面白かった。アメリカ人の考えそうなことで☆による5段階評価(現代の経営への影響度であり、偉人の業績に対する評価そのものではありません。)

「第1部 行動と心理」

  • 「クリス・アージリス」マネジャー論の研究者 ☆☆
  • 「ジョン・アデア」行動中心型リーダーシップ ☆☆
  • 「ウォレン・ベニス」リーダーシップの権威  ☆☆
  • 「ケネス・ブランチャード」1分間マネジャー ☆☆
  • 「デール・カーネギー」人の心を開き、人を動かす方法 ☆☆
  • 「スティーブン・コヴィー」人生を成功させる7つの習慣 ☆☆
  • 「ダニエル・ゴールマン」心の知能指数 ☆☆
  • 「フランク&リリアン・ギルブレス」動作研究の先駆者 ☆☆
  • 「エルトン・メイヨー」ホーソン実験 ☆☆
  • 「エイブラハム・マズロー」欲求の階層 ☆☆☆
  • 「ダグラス・マグレガー」X理論とY理論 ☆☆
  • 「フレデリック・ハーズバーグ」動機づけ-衛生理論 ☆☆☆ 
  • 「メレディス・ベルビン」チームワーク理論の第一人者 ☆☆
  • 「ニッコロ・マキアヴェリ」権力の守護聖人 ☆☆

以下、「第2部 組織とグループ」、「第3部 プロダクトとマネジメント」、「第4部 思想と戦略」と続きます。なお、日本人は大野耐一(☆☆☆)、田口玄一(☆☆)、野中郁次郎(☆☆☆)、大前研一(☆☆☆☆)の4氏がとりあげられており、5つ☆に輝くのは、マネジメントの父ピーター・ドラッカーと、競争戦略のマイケル・ポーターの2人でした。巨星ドラッカーは別格として、ポーター先生の完成された理論もそれに準じるってことなんでしょうか。一方で、制約理論のエリヤフ・ゴールドラットや、マーケティングのコトラー先生が取り上げられていないのは、少し違和感を覚えます。ちなみに大前さんの☆4つはテイラーやアダム・スミスと同格です。

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2006.09.18

マネジメントの世紀

449252113509_scmzzzzzzz_1 マネジメントの世紀 1901~2000  東洋経済新報社 ¥2,625

ある方に「めちゃめちゃ面白い。」と紹介していただいて読み始めました。

 テイラーから始まったとすれば「経営」は前世紀である20世紀に”発明”され、そして急激に成長したと言えるでしょう。スローン、メイヨー、マクレガー、チャンドラー、ドラッカー、アンゾフ、盛田昭夫、・・・デミング、ミンツバーグ、大野耐一、大前研一、ウェルチ、コトラー、ポーター、・・・。錚々たる大物たちの壮大なリレーです。

 まるでNHK、BBCとアメリカの大手ネットワークの国際共同制作番組を見終えたような印象です。

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2006.09.10

変わる社会、変わる会計

453555464101_scmzzzzzzz_v62365490_1 変わる社会、変わる会計 石川純治 日本評論社 ¥1,995

 著者は公認会計士試験委員も務められたことがある駒澤大学教授。遠い昔には実務にもついておられたよう。その著者が自身のsiteにて、新聞記事を入り口にしたコラムを連載されていたものが土台になった辛口のエッセイ集。エッセイというより時事評論といった方がしっくりくるかもしれない。

 90年代半ばからの話題も取り込んであるので、現時点から眺めると違和感を感じるところもありますが、この本の真骨頂は記述内容はもとより、その姿勢、切り口、バックグラウンドにあると感じる。この本を読んで、自省的に考えさせられる方は多いと思う。

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2006.08.26

ポケット図解 チャン・キムとモボルニュの「ブルー・オーシャン戦略」がわかる本

479801402801_scmzzzzzzz_v59928970_1 ポケット図解 チャン・キムとモボルニュの「ブルー・オーシャン戦略」がわかる本 中野明 秀和システム ¥630

3冊目です。これもいいですね。なんだか底本を買いたくなってきました(そんな高いもんでもないんだからハナから買えよって?)。

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2006.08.21

希望格差絶望社会

486248044601_scmzzzzzzz_v64717181_1 希望格差絶望社会 福地誠 洋泉社 ¥1,000

 このところ至るところで社会問題化している「教育格差」です。数年前の雑誌などを丁寧に掘り起こし、独自の取材を掛け合わせ、これでもか、これでもか、というくらいに階層と親の経済力が子供の教育のみならず人生設計に逆転不能な影響を及ぼす現実を突きつけてくれます。少し前に読んでいたのですが、書き込みをしたものと思い込んでおりました。

 長くなりますが、Amazonからの引用です。

商品の説明
出版社/著者からの内容紹介
拡大する教育格差をレポートする1冊!
親の所得格差、家庭の文化格差、居住する地域の格差、そして公立と私立の格差。そういった格差と、子どもの学力との関係を多面的に描き出します。

上にはお受験する子どもたちがいて、下には崩壊家庭の子どもたちがいます。そして“普通”である真ん中の子どもたちは、ゆとり教育による公教育の切り下げによって地盤沈下しつつあります。そんな現状を描き出します。

そして、日本の教育の将来の姿を描き出します。学歴社会に代わって新たに生じてくるスコア社会とは何か? それは最終章にて。

本書は、現状を前にして「これでいいのか?」という問題提起をすると同時に、「わが家はどうするか?」を考えるための見取り図を提供します!

内容(「BOOK」データベースより)
小泉構造改革の負の側面である経済格差。この経済格差が学力格差に直接反映されるようになってきている。なぜ反映されるのか?それは「教育の機会均等」がすでに幻想でしかないからだ!偏差値レースに参加しようと思えば、高校から大学だけで1000万円が必要なうえ、すでに選抜の主戦場は中学受験に移りつつあるため、その費用はさらに増す。そのうえ、学費の個人負担が先進国のなかで日本は最も多い。つまり、教育も市場原理で動き、学歴は努力による業績ではなく、生まれによる属性で決まる社会になっているのだ!もうまもなく国民の9割が人生のスタートラインにすら立てない社会が到来する。

内容(「MARC」データベースより)
教育が二極化しつつある状況と、多彩になりつつある教育の現場をレポート。そこにあるさまざまな格差を描き出し、学歴が努力による業績ではなく、生まれによる属性で決まる絶望社会日本を告発する。

著者からのコメント
経済格差と教育格差について、20年余りにおよぶ思いをまとめた1冊です。親の所得、家庭の文化、地域……。そういった要素と子どもの学力との相関についてレポートしました。国会議員の方々に、学齢期の子どもを育てている方々に、そして教育について関心をお持ちの方々に、手に取っていただけたらと思っております。

カバーの折り返し
小泉構造改革の負の側面である経済格差。
この経済格差が学力格差に直接反映されるようになってきている。
なぜ反映されるのか? 
それは「教育の機会均等」がすでに幻想でしかないからだ!
偏差値レースに参加しようと思えば、高校から大学だけで1000万円が必要なうえ、
すでに選抜の主戦場は中学受験に移りつつあるため、その費用はさらに増す。
そのうえ、学費の個人負担が先進国のなかで日本は最も多い。
つまり、教育も市場原理で動き、学歴は努力による業績ではなく、
生まれによる属性で決まる社会になっているのだ!
もうまもなく国民の9割が
人生のスタートラインにすら立てない社会が到来する!

著者について
幅広く活動するフリーライター。
1965年東京都生まれ、埼玉県浦和市(現さいたま市)育ち。東大合格者数日本一を誇る開成中学に入るも、学力不振で追い出され、私立錦城高校を経て同校初の東大合格者に。アップダウンの激しい人生で8年かかって教育学部を卒業し、出版社勤務を経てフリーライターになる。
現在は2人の娘を持つ家庭人でもある。教育問題、格差問題に深く関心を持ち、それが本書となった。麻雀の腕もプロ級で、著書に『麻雀検定』(竹書房、全4冊)、『アカギ悪魔の戦術』(竹書房、全3冊)、「経済の黒帯シリーズ」(宙出版、全5冊)などがある。

著者略歴 (「BOOK著者紹介情報」より)
福地 誠
1965年東京都生まれ、埼玉県育ち。東大合格者数日本一を誇る開成中学に入るも、学力不振で追い出され、錦城高校を経て同校初の東大合格者に。アップダウンの激しい人生で8年かかって教育学部を卒業し、出版社勤務を経てフリーライターになる。現在は2人の娘を持つ家庭人でもある。教育問題、格差問題に深く関心を持つ(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

抜粋
 2006年春、大阪府に住む知人Aさんのお嬢さんが高校受験をした。まず私立を受けて合格し、それから公立の前期でトップ校を受けて落ち、後期で2ランク落とした中堅高校を受けて合格した。結局、後期に受かった公立へ行くことにしたが、授業料等払い込みの手続きに行き、早くもこの選択を少し後悔したという。生徒も保護者も雰囲気がまったく違ったのだ。

「なんというかなぁ、列をつくって並んでる様子からして違ってるんよ。私立と公立トップ校はあまり騒がしくしてないし、まっすぐ並んでて背筋もちゃんと伸びてるんよね。それが中堅公立になると、ガヤガヤしてるし、並び方にもだらけた雰囲気が出てるんよ。列が少し曲がったりしてて、最近の女の子はガニ股が多いけど、立ち方にもそれが出てるんやな」

 この私立は小学校から大学まであるお嬢さま学校だというが、持ち物も違ったのだろうか。

「全然違ったわ。私立のほうは、ヴィトン、プラダ、シャネルなんかを持っててもケバくないし嫌味じゃないねん。さりげなーく金持ちって感じ。それが中堅公立だと、そのへんに買い物に行くみたいな格好で、美容院に行った方がえーんちゃうのみたいな人ばかり。ジャンパーとか、とにかく貧乏臭いんよ」

 Aさんは本当にこの高校にしてよかったのかと、少し疑問を感じてしまったという。

「親が金を持ってるかどうかと子どもの頭のよさって、こんなにはっきりしてるもんなんやな。つくづく感じたわ」

 これがAさんの結論だった。

 勉強することは学校の文化に適応することだし、規律正しく行動することは社会に適応することだ。そして最近では学力を買うことができる。だから、知人がいうように、学力と経済力、そして規律正しさは強い相関を持つだろう。これまであまり語られてこなかったことだが、どの県の高校に行ったとしても同じような状況を観察することはできるはずだ。

 教育と階層、階層と地域、その相関関係は確かに存在している。

(第2章「東京のなかで広がる格差の現実」より)

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2006.08.19

週刊東洋経済 この経済書がすごい!!

H200608121 週刊東洋経済 この経済書がすごい!!  8/12・19合併特別号

 先週号のお盆前合併号(特別なんてついてるけど単に編集部が休むだけの話でしょう。)。副題に「81人のリーダーが選んだ必読の300冊」とあります。「必読」って言われても300冊じゃなぁ。せめて30冊にしてくれよ、ってそれじゃ厚みないし、そもそも特集として成立しないよな。

 ちなみにエコノミストら56人が選んだ2006年上半期の経済・経営書ベスト100のトップ10は、

1位  「日銀はだれのものか」、「ゴールデンサイクル」

3位  「ゼロ金利との闘い」

4位  「日本経済の構造変動」、「ヤバい経済学」

6位  「フラット化する世界」、「開発主義の暴走と保身」

8位  「バーナンキのFRB」

9位  「分断される経済」

10位 「世界デフレは三度来る」、「脱デフレの歴史分析」

 選者にエコノミストが多いのか、経営書より経済書ことに金融関係が多いようですが、1位のひとつ「日銀はだれのものか」は内幕暴露本、「ゴールデン・サイクル」は権威者によるオキラクな景気循環グランドクロス(惑星配置よろしく4つの波動が同時に上向き?)論。

 面目ないことに既読は「フラット化する世界」のみ。「日銀はだれのものか」と「ヤバい経済学」はパラパラと立ち読み。あなたは何冊読みましたか?

H200608261  ちなみに最新号は情報整理のノウハウが特集のようで。

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マイケル.E.ポーターの「競争の戦略」がわかる本―ポケット図解 (単行本)

479801210609_scmzzzzzzz_1 マイケル.E.ポーターの「競争の戦略」がわかる本―ポケット図解 (単行本) 中野明 秀和システム ¥630

 ポーターさんが「競争の戦略」を世に問うて四半世紀、今やビジネスマンの常識とさえ言えるほどにまで遍く広まった同書ですが、盛りだくさんの内容を論理立てて解説しているものの、逆にそれゆえ「難解」と言われてきました。同書を底本にしたアンチョコではありますが、理解のための「レジュメ」と位置づけるなら非常に合理的にまとめられた名品と言えるのではないでしょうか。

「ファイブ・フォース」

  1. 新規参入業者(新規参入の脅威)
  2. 競争業者(業者間の敵対関係)
  3. 代替品(代替製品・サービスの脅威)
  4. 買い手(買い手の交渉力)
  5. 供給業者(売り手の交渉力)

「競争の基本戦略」

  1. コストのリーダーシップ
  2. 差別化
  3. 集中

「環境分析の精度を高める」

  1. 業界内部の構造分析
  2. 競争業者分析のフレームワーク
  3. マーケット・シグナル
  4. 競争行動
  5. 業界の進展・変化
  6. 買い手と供給業者に対する戦略

「競争環境の一般的な特色を熟知する」

  1. 多数乱戦業界
  2. 先端業界
  3. 成熟期へ移行する業界
  4. 衰退期の業界
  5. グローバル業界

「戦略を意思決定する際のポイントを知る」

  1. 垂直統合
  2. キャパシティ拡大
  3. 新事業参入

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2006.08.04

DVD 男たちの大和

B000f6ruru09_pe23_ou09_scmzzzzzzz_v54813 DVD 男たちの大和

 「ALWAYS 三丁目の夕日」と同じく、ローソンで衝動買い。出れば買うつもりでいましたから、正確には衝動買いではないのですが。

 映画館でも見ましたし、実物大のロケセットも観にいきました。思い入れたっぷりです。その思い入れを割り引いても、この作品を引き立てているのは、「抑制」ではないかと思います。これだけの大作でありながら、東宝の8.15シリーズのような仰々しさが無いところが、却って魅力を生んでいるのだと思う。もっとも、8.15シリーズでも「連合艦隊」と「太平洋の嵐」はとても感動的でしたが。ことに「連合艦隊」の財津一郎の熱演には感動しました。あれも大和が撃沈されるシーンでしたが。

2006070400000010maipsociview0001  ところで、このDVD、8月4日発売なんですが、ローソンでは8月3日のことを8月4日と呼ぶそうで1日早く手に入れました。もうすぐ8月6日、9日そして15日がやってきます。毎年、この時期には戦記モノ(レイテ戦などの負け戦です。)の文庫を読んで、思いをいたすようにしているのですが、今年はどうやらこのDVDがこの代わりになりそうです。たった今、長嶋一茂演じる臼淵大尉が、「死に方用意」の講釈をしているシーン、菊水一号作戦にて出撃するところが映っています。下の写真は、最近になって公表された出撃直後に米軍機によって撮影された貴重なカラー写真です。

 かつて、お一人だけ実際に大和に乗艦されていた方のお話を伺ったことがありました。今から25年前、大学受験浪人していた折、予備校の講師をされていた方です。春に奈良県の公立進学校の校長先生を定年退職され、予備校で英語の授業を持っておられたのですが、トラック島に長期停泊中、いわゆる大和ホテルと呼ばれていたころでしょう、に乗艦されていたとのこと。京大を出られたとのことでしたが、学業半ばでの従軍であったようで、トラック島の夕日を見つめながら、「あぁ、勉強したいなぁ。」と心底思ったと心情を吐露なされました。予備校でのその先生の最初の授業であったと思います。お歳を推定するに、ご存命でも80代半ばであろうことからも、あの「戦争」ははるか彼方へ行ってしまったと感じます。そして、それゆえにこういった「戦記」や「戦争映画」を読み、見続ける義務が我々にはあるのだと思います。

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2006.07.04

「最新事例」指定管理者の現場

431313078001_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1_1「最新事例」指定管理者の現場  出井信夫・吉原康和 学陽書房 ¥2,310

 シテカンこと指定管理者モノ3連発(もう終わりか?)の締めくくり。正反合一ではないけれど、この本は構成がユニーク。第1部がジャーナリスト(新聞記者)、第2部が大学教授によるもの。ただし、2人ともフィールドワークの視点が共通。

 いよいよ3年を経るシテカンの光と影 、テキトーにこなしてきた自治体と、真剣勝負で住民と体当たりを重ねた自治体の差はすでに大きく開いてしまった。

 巻末に諸々の生資料つき。でも表紙はとても地味。

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2006.06.28

使う力

456964896701_bo01224223220_pisitbdparrow 使う力 御立尚資 PHPビジネス新書 ¥840

ワールドビジネスサテライトで、小谷”オヤジのマドンナ”真生子さんからのアツイ尊敬の眼差しを一身に受け止めるBCG日本代表のクール・ガイ。TVでの全くムダのない語り口が印象深く、また、御立さんが、上司の高校時代の同級生とも聞いていたこともあり、手にとりました。

「使う力」とは、勉強した内容を実践で活かしきる応用力とでもいったものでしょうか。人をこき「使う力」ではございません。ビジネスリーダーの基本条件である4つの要素の中核でもあります。

  1. 人間力
  2. 業界・社内常識
  3. 経営知識
  4. 使う力

そして、「使う力」を定義するための3つの必要条件とは。

  1. ビジネスリーダーが果たすべき役割に即している(到達目標としての「使う力」)
  2. スキルとして、習得方法が明らかにされていること(入り口としての「使う力」)
  3. 普段の仕事の中で身につけるという意識を持てば、力を伸ばしていけること(日常の仕事の中での「使う力」)

  ということで、続きは本書で。

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2006.06.25

数式を使わないデータマイニング入門

433403355501_pe00_ou09_scmzzzzzzz_v51944数式を使わないデータマイニング入門 岡嶋裕史 ¥735 光文社新書

副題に「隠れた法則を発見する」とあり、オビには、「グーグル、アマゾン- Web2.0時代に必須の技術を、本質から理解する」とあります。Mizoさんのご推薦で手に取りました。

内容は目次を参照いただくとして、説明上のサンプルとして引いてくるのが、「禁欲の誓いを立てた仲間の中で、異性交遊をしている裏切り者は誰か」とか「チョコレートが1,2月によく売れる理由はなにか」、あるいは「モビルスーツのクラスタ分析」、「軍用機の自己組織化マップ」なんて、オトボケであったり、(ゆるく)オタッキーなネタ。これも読者層を意識したも のなのか。ちなみに、クラスタ分析では、「うふふ、集束爆弾のことでしょう。親爆弾から子爆弾が飛び散ることで殺傷能力を高めているんだよね。僕はCBU-87CEMが好きだな。あれを大量に抱いて離陸するF-15Eは美しいよ」なんて、不謹慎な表現も出てきますが、ストライクイーグルの写真とコンセプトを初めて知ったときには、へぇ~と感じただけに非難するばかりでもおれません。もちろん、クラスタ分析とは関係ないクラスタ爆弾の話です。また、自己組織化マップを5段階で説明する際に、「そして、最終形態として図7-5のようになってしまうと、すでに意味不明である。」と記されているものの、個人的な印象は「明快やん。」。もっとも、その後の本書の記述は説明的で、「それでも、見る人が見れば、左上が米軍機、右上がロシア軍機、左下がフランス軍機、右下がスウェーデン軍機であることが分る。・・・」なんて書いてあって、「オレって見る人なんや。」と優越感をくすぐってくれる。「ラファール」や「JAS39」なら、ミリオタやエアオタっていうほどの人でなくとも分かるでしょうから、著者はギリギリのセンで読者の優越感を見越して書いているようにしか思えないんですが。というわけで、二重に楽しめました。

<目次>

第1章 隠れた法則を見つける技法
第2章 ビジネスで使われるデータマイニング
第3章 データマイニングの手順
第4章 落としどころを探る―回帰分析
第5章 効率的に判断する―決定木
第6章 分けることは分かること―クラスタ分析
第7章 複雑な分類―自己組織化マップ
第8章 買い物かごの中身は?―連関規則
第9章 神経をまねしてみる―ニューラルネット
第10章 データマイニングと情報管理
第11章 監視社会とデータマイニング

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2006.06.22

「夢」をかなえる勉強法

476319676601_pe00_ou09_scmzzzzzzz_v52128 「夢」をかなえる勉強法 伊藤真 ¥1,365 サンマーク出版

著者は、後発ながら有名な司法試験受験校のオーナー兼名物講師。

勉強法のノウハウ本かと思いきや、自分自身の勉強遍歴と「こころがけ」の棚卸。後半数十ページは、前半と異なりずいぶんスピリチュアルな挿話が多く、ワタシ自身もかつて感じながら気恥ずかしくてクチに出せないようなことが書かれており共感を覚える箇所が多かった。ストレートには書いてはいないけれど、ユングの集合的無意識やそれへの働きかけや、自利利他などの趣旨で書かれている箇所もあった。

読みやすさもあり、ゆっくり読んでも1時間ほどで読める。値段も安いし、買って損は無いと思う。書いてある項目を箇条書きしてノートにでもまとめなおせば、それだけで「夢」の一つやふたつはかないそうな御利益がありそう。

「アマゾンの紹介文」

「勉強はやりたいけれど、苦手」とか、「自分は勉強には向いていない」と思っていませんか? 勉強に得手、不得手があるのではなく、「勉強のやり方」に問題があるのです。
そこで、司法試験を受験する人たちの中では知らない人はいない、有名受験指導校「伊藤塾」の塾長であり、現在も教壇に立つ現役のカリスマ講師が、勉強を必要とするあらゆる人に向けて「勉強法のすべて」を熱く説きます。
著者自身が司法試験の勉強などさまざまな勉強を通して学んだことや、弁護士として活動していた時代に感じたことをもとに、日本で最難関と言われる司法試験にチャレンジする数多くの塾生と向き合う中でつくりあげてきた「伊藤式・勉強法」を惜しみなく公開。
そのメソッドは、「ゴールから発想すること」と「全体像を意識すること」。さらに、メモの取り方や予習・復習の方法、記憶力をアップさせる方法や頭の回転を速くする方法……といった《具体的な勉強のコツ》から、スランプに負けない《モチベーション維持の方法》などについて、わかりやすく言及します。
試験に合格するためだけではなく、自分を磨き、人生を真に豊かにするための「夢をかなえる勉強法」を身に付ければ、きっとあなたもゴールにたどり着ける、そして人生がどんどん切り開かれていく!

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2006.06.18

ANJO 事実上の倒産?

ANJOインターナショナルが、事実上の倒産か、と思われる記事が載っていた。

 すでに半月以上たった話題なので、米国公認会計士試験の受験関係者の間では沈静化した話なのかもしれないが、ひところの新聞、雑誌等の威勢のよい広告からは想像すらできない急展開。代表者もプロレスラーの安生洋二氏の実兄とは別の名前になっている。試験制度の変更のインパクトが大きかったようだが、J-SOX対応等でこういったビジネスからアウトプットされる人材の需要が伸びる余地もあるだけに残念と言うか、意外だった。資格ビジネスでは、行政の制度変更の可能性が、重要なビジネス・リスクであることを如実に示す事例となったように感じる。一つの時代が終わりつつあるということか。

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初講義

この春から兼務の教授として就任した大学院での初講義。おなじく今年度から実務家教員として就任したものの一足早くひととおりのメニューを終えた方から、アドバイスを貰い、また事務局の方々にも、「大学の作法が右も左もわからないもんで。」と断った上で手取り足取り手ほどきを受けた。

 本当はもっと準備万端で臨む予定だったんですが、本職の職場では春先から「想定外」の波乱が大小相次ぎ、本番突入。梅沢富美男の夢芝居「~稽古不足を幕は待ぁたない~」って歌詞がアタマをよぎることも。

 端から講義の趣旨をどんどん脱線していった1回目。配布した解答例に誤りがあり、学生に指摘されるなどハプニングもありましたが、志の高く希望に燃えた若者たちと触れ合える機会を持てたことに感謝。ニート(っていうな、ってのもわかりますが。)、格差社会、労働時間の長期化、少子化による社会的負担の増加など、若者を取り巻く環境はますますキビシクなる中、問題意識を持って頑張っている若者はいつの時代にもいるのだと実感でき、たいへんよい刺激を貰いました。

 でも、どんどん脱線するぞ。

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映画 不撓不屈

Top1

映画 不撓不屈

 国家権力(正確には、それを歪んだ私怨から濫用した一部の官僚)による一税理士の弾圧事件である「飯塚事件」を映画化。映画化にあわせて、原作も文庫化。  

6月17日、この土曜は新しい映画の封切ラッシュ。高杉良さんの原作が出てからずいぶん待たされたけれど、ようやくロードショー。HAT神戸の109シネマズで鑑賞。上映スクリーンが少なく、初回上映のためか満席。初老の夫婦連れが多かったが、必ずしも会計事務所の関係者ばかりではなかったようにも見えた。それでも、終映後、ロビーに向かう通路で仕事がらみと思われる携帯電話をかける人が多かったのは、普通の映画の上映とは随分違う印象を残した。

主演の滝田栄さんの役作りと熱演には執念すら感じさせるものがあり、原作が重厚なものであることも疑いの余地はないのですが、図らずもパンフで監督が「台本がなかなか進まない。」と漏らしていた通り、脚本がインパクト不足であったように感じた。万人受けするように、家族愛に一つの軸足を置いたようですが、原作や他の複数の書籍で知る限り、当局の弾圧は、映画で描かれているより遥かに苛烈であったように思う。また、飯塚毅TKC創設者に対する検察の取調べの様子が映像化されなかったのも、少し不満。さらには、凄まじい博覧強記ぶりが披瀝されないのも物足りなさを感じた。もっとも、この辺りは敢えて外されたのかもしれないが、「この男、ただ者ではない。」という言葉どおりの超人ぶりも画面で見たかったとの思いは拭えない。

とはいうものの、「信念とはどういったものか。」、「決断を下すべきときに、どのように処すべきか。」ということは、十分に伝わってきたと感じました。

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2006.05.05

会社法入門

400431005901_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1 会社法入門 神田秀樹 岩波新書 ¥777

東大教授でおそらくは立法にも関わったと思われる著者の「会社法」を巡る想いを書き綴った1冊。ということで、あくまで「入門」であって「解説」ではありません。会社法にとどまらず、日本の会社を巡る法制度のあり方全般、幅広くとりあげられています。過去の商法改正の際に講義を伺ったことがあり、気になって手に取った次第です。

その中でおかしな日本語。P146。「・・・が必要であると、日本の会社法は考えたためである。」とある。勢いで書いてしまったんだろうが、確かにこんな書きぶりに出会うことはときどきある。正確には、「・・・が必要であると、日本の会社法の立法に携わった人たちは考えたためであろうと私は推測(あるいは推定)する。」といったところでしょうか。法律が思考するわけないもんね。勝手に考えられたらエライことです。

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2006.04.23

キャリア転機の戦略論

448006199109_ou09_pe0_scmzzzzzzz_1 キャリア転機の戦略論 榊原清則 ちくま書房 ¥735

 著者が英国のロンドンビジネススクールで教えていた際の関係者、主に学生、を対象とした調査票分析とインタビューを基礎に、英国を主とする欧州におけるキャリア・パスとその転機における意思決定について説かれている。

 学術的な分析というより、生きていくうえでのヒント集を目指しているように感じた。若者、中年前期、中年後期、女性といったカテゴリーで一応は括られたモデルを紹介してくれるが、カテゴリー性よりも、あくまで個々のケースとして受けとめたうえで改めて普遍化するように考え直す方が読みやすく感じた。

 立ち読みした時から、既読感を持っているのだが、いまだにその理由は解明できていない。恐らくは、過去に比較的時間をかけて立ち読みしたことがあったんではないかと思う。初版の出版時期からみて、購入していれば、このブログに記録を残していたはずだし。

 「戦略的」、「展望的」、「主体的」など、日本人の多くが組織の意思決定(そんなもんがあるとして)に流されるように生きていくのに対して、明確なキーワードが浮き彫りになる。英国では転職が比較的軽い選択肢であるのに対し、特定の組織に居残り続ける方が強い意思決定を伴うらしい。これは公務員も同様であり、数年で異なる自治体等を渡り歩くことがオーソドックスなスタイルのよう。

 本書では、10人以上のモデルが現れ、それぞれが典型的であると同時にユニークでもあるが、もっとも奇特なキャリア・パスは、著者自身であろう。当然、そのことは著者も意識しているわけで、本書内でも少しく触れられている。

(Amazonより)

1949

北海道小樽市

に生まれる。電気通信大学電気通信学部卒業。一橋大学大学院商学研究科博士課程修了。一橋大学商学部で講師、助教授、教授を歴任したのち、40代前半でその地位を辞して、92年より4年間、ロンドン大学ビジネススクールで準教授を務める。このようなキャリアの変遷を経て、現在、慶応義塾大学総合政策学部教授(本データはこの書籍が刊行された当時に掲載されていたものです)

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2006.02.26

失敗学のすすめ

4062747596 失敗学のすすめ 畑村洋太郎 講談社文庫 ¥560

 東大工学部の名誉教授にして現在は工学院大学教授である著者が、若い頃の自らの実験に際しての大失敗に遡り、数々の失敗を体系化したもの。

 失敗の蓄積が成功に至るにも拘わらず、そのような方法論がこれまで整理してこられなかった点に光を当てたものといえるのかもしれません。

(本書の紹介文より)恥や減点の対象ではなく、肯定的に利用することが、失敗を生かすコツ。個人の成長も組織の発展も、失敗とのつきあい方で大きく違う。さらに新たな創造のヒントになり、大きな事故を未然に防ぐ方法も示される。 「失敗は成功の母」を科学的に実証した本書は、日本人の失敗に対する考えを大きく変えた。

工学を背景にする著者だからといって、何も技術的な「失敗」にしか効能が無いわけではなく、雪印などの企業犯罪に係る「失敗」に関しても触れられている。きっと最近の事例では、「JR西日本の福知山線脱線転覆事故」、「JALの頻発する整備不良、基本動作無視に係る事故、事件」そして、「民主党の永田議員によるニセ・ホリエモン・メール事件」なども「失敗学」の対象になってくるんでしょう。

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他人を見下す若者たち

m03085632011 他人を見下す若者たち 速水敏彦 ¥756 講談社現代新書

ニート、フリーター、下流社会といった流行のフレーズの流れに沿った本かと思って買ったのですが、全く逆向きベクトルでした。読んでても、納得できないというか、共感しづらいというか、???の箇所が多かった。「他人を見下す」=「中の上意識」を持つ若者が多いとの持論を展開しておられる。自尊感情、仮想的有能感、自己愛的有能感といったわかりやすい概念を持ち出してこられるので、なるほどと思わせるところも多いのだけれど、だからといって社会的な課題を捉えきれるものではなく、個人的な感想、印象といった範疇を出ない。

著者の人となりを存じ上げないだけに、切って捨てるような言い方はしたくないんですが、一昔前の教師にありがちな「世間知らず」的な感覚をまざまざと見せつけられる箇所が多く少々唖然としました。

例その1:「親の問題行動その1」:入学後初めての中学1年の保護者会で、ある保護者が「・・・合格が決まってすぐ、春休みから○○塾に行かせていて、勉強は親の方でしっかり面倒を見ています。・・・」と発言。これは学校の授業にまったく期待していない親の姿が窺われ、学校の授業では学習指導は十分でないことが当然と考えており、学校や先生をバカにしているケースと言える。   ・・・とあった。でも、これが子を持つ親としての現実でしょう。バカにされる程度に国際的な基礎学力が低下しており、東大、京大からFランク(フリー。受ければ通る。)の大学まで授業が成立しないケースが増えて大学教授が懊悩している現実に対する責任感が微塵も感じられない。「バカにしている。」なんていう無意味なプライドだけが空しく浮き上がっている。

例その2:「親の問題行動その3」家族旅行で学校を欠席 私事的な都合で勝手に学校を休ませる親が増えている、それも当たり前のように。例えば、7月19日で学校が終わり、20日から夏休みだとする。「家族旅行に行くので、19日から休ませて頂きます。夏休み前の19日までだと航空運賃(旅行代金)がグンと安いので、思い切って学校は休ませてもらいます」という電話がよくある。1学期最後の19日に通知表やその他の配布物を配ることが多いのだが、「何かもらうものがあれば、郵送してくれませんか。」と平気で要求する。これは学校の制度よりも明らかに家族の都合を優先させたものと言える。学校や先生を、公共サービスの一環としてしか認識していないのかもしれない。  ・・・とあった。まず、このような認識は公共サービスとして最低(最低限ではない。)の水準であると言える。なぜなら、利用者としての視点が全く欠如したまさに保護者や児童を「見下した」視点である。恐らくは海外と思われる家族旅行以上に、子供の情操教育に価値がある終業式を挙行しているとでも言うのだろうか。どれほどの付加価値の高い終業式なのか。少なくとも7月19日と20日の航空運賃の差額以上の付加価値がある終業式なのだろう。子供の教育は最終的に親が責任を取るのは当然である。いかに義務教育とはいえ、その親の判断に制度を振りかざす権威主義的な態度、まさに「見下し」である。配布物の郵送に関しては、恐らくは夫婦ともに有職者なのであろうと想像される。学校がコンビニなみに24時間開いているなら、この保護者とて郵送してくれとは言わないであろう。そもそも公共サービスとしての自覚があるなら、保護者から求められる前に配布物を郵送する段取りくらいつけておいて当然の時代である。また、「・・・という電話がよくある。」といった現状認識をしているのなら、なぜ7月19日から夏休みにするようカリキュラムを変更しないのか。まったく受益者の視点を欠いている。著者と同様の表現を借りれば、「学校や先生は、受益者のことを考えなくてもよく、学習効果を働かせる必要が全く無い存在と認識しているのかもしれない。」そもそもこういったテーマを捉えて、学校と保護者が真剣に討議する場すら設けていないのかもしれない。この本の中では、行政と住民のパートナーシップを連想させる箇所は見出せなかったし。

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2006.01.21

日本人の常識試験

今、「日本のこれから」というNHK総合のTV番組を見ながら打ってます。今夜のテーマは「増税」。増税の是非と使